TOTALFAT 3人の新たな道しるべと人生
の交差点、10枚目のフルアルバム『M
ILESTONE』をShunが語る

昨年10月、15年活動を共にしたKuboty(Gt)が新木場STUDIO COASTでのライブをもって脱退。その直後(数時間後!)に、デジタルシングル「Give It All」にてスリーピース編成として新たなスタートを切ったTOTALFAT。<今日が最後って 笑って死ねるくらいに生きてきたのか? 生まれ変われ ゼロからの start>と高らかに歌い上げた同曲を皮切りに、「ALL AGES(Worth a Life)」「My Game」と立て続けに配信し、結成20周年のアニバーサリーイヤーとなる2020年に突入するや、新曲に加え前述のKuboty最後のライブの模様を収録したDVDをもコンパイルした豪華10thフルアルバム『MILESTONE』をリリース。ソロ20周年を迎えたレジェンドLOW IQ 01や、パンクをルーツにシーンを横断するレゲエDEE-JAY、J-REXXXをフィーチャリングに迎えた同作は、TOTALFATの新たなゼロ地点であると同時に、この20年を超えてきたからこそ出会った言葉と音楽が結晶となった渾身の1枚に仕上がった。2月26日(水)千葉LOOKより、全31公演に及ぶ『MILESTONE Tour 2020』がついに開幕。Kuboty脱退時の赤裸々な心情から、バンドを始めたあの頃の想い、Dragon AshKj(Vo,Gt)ら偉大なる先人との秘蔵エピソードなど、今改めて音楽を楽しみ、音楽に導かれるTOTALFATの生き様をShun(Vo,B)が語る。
Shun(TOTALFAT)
●Kubotyが自分の脱退を懸けて最後に起こしてくれたレボリューション●
――長年活動を共にしたKubotyさんが昨年10月に脱退しスリーピース体制になって、ついに初のアルバム『MILESTONE』が世に出たときの気持ちはどうでした?
(昨年4月の)脱退の発表前から俺らの一連の動きはもちろん始まっていて、まずはいろんなことを決めること、それを発表すること、発表してから脱退する最後まで向かうこと、そこから新しく始めること、リリースすること……1つ1つタスクを超えていくごとに、霧が晴れていくような感覚はすごくありましたね。
――バンドとスタッフだけの視野だったものを、リスナーやオーディエンスも含めてみんなでちゃんと共有していくと。
俺らを取り巻く全ての人が、「3人のTOTALFATってどんなものなんだろう?」という、はてなマークから始まって。でも、俺らは先に3人だけで練習をして演奏の感覚も掴んでいるから自信が生まれたり、このアルバムに入っている新曲もずっと前から共有しているから大丈夫だと思ってはいても……。
――世に出るまでには時差がありますもんね。
そうなんですよ、そこにやきもきしていて。これはインスタにも書いたんですけど、フラゲ日と言われるアルバムの入荷日に、この半年間、ずっと俺らの中で鳴っていた音楽をやっと何も気にせずみんなと共有できることに、ものすごくホッとして。今まではアルバムを出すごとにやっぱり評価は気にしていたし、「元々のファンはどう思うだろう?」とか思ったんですけど、そんなことよりも手前の、世に放てたことに対するこの喜びは、1stアルバム以来かもしれない。
――サウンド的にもその感じはむちゃくちゃ伝わってきます。
「3人でどんな曲を作るべきなんだろう?」みたいな話もしたんですけど、今回の作品は今までにないほど俺がイニシアチブを取って制作したので、どこを見渡してもパンクしか残らない状況になって。今日とかもそうなんですけど、バッド・レリジョンのパーカーの下に、バッド・レリジョンのTシャツを着るという(笑)、そういうモードを今は楽しんでいる感じですね。
――20年バンドをやってきて、またそんなフレッシュな自分になるとは。
でも、振り返ってみればラッキーだなとも思っていて。ずっと4人でやってきて、ここまで大きな変化って求めてもなかなか手に入らないと思ったし、Kubotyが身を呈したというか、自分の脱退を懸けて最後に起こしてくれたレボリューションなんですよ。だから俺らの音楽に対する価値観はより核心に迫ったし、演奏はよりシンプルな方向に刷新されたというか。
――脱退というブースターじゃないですけど。
そうなんですよ。ただ、バンドにはいろんなボタンがある中で、脱退というボタンにはちゃんと蓋が付いていて、パカッと開けて暗証番号まで押さないと開かない(笑)。
――簡単には押せない状態になっていると(笑)。
そうそう(笑)。それをKubotyがこじ開けて押してくれたんだなと。TOTALFATが世に登場する以前は日本では鳴っていなかった、メロコアとメタルを融合させた、速くてポップなTOTALFATのオリジナルな音楽を4人で残せたのは誇りだった。ただ、やっぱり意地じゃないですけど、4人のTOTALFATを超えていかないといけない。もしかしたらKubotyだって、TOTALFATをやりながらでも新しいことができたかもしれない。でも、その状況を作れずに辞めるという選択をさせてしまったのは申し訳なかったとも思うし、改めて3人でやっていこうとなったとき、まずは過去のTOTALFATをしっかり超えるために、俺からメンバーに「とにかくアルバムを作ろう!」と言って、すぐに動き出したんですよね。
●「Give It All」が書けて、俺ら自身も救われた●
Shun(TOTALFAT)
――昨年の4月に脱退の発表をした直後から合宿もちょこちょこ行っていて、潜伏期間に制作はしっかりやってきた印象です。
これは4人のときからそうなんですけど、とにかくみんなで刺激を受けに行くのが好きというか。
――ライブを観にメンバーと海外に行ったりしていますもんね。
そうなんですよ。だから、別に合宿で曲が書けなくてもいいんです。一緒に滝を観に行ったり、蛍を観に行ったり(笑)、あと、風呂には必ずメンバー全員で入るんですけど、そうやって1つの物事を共有したり感動したりすると、俺が「あのときのあのことを書いた」と言えば、それ以上説明しなくてもすぐにセッションができるので。俺が1人で観たヤバい景色を4時間説明してもなかなか伝わらないけど、そういう言語を省くためにも一緒にいる感じですね。
――今作は3人で作った最初のフルアルバムと、4人でやった最後のライブDVDがセットになっていますが、まずはそのライブを振り返ってみてどうでした?
脱退の発表から半年の猶予期間というかラストランがあって、そこまでに35〜36本ライブをしてきたと思うんですけど、あまりにも楽し過ぎて、Kubotyが抜けることを一瞬忘れるという(笑)。不思議なもので、その残りの回数が見えた瞬間に、異常な充実感と尊さが湧いてきて、メンバーに対しても、ファンに対しても、ライブハウスに対しても、イベンターに対しても……本当に全ては限りあるものなんだなと気付かされました。いろんなことも許せるようになってきて、最終的に当日はスッキリというか、いい意味で平常運転のライブになったなと。まぁ最後は泣きましたけどね(笑)。
――こうやって映像に残せてよかったですね。
俺らはここ数年ずっと映像作品を出してこなかったので、逆にそれがいいタメにもなったのかなと。
――そのライブの翌日というか数時間後の0時には、スリーピース編成として初のMV「Give It All」が公開されて。
何が面白かったって、新木場のラストライブで、もうクッソ泣いてるんですよ。その打ち上げを下北沢でやって、乾杯でスピーチするときにまた涙が出てきて……。「本当によかったな~」みたいな感じで22時半ぐらいに呑み始めたんですけど、すぐに「Kubotyごめん、俺らもうすぐ1発目のMVが出るからちょっと携帯触っていい?」と酒を置いて、マネージャーも含めてみんなで情報の仕込みをするという(笑)。
――その「Give It All」の最後のフレーズ、<今日が最後って 笑って死ねるくらいに生きてきたのか? 生まれ変われ ゼロからの start>が、このタイミングで出てきたのも強烈で。
そこが3人になって一番最初に書いた歌詞ですね。弾き語りのパートをJose(Vo,Gt)が合宿のときに書いて温めていて、東京に戻ってもう1回スタジオに集まったときに、「ちょっとネタができたんだけど」と聴かせてくれて。俺はこの曲しかないだろうと思って、「ちょっと続きを作らせてくれ」と頼んで、2日ぐらいで完成できたかな。「Give It All」ができた瞬間に、「この曲だったら4人の余韻を消せるだろ!」という話になりましたね。
――ここでこの言葉が言えたのは最高だなと思いましたね。
結構、自分には問いかけました。ただ、悔いは残りましたからね、やっぱり。4人でもっとやりたかったし、ずっと4人でやっていくんだろうなと当然のように思っていたので。
――やり切った充実感と同時に、やっぱり……。
そこに対して「自分自身が納得できる歌詞って何なんだろう?」と考えて……「Give It All」が書けて、俺ら自身も救われたというか。「スリーピースのTOTALFATはこの感じで大丈夫だな」と安心できたので。
●パンクは居場所●
Shun(TOTALFAT)
――MV第2弾となった「ALL AGES(Worth a Life)」は、TOTALFATが生まれるきっかけになった、オフスプリングのライブを観に行ったときのことですよね? パンクは誰も拒否しないというか、みんなを受け止める。あのときの気持ちをそのまま。
まさに。高校1年生のとき、埼玉から2時間ぐらい電車に乗って、舞浜の東京ベイNKホールに一生懸命ドレスアップして観に行ったんですけど、ゴリゴリのパンクスとかも結構いたから、「俺、ダサいかもしれない」とか、ちょっと不安になっちゃって……。でも、いざライブが始まったら何もかも全部関係なくて、オールフラットな空気だったんですよ。「プリティ・フライ」(1998)を出した頃だったから、ギャルもギャル男も、全カルチャーの人種がライブに来ていて、「パンクのライブなのにこんな感じなんだ!」と思って救われたんですよね。その翌月の雑誌『CROSSBEAT』のインタビューで、「オフスプリングにとってパンクは居場所なんだ。俺らがセルアウトしたとか思われようが、そんなことはどうでもいい。どんな服を着ていたって、そこに集まる全員がクールなんだよ」みたいなことを言っていて、「これだろ!」と。
――いや~エモいですね。それを20年後の自分が言うと。
逆にその言葉をもらってバンドを始めちゃってるから、俺もそれしか言えない節はあるんですよね。あとはこれをまた誰かが拾って次に……(笑)。
――受け継いでいく。どんなスタンスの人も排除しないこのマインドって、今の時代に一番必要なことに感じます。
そうだと思います。やっぱりね、居場所がないって辛いじゃないですか。俺は人生で一番怖いのが孤独だと思っていて。中学生の頃とかは特に孤独への恐怖感がすごくあったし、それがイヤだから自分で仲間を探そうと思って埼玉から東京の高校を受験して。自分が選んだ学校は制服も校則もなくて、「ここだったら俺が本当に求めている友達ができるかもしれない」と思って、ハイスタのTシャツの上にミスフィッツのパーカーを着て、俺に学食で話しかけてきたのがBunta(Dr)なので。「網にかかった!」と思いましたよ(笑)。
――言わば、ファッション=メッセージですもんね。
そうなんですよ。だから、何を着るかもすごく重要というか、自分を助けるのを身をもって体験しているので、今はそういうモードを普段から出していきたいのはありますね。
●イチさんは全てが粋なんですよ●
Shun(TOTALFAT)
――今回はフィーチャリング曲が2曲ありますが、それこそ「Welcome to Our Neighborhood feat. LOW IQ 01」の歌詞もそのままに、イチさん(=LOW IQ 01)とは本当にご近所暮らしなんですね。
駆け足なら多分1回も息を吸わないで家に行けるぐらい近所です(笑)。だから、朝ランニングしようと思って家を出たら散歩中のイチさんに会ったり、ランチを食べようと入った店にイチさんがいたり、夕食の食材を買いにスーパーに行ったらイチさんに会うようなところなんですけど(笑)。そんな感じで去年の夏に3日連続で会ったときに呑んだんですけど、最後の夜にイチさんが「俺、ちょっと歌っちゃおうかな。何でも言ってよ」と言ってくれたので、その場でメンバーに「イチさんが歌うと言ってくれたから!」とLINEして(笑)。
――昨年の状況でのその言葉には、イチさんの優しさを感じますね。
イチさんこそね、SUPER STUPIDの休止を経てMASTER LOWとして大々的にやりつつ、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSでは3人だったり、LOW IQ & THE BEAT BREAKERでは2人だったり、いろんな形態でやってるからこそ、バンドはどんな形でもできるって誰よりも分かってる人なんですよ。一緒に呑んでるときにもいいアドバイスをたくさんもらって、実はそのときに「3人って面白いぞ」と聞いていたんです。TOTALFATのファンにLOW IQ 01を知ってもらいたかったし、だからこそ、イチさんが一番得意なビートとメロディをイメージしてこの曲を書いたんです。曲の入りのアコギのフレーズはSCAFULL KINGの「IRISH FARM」(2015)リスペクトみたいな感じなんですけど、イチさんもちゃんと分かってくれていて。あと、歌を録り終わったと思ったら、手ぶらでスタジオに来たはずのイチさんがポケットからアイリッシュのホイッスルを取り出して吹き始めて……! それもそのまま採用させてもらいました。
――いや~粋だな。
そう、イチさんは全てが粋なんですよ。歌の質感を結構細かくディレクションさせてもらっても、何1つ文句も言わずベストを尽くしてくれたし、むしろ「Shunの求めているものをもっと教えてほしい」と電話をかけてきてくれたり……心がやっぱりデカいなって。こういう人が音楽をやっているからこそ周りに人が集まってくるし、何より楽しそうなんですよ。ああいう先輩になりたいなって純粋に思います。
――近くにそういう背中を見せてくれる人がいるのは素晴らしいですね。一方、「We’ re Gonna Make a Bridge feat. J-REXXX」は、このアルバムのスパイスにもなっていますね。
J(-REXXX)は本当によそのジャンルからというか、過去にも1曲一緒にやっているし、付き合いも長いので。最初の出会いは、Mighty Crownの事務所に遊びに行ったらたまたまJがいて、Masta Simon(MC)さんに「多分、相性がいいと思うから紹介するよ」って言われて。Jも元々のバックボーンはパンクで、出会ったときにゴリゴリの鋲ジャンを着ていたので、こいつは絶対にヤバいと(笑)。それから一緒にご飯に行ったり、Jのライブに通って口説いて関係が始まって。イチさんには細かくディレクションしましたけど、逆にJにはブランクだけ作って丸投げしたので、彼がメロディもリリックも考えて、そこに俺らは手も加えず。ただ、最初にJから返ってきたデモを最初に聴いたとき、あまりにもよくて涙が出てきて。結果、バースの部分を伸ばすという(笑)。
――自分たちの再出発に、こうやってはなむけの言葉や歌声をくれるのは嬉しいですね。
本当に嬉しいですね。実はまだ実現していないコラボもあるので、そのミュージシャンたちにはいずれ絶対に力を借りようと思っています。
●「めっちゃいい言葉じゃん!」と思って、その言葉がずっと引っかかってて●
Shun(TOTALFAT)
――アルバムの最後には表題曲の「マイルストーン」が収録されていますが、意外にもレコーディング直前にデモができた曲だったと。
歌詞の元になる想いとか言葉はパラパラとあったんですけど、全然整理ができなくて。11曲書いて、「よし、明後日はレコーディングだ!」と思ったらやっとまとまってきて、間に合わないかもしれないけど、遅かれ早かれいつか形にはしなきゃいけない曲だからやってみるかと思って。この曲に関しては時間がなくて1回もセッションしなかったのもあるんですけど、大事な内容の曲だったのでBuntaもJoseも俺から出てくるものに手を加えようとしないでいてくれたのもありがたかったですね。そういうところにちゃんと肌感で付き合ってくれるというか。2人とも普段はものすごくうるさいんですよ。
――言うときは言うんだ。
言う言う! Buntaとかはハンパなく言う。でも、そのBuntaが何も言ってこなかったということは……まぁ実際、言われたら間に合わないなとは思ったんですけど(笑)、こうやってそのまま放り込ませてくれて。
――この歌詞には本当にリアルな分岐点が刻まれていて、不安も全部言葉になっていて。確かにこの曲はここで入れておきたい大事な1曲ですね。
そうですよね。あと、今までの俺らだったら次になっちゃっていたような気がします。でも、それをねじ込める体力が付いたなと自分でも思いました。歌詞に関しても、100%ハッピーストーリーじゃないんですけど、その先に見ているものだけはポジティブだよと。
――しかもこの「マイルストーン」=道しるべという言葉は、Dragon AshのKj(Vo.Gt)さんがTOTALFATにかけてくれた言葉だというのも何だか縁ですね。
あるライブ後にくれた言葉なんですけど、「今日のライブはお前らの大事なマイルストーンになると思う」と言われて。「めっちゃいい言葉じゃん!」と思って、その言葉がずっと引っかかってて。
――このアルバムはTOTALFATの新たなゼロ地点ですけど、20年やってきたからこそ出会えた言葉と音楽でできていて。
1月に東名阪でやった自分たちのイベント『PUNISHER'S NIGHT 2020』でも、Dragon Ashが力を貸してくれて。ただ、Kubotyが抜ける発表の前日ぐらいまで、いろんな人に大急ぎで連絡していたんですけど、毎回、緊張するわけじゃないですか。でも、そのたびに皆さんが気持ちを話してくれて、「ありがとうございます!」と泣きそうになりながら電話を切って、「はぁ〜次!」みたいな感じで頭の中がぐっちゃぐちゃで、(降谷)建志(=Kj)さんにも直接言わなきゃいけないのに、すっかり忘れていて……。脱退発表してから1週間ぐらい経って「あれ? 俺、建志さんにまだ言ってない!」と気付いて電話しても出なくて。そしたら「何?」とLINEが来て、「すみません、Kubotyの脱退の件で俺、報告するのをすっかり忘れてしまっていて……」と返したらすぐに電話がかかってきて、「え、マジで!?」って(笑)。
――ハハハ!
「いやあの建志さん、発表からもう1週間経ってるんですけど」っていう(笑)。
――この話、どういうオチなのかなと思っていたら(笑)。結果、他人から知る前に直接言えてよかったですね。
逆に「SNSをやっていないから分からなかったけど、俺らにできることがあったら力を貸すから言ってくれ」って……。『PUNISHER'S NIGHT 2020』にもダメ元で誘ってみたら東名2ヵ所OKしてくれて、打ち上げでもいろんなことを教えてくれました。ありがたいです、本当に。
――道しるべでもあるし交差点でもあるし、人生=音楽のTOTALFATらしいアルバムになりましたね。
最近、俺の中の流行りで「TOTALFAT FOR LIFE」という言葉をよく使ってるんですけど、あれもブリンク 182のマーク(・ホッパス)(Vo.B)が「ブリンク 182 For Life」ってたまにTwitterで呟くのがカッコいいなと思って。
――今、そうやって話している顔がめちゃくちゃいいですね。本当に少年というか。
ハハハ!(笑) そうなっちゃうんですよねぇ。
●俺らが求めているのは結果じゃない●
Shun(TOTALFAT)
――いろんな想いとタイミングが揃ったアルバムを引っ提げて、リリースツアーを回れるとなったらこれもまた刺激的な旅になりそうですね。
とにかく今は進化しかできないというか、リハに入っても楽しくてしょうがなくて。今回は「公開・進化の過程ツアー」みたいなものなので、こんなに初日とファイナルが違うライブになるツアーは今後ないかも。今の俺らはギアが入ったときは本当にヤバいので、最後にはめっちゃうまくなっているんだろうな~(笑)。
――このツアーを経たら、また次の作品のアイデアもめちゃくちゃ出てきそうですね。
だから早くレコーディングしたいなと思っていて、少しずつ準備は始めています。まとまり切らなかった曲もたくさんあるし、あとは海外のアーティストとも連絡を取っていて、面白いことをしたいなと。
――今後のビジョンというか、改めて夢みたいなものはあります?
3人で初めて合わせたリハのときに、「3人で武道館、できるんじゃねぇの!?」みたいな話にもなっているぐらいなので(笑)。あるにはあるんですけど、もうちょい秘めておきたいなと。いつか俺らからしっかりした発表があったら、「あれだったのか!」と思ってください(笑)。
――ここにきて、初めてスタジオに入って「いけんじゃね?」と、そんな中高生みたいなことが今でも言い合える空気はいいですよね(笑)。
そうなんですよ、もう36っすよ!(笑) ただ、別にそれがかなわなくても全然よくて。俺らが求めているのは結果じゃないので。その過程で何ができたのか、そこに自分たちがどう向かっていったのかにちゃんと自信が持てる証と、その道すがらで得られる充実感の方が大事ですし、それがしっかりあったら、それ相応の結果は出るだろうと思っているので。
――今の言葉には、日々を生きるみんなが勇気付けられたと思います。
若いうちは貪欲に結果を求めることも大事だと思うし、俺たちもそうしてきたけど、そうやってかなったことと、かなわなかったことがやっぱりあったから。限りあるものじゃないですか、バンドだって絶対に。いつか終わりの日が来たときに、「ここまでやってきてよかったな」と思えればそれでいいと思うので。でも、並大抵のことじゃそうは思えないので、そこに向かうためにはやっぱり、今日が最後と笑って死ねるくらいに、その努力はしていきたいと思っています。
Shun(TOTALFAT)
取材・文=奥“ボウイ”昌史  撮影=渡邉一生

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着