L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

【OLDCODEX インタビュー】
新しいものプラス、
最近手が伸びていなかった
ところへの回帰

これを俺らのファンが観るとなると
こんな中途半端なところで帰れない!

そう言えば、MVもかなり趣向が凝らされた内容になっているとか。

Ta_2
俺らふたりでいかに完結させるかというところに、最近はすごく目を向けているので、MVも前回のアルバム以降、あえてふたりで完結するように作っているんですね。今回はYORKE.の作ってるところだったり、絵に向かっている姿というものを見たいと思ったんです。よくYORKE.が話してる“手をかざすだけで絵ができてくる”ような感覚にも近いものをMVで体現できたらいいなと。“結局のところOLDCODEXって何さ?”ってことになると、YORKE.の描くペイントっていうものを背負って、俺がヴォーカリストとしてともに前に出て発信していくっていうところだから、それを映像でも感じられるようなものにしたかったんです。あとは、シャッと筆でドローイングしたような流線のラインが見えると、『ULTRAMAN』っぽさも感じられるんじゃないかって監督に話して、あとから効果で入れてもらって。
YORKE.
ふたりでやるとさ、例えば最後に本を閉じるとか、絶対美味しいところをTa_2さんが持ってくのがいいよね(笑)。僕は撮影であっても、描いてる時は実際に作品を作ってるんで、ちょっと絵具を塗ればいいってわけにはいかないし、ああいう演技じみたことは意味がないとやりたくない。でも、やっぱりMVは面白いね。行くまでは”大変なんだろうな。どうせ時間かかるんだろうな”ってなるんだけど(笑)。MVに関しては僕はもう任せてるから全部!

実際、撮影は長くかかりました?

Ta_2
長かったです。で、最終的に俺が出っ張って進行したり。
YORKE.
もうね、Ta_2がプロデューサーみたいになってる(笑)。撮影中、一回すごく良い絵ができたのに、映像の都合上で崩してみたら、監督の期待してた通りにならなくて。映像の中では完結させるから大丈夫とは言われたけど、これを『ULTRAMAN』を観た人だったり、OLDCODEXのファンが観るって考えると、こんな中途半端なところで帰れない!って、予定にないところまでやらせてもらったりもしたんですよ。でも、仕上がり観たら、あそこで終わらなくて良かった。

映像もひっくるめ、最近のTa_2さんはトータルプロデュースを担っている感がありません?

Ta_2
そうだね。やっぱり自分の中に“こうしたい、ああしたい”っていうイメージがあるし、技術としての“先”を知ってるから、より面白いものを求めちゃうんですよね。それはきっと普通よりも“裏側”を知ってるからだと思う。だって、例えばアフレコ段階でカクカクのポリゴンでしかなかったキャラクターが、5週間後にオンエアを観たらハリウッド映画みたいになってるんですよ!? だから、時間さえあればできるって分かってるんで、監督にも“これもできるよね、あれもできるよね”って指示出しもするし。
YORKE.
どんどん汗かいてたもん、監督(笑)。あと、このアーティスト写真もTa_2の発案なんですよ。最初にサーチライトの中にいるって聞かされた時、何を言ってるのかよく分かんなくて…。
Ta_2
はははは!
YORKE.
で、やってみて“こういうことだったんだ!”と。今までにない感じで面白いよね。カメラマンの要望で普通に屋上で撮ったりもしたんだけど、そういうのは見飽きたなと。こっちのほうがカッコ良い。

だって、作っている本人から生まれるイメージが一番正しいに決まってますから。

YORKE.
確かに! なんでこの曲でサーチライトなのか、まったく意味が分かんないけど。
Ta_2
説明された時に“あっ、なるほどね!”と納得できるかたちで、『ULTRAMAN』というものを表現できたら面白いと思ったんですよ。この絵面って、ふたりが抜けたらULTRAMANの目ん玉にも見えるじゃないですか。
YORKE.
あっ! 目ね。
Ta_2
あとは、ULTRAMANって闇夜で戦ってたりもするから、例えばヘリコプターの明かりにスポットライトのように照らされてる彼らの姿にも近かったり。それって俺らがステージの上でスポットライトを浴びてるのと同じようなことなんですよね。自分たちが必要とされる時、いろんな人の手を借りて、俺たちはこうやって光がバッと当たる中で輝ける。なのに、後ろの壁はまだ真っ新だから、“これからYORKE.が塗り潰していくのかな?”っていう想像も広がるじゃないですか。そういう物語を想起させる写真であってほしかったし、結局は全てに演出を入れてる感じ。

そう言われると、スポットライトの円がOLDCODEXの“O”だったり、“Core Fade”の“C”に見えてくる気も。

Ta_2
そう。意味合いをいくつも重ねられるっていうのもある。まぁ、最初のインスピレーションもとは『007』で、あのオープニングを観た時に“これ、俺たちでやったら超カッコ良いじゃん! しかも、ライトふたつだし”ってピンときたんですよね。『ULTRAMAN』という作品を軸に、そうやって曲、MV、ジャケット、アーティスト写真がリンクするような、何かしらのフワッとした連続性を出したかったんですよ。で、最後にライヴに来て“あぁ、なるほどね!”ってつながることもあるだろうし、俺たちと相対するまでの間にも、見えないところで楽しませたかった。それこそCDジャケットや中の盤面を見た人にしか分からないこともあるかもしれないし、それを飾るだけでも意味がある。最近、どうしたら伝わるのか、どうしたら“楽しい”になるのかって、作っていく中での自分たちの面白さとか楽しさっていうものをずっと考えてるんですよ。

OKMusic編集部

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