TK from 凛として時雨 「蝶の飛ぶ水槽」は幻想的な作品世界を描く

TK from 凛として時雨 「蝶の飛ぶ水槽」は幻想的な作品世界を描く

TK from 凛として時雨 「蝶の飛ぶ水
槽」は幻想的な作品世界を描く

「イメージ」「記憶」「水」など、アニメの世界観に踏み込んだ歌詞
蝶の飛ぶ水槽 歌詞 「TK from 凛として時雨
https://utaten.com/lyric/qk19127052
楽曲は、静かに乞うような音楽と歌詞から始まります。
「奪わないで 僕のイメージを」という言葉は『pet』に登場する「イメージ」と呼ばれる特殊な設定を指していると考えられます。
『pet』は記憶を操作することのできる能力者たちが活躍する作品です。
能力者たちは、相手の脳に潜り込んで記憶を操作するさいに、水や金魚といった形に自らの姿を変えます。
この仮の姿を「イメージ」と呼ぶのです。
そのため、冒頭の歌詞は主人公たちの存在意義と言っても過言ではない、記憶を操作する時の姿「イメージ」を奪わないでと歌ってるのだと読み取ることもできます。
そう考えると『蝶の飛ぶ水槽』は『pet』の主人公であるヒロキの思いを歌ったものなのかも知れません。
記憶のあやふやさと不確かさに溺れる現実を歌う
この楽曲の2番には『偽憶』という造語が出てきます。
少し考えれば、アニメの内容を知らずとも分かるかもしれませんが、偽の記憶、という意味ですね。
この部分の歌詞は『pet』のテーマでもある「記憶の不確かさ」について描いていると考えられます。
偽の記憶を植え付けられた能力者の主人公たち。
記憶の不確かさに振り回され苦悩する主人公たちは、まるで現実世界の我々のようです。
原作漫画『pet』を「何度も読みました」とコメントしたボーカル兼作詞作曲のTKは『pet』のテーマをすべて読み取り、楽曲を制作したのでしょう。
そう考えると『どれが真実?』という歌詞は、嘘と建前が散りばめられた現代へのアンチテーゼとしても捉えることができそうです。
TKの作る歌詞は、深く物事を捉え、心に突き刺さるようなものばかりですから、きっとこのフレーズにも幾つもの意味を持たせていることでしょう。
アニメと合わせて視聴するとより楽しめる!
蝶の飛ぶ水槽 歌詞 「TK from 凛として時雨」
https://utaten.com/lyric/qk19127052
楽曲の最後の歌詞は「命が無くなっても、記憶で繋がっている」と言っているように読みとることができます。
これは『たとえ自分が死んでしまっても、自分のことを知ってくれている誰かがいるから大丈夫』と解釈できるでしょう。
ある意味、一つの死生観を表現しているようにも感じますね。
アニメの中でも、記憶の改変に失敗した人物は廃人となり死んでしまいます。
主人公たちは、自分たちもいつそうなるか分からない不安と戦いながら生きていきます。
そんな彼らを象徴した一言でもありますね。
ここまで紹介したように『蝶の飛ぶ水槽』は、主題歌のアニメ『pet』の作品世界と密接に関わった歌詞で構成されています。
アニメと合わせて楽曲を聴いてみると、より深く歌詞の持つ重みに気づくことができるでしょう。
特に、Youtubeでアニメ放送前から配信されている幻想的なPVは必見です。

TEXT 空野カケル
▲TK from 凛として時雨 『蝶の飛ぶ水槽』 / TVアニメ「pet」OPテーマ

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