甘美な誘惑。TAWINGSが奏でる仄暗い
ポップの裏側 | Newave Japan #49

80’sの艶めかしく、甘美な音楽からの反響。歪さとポピュラリティを兼ね備えたTAWINGSの音楽は、オルタナティヴを望むリスナーを魅了する。2018年頃からじわじわと認知を広めていき、昨年にはセンスの塊のようなファースト・アルバムをリリース。幻想的な音像とヨレたリズム、Cony Plankton(Vo&G)のコンプレックスが消化させたポストパンク/ニューウェイブ・サウンドは、キュートであり、美しくもあり、そしてどこか屹然とした雰囲気を持っている。Cony、eliy(B)、Yurika(Dr)の3人が作ったルーツ・プレイリストから、彼女達のバックグラウンドと音楽観を探った。

心が震えるほどカッコいいと思った

ー3曲ずつ選んでいただき、ルーツとなるプレイリストを作っていただきました。みなさんが1番最初に音楽にのめり込んだきっかけは何ですか?

※Spotify配信楽曲以外に、Burgh「テクノ・ナルシス」をセレクト。
Yurika:
私は高校生の頃に知った、The(International)NoiseConspiracy。人から勧められたものではなく、初めて自分で見つけたバンドだったので、それもあって凄くのめり込んだのかなって思います。
ーどこにグッときました?
Yurika:
中3くらいからハードコアやメロコアを聴いていたんですけど、ハードコアって似たような曲が多いなと思っていたんですよね。でも、Refusedの最後のアルバム(『The Shape of Punk to Come』)だけは違っていて、それが凄くカッコよかった。そしたらヴォーカルのDennis Lyxzenがもう1つバンドをやっていることを知って、The(International)NoiseConspiracyはガレージぽい音でこっちもカッコいいなって思って、初めてCDを全部買いました。
Cony:
私は車の中で両親から聴かされていたQueenですね。心が震えるほど音楽がカッコいいと思ったのは初めてかもしれないです。
ー「One Vision」は比較的後期の曲ですね。
Cony:
母がよく聴いていた『Queen II』も、いまだに聴くと昔の気持ちを思い出すくらい好きなアルバムなんですけど。
Cony:
幼少期の頃に家で見た、Queenのドキュメンタリービデオの中に、「One Vision」から始まるライブの映像があって。それを見た時に、一生ついていきますって気持ちになりました。Freddie Mercuryがカッコいいですね。
ーeliyさんは?
eliy:
人生で最初にハマったバンドはJUDY AND MARYです。小・中学生くらいの時にテレビでライヴ映像を初めてみて衝撃を受けて、CDを全部集めるくらい好きでしたね。今でも唯一無二です。
ーTAWINGSからは、海外のインディや80’sのバンドからの影響を感じますが、音楽を掘るようになったのはいつ頃ですか?
eliy:
ちゃんと掘るようになったのは中・高校生の頃だと思います。最初のきっかけはやはりJUDY AND MARYだったような…好きなミュージシャンが影響を受けた音楽を辿っていて、そこでDavid BowieやXTC、T. Rexを知りました。そこからもっと掘り下げるようになったのは、上京してタワレコで働き出してからですかね。
ーにせんねんもんだいやKate Bushはこのバンドに通ずるものを感じますね。
Yurika:
にせんねんもんだい大好きです。大学に入ってからライブを観たんですけど、インストで5分、10分やる曲はそれまで聴いたことがなかったし、凄く衝撃的でした。
ーひたすら反復するのが気持ちいい?
Yurika:
うーん…いや。
eliy:
Yurikaが「反復が気持ちいいわ」とか言ってたら本当にやばいなと思う…(笑)。
Cony:
見出しにしたいね(笑)。
ー(笑)。Kate Bushは?
eliy:
Kate Bushも影響を受けていますね。ただ、TAWINGSの楽曲にすごく影響を受けているというよりも、オリエンタルで妖艶な世界観が好きで。彼女を通してあのような魅力を知って、Siouxsie And The Bansheesにも同じものを感じて聴いていましたね。
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