ダークな雰囲気の「オートファジー」を歌詞から考察してみた

ダークな雰囲気の「オートファジー」を歌詞から考察してみた

ダークな雰囲気の「オートファジー」
を歌詞から考察してみた

狂気に満ちた笑い声
オートファジー 歌詞 「柊キライ」
https://utaten.com/lyric/sa19011563
「穏やかに暮らして欲しい」という謙虚さや控えめだった様子から一変、突然笑い始めます。
そして笑いと同じくらい印象に残る「ハロー」という挨拶。一体この挨拶は誰に向けたものなのでしょうか?
そして「脳内案内人」に向けて「変わった人ね」とドライな反応を見せています。
しかしそれからまた狂ったように笑い始める。一人の視点にしてはあまりに差がある反応ではないでしょうか。止めどないなかったことにしたいこと。
主人公にとってそれが何なのか、全体をよく見ると自然と浮かび上がっていきます。
もう1つの心を突き放したい
オートファジー 歌詞 「柊キライ」
https://utaten.com/lyric/sa19011563
平穏を望み、なかったことにしたいことがある。蝕んでくる心を突き放したいとなると1つの説が出てきます。それは「二重人格」です。
「孤独な問い」ということは、自問自答と解釈することが出来ます。
自問自答は、平穏を望む主人公と望んでいないことばかりをしようとする凶暴な人格の間で行われていると考えられます。
そして主人公の人格を蝕み「ハロー」と声を掛け、望んでいないことばかり提案してくる凶暴な人格が「脳内案内人」なのではないでしょうか。
それを裏付けるように動画では主人公の表情が時折狂気的なものに変わります。
そんな「脳内案内人」を突き放そうとしますが、容赦なく蝕まれ、元の大人しい人格は霧がかかったような感覚と海鳴りの音のような不快感に襲われ人格を失いかけています。
侵食は止まらない
オートファジー 歌詞 「柊キライ」
https://utaten.com/lyric/sa19011563
次のサビでは「ハロー」ではなく「アロー」になっています。アローというと英語の矢を意味するarrowを連想してしまいがちですが、実は発音が似た単語がもう一つあります。
それはallowという単語で、意味は「入ってくることを許可する」。アローがその意味なのだとしたら、人格を蝕もうとする凶暴な人格に抗えず、入らせてしまう。
そして侵食され「ああああ」と苦しんでいるのではないでしょうか。
侵食してきた人格に「無駄なことは?」と疑問を投げかけますが、その問いに対する答えはないまま侵食は続きます。
主人公の結末は
オートファジー 歌詞 「柊キライ」
https://utaten.com/lyric/sa19011563
なんとか侵食してくる人格を追い出そうと苦しみますが、遂に悪の芽が弾けた=凶暴な人格が平穏を望む人格に勝ってしまいます。
主人公の中でなかったことにしたかった凶暴な人格が主人公を乗っ取り、平穏を望んでいた人格がなかったことにされる。
そして「無駄なことは?」という問いに対する答えは「平穏を望む人格が無駄だった。」ということなのではないでしょうか。
そして凶暴な人格にとって無駄な平穏な人格は消されてしまいこの楽曲は幕を閉じます。
実はこの楽曲は、柊キライが2020年1月に投稿した楽曲『エバ』とMVの雰囲気などが似ていることから、関わりがあるのではないかといわれています。
『オートファジー』と『エバ』を2曲続けて聴いても、新しい発見があって面白いかもしれませんね。

TEXT Noah

UtaTen

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