仕掛け人は角松敏生!V6「WAになっておどろう」の破壊力

仕掛け人は角松敏生!V6「WAになっておどろう」の破壊力

仕掛け人は角松敏生!V6「WAになって
おどろう」の破壊力

「WAになっておどろう」の謎

V6の『WAになっておどろう』は、1997年にNHKの『みんなのうた』から人気に火が点いた『WAになっておどろう 〜イレ アイエ〜』のカバー曲でした。
作詞作曲は日本のインディーズバンド AGHARTA(アガルタ)の長万部太郎(おしゃまんべたろう)。
この名前にピンと来る人は少ないと思いますが、実はあの有名なシンガーソングライターでプロデューサーでもある角松敏生だったのです。
角松敏生が歌手活動を凍結中に立ち上げたプロジェクトが、メンバー全員正体を伏せた覆面バンドAGHARTAでした。
WAになっておどろう 歌詞 「V6」
https://utaten.com/lyric/ja00004725
ワールドミュージック調のゆったりとしたグルーヴに乗せて「輪になって踊ろ」と覚えやすいフレーズを繰り返すこの曲は『みんなのうた』の放送後にリクエストが殺到しその名が全国に広まって行きました。
「WAになっておどろう」の歌詞は怖い?

『みんなのうた』で子供やお年寄りから大きな支持を得たこの曲の歌詞に、意外にも「怖い」と言う意見があるようです。
その主な理由は、冒頭の「うじゃけた顔」という聞きなれないフレーズにあるのかも知れません。
WAになっておどろう 歌詞 「V6」
https://utaten.com/lyric/ja00004725
「うじゃけた」という言葉には「果実が熟れ過ぎて崩れる」という意味があるので、「うじゃけた顔」から「崩れた顔」を連想して怖いと感じる方もいるのでしょう。
ただ、明るい曲調と角松敏生やV6らの元気な歌声に乗ったこの言葉には「怖い」という雰囲気はあまり感じられませんよね。
この曲では「うじゃけた」の本来の意味とは直結させずに、元気のない子供の顔を表現するための印象的なフレーズとして受け止めた方がいいような気がします。
V6の歩みを象徴する曲

V6が『WAになっておどろう』をリリースした1997年は、彼らにとって最初に訪れた転機の年だったのではないでしょうか。
音楽面では、シングル売り上げ1位に輝く『愛なんだ』がリリースされ、クールなユーロビート調だった彼らの楽曲が人間味のある曲へと変化して行ったような気がします。
また、約11年間に渡って続いた彼らのレギュラー番組『学校へ行こう!』の放送がスタートし、KinKi KidsTOKIOと共にJ-FRIENDSを結成して阪神・淡路大震災へのチャリティー活動も開始。
人間的にも大きく成長したであろうこの時期にリリースされた『WAになっておどろう』は、ポップなアレンジがV6の暖かい雰囲気にぴったりと合い『愛なんだ』に続く彼らの定番曲となりました。
WAになっておどろう 歌詞 「V6」
https://utaten.com/lyric/ja00004725
2020年、結成から25周年を迎えたV6。もはや偉業と言えますよね。彼らがこれほど長く活動を続けられた理由は何だったのでしょう。
それは、この歌詞のように“悪い事の後にはきっと良い事がある”と信じて、メンバーそれぞれが葛藤と理解を重ねながら共に歩み続けたからではないでしょうか。
今『WAになっておどろう』を聴くと、V6の長い歩みを象徴する曲のように思えて来ます。
世界がWAになって踊った長野五輪

『みんなのうた』とV6によるヒットに乗って、AGHARTAのオリジナルバージョン『ILE AIYE〜WAになっておどろう〜』が、1998年長野オリンピックのテーマソングに起用されました。
20世紀最後のオリンピックとなったこの大会は、これまでのオリンピックのイメージを一新した大会だったように思います。
それを象徴していたのが、閉会式でのAGHARTAによる『ILE AIYE〜WAになっておどろう〜』のライブ演奏だったのではないでしょうか。
WAになっておどろう 歌詞 「V6」
https://utaten.com/lyric/ja00004725
花火が盛大に打ち上がる中、演奏が始まった途端にステージへと駆け寄り、まさに輪になって踊る選手たちの姿は、これまでの大会では見られなかった盛り上がりでした。
まるで文化や国籍を超えた「平和の祭典」を目指すオリンピックの夢が叶ったような光景を、覚えている方も多いかと思います。
それは、アフリカのヨルバ族の言葉で「魂の家(ILE AIYE)」という意味を持つこの曲が、世界の人々の魂を大きく揺さぶった瞬間でもありました。
TEXT 岡倉綾子

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