『ROXK AX Vol.4』開幕、超満員とな
った初日SUPER BEAVER×SiM公式レポ
ートが到着

『ROXK AX Vol.4』DAY1

2020年2月18日(火)Zepp Tokyo
ROCK AX Vol.4/DAY1公演が2月18日(火)に東京・Zepp Tokyoにて行われ、SUPER BEAVERとSiMの2組が集まった2700人のオーディエンスを沸かせた。ROCK AXは『今、目撃するべき本物のライブを』をコンセプトに掲げて2019年1月にスタートした音楽イベントで、今回で4回目を迎える。
SUPER BEAVER
1組目は4月に結成15周年を迎える4ピース・ロックバンド、SUPER BEAVER。19時5分、場内が暗転しSEが流れる中、メンバーがステージにあらわれる。藤原広明のドラムが一閃刻まれるとボーカルの渋谷龍太が悠然と登場しマイクに向かいアカペラでサビを歌い出す。オーディエンスもクラッピングで応えると「ROCK AX!そんなもんですか!」とシャウトし一気に会場のボルテージを上げる。長い髪、身体にフィットしたプリント・ブラウス、スキニーパンツにDr.マーチン・ブーツ。60~70sの洋楽ロックスターを彷彿させる出で立ちの渋谷は、髪を振り乱しマイクスタンドをぶるんぶるんと振り回しながらステージをところ狭しと走り周り、終始客席を煽っていく。
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER

3曲めの「証明」ではサビをオーディエンスが大声でシンガロング。「irony」では、ハンドマイクに持ち替え「俺たち4人とでダンスホールにしませんか?」と呼びかけ、瞬時に会場をダンスフロアに転じさせる。冒頭からアップ・チューン4曲を畳み込み、会場をこれ以上ないほどにヒートアップさせたあと、「人として」では一転してバラードに。低音域から高音域まで艷やかに伸びやかに歌い上げる声は会場の隅々にまで響き渡る。あれほど大騒ぎしていたオーディエンスも、微動だにせずじっくりと渋谷の歌に聴き入る。ハイテンポから自然にスロウに流れていく、このギャップこそがSUPER BEAVERの魅力だ。
複数のミュージシャンが参加するイベントでは、様々なジャンルの音楽があるが、自分の中でこれが好きだとか、好きじゃないとか余計な線や壁を作るのは損をしてると説く。音楽であることに変わりがないんだから、手放しで楽しんで欲しいと語りかけ「それをやれるのは、我々SUPER BEAVERとSiMの役目だと思ってます!ここらでひとつ腰据えて、しっかりやりますんで!しっかり聴いていってくれますか!」とパンキッシュな「正攻法」になだれ込む。ドラマ主題歌になってSUPER BEAVERの名前を一躍知らしめた「予感」に「青い春」と鉄板ナンバーを続ける。SUPER BEAVERは、一見すると強面でサウンドもパンクやハードコアなのでとっつきにくい印象もあるが、サビのメロはついつい口ずさんでしまうほどのポップでキャッチー。そんな美メロが炸裂するのが「秘密」。サビの"La La La, Oh!Oh!Oh!"でがステージと客席が一体となっての大合唱。
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER

そして、いよいよ終盤。渋谷はゆっくりと噛みしめるように語りかける。人と人とのコミュニケーションは双方でやり取りを繰り返してしてこそ、成り立つもの。あなたの大事な人には、あなたの思ってることを考えて伝えなければと、話し「あなたには届けられると思って次の曲、誠心誠意、心を込めて歌います。あなたのど真ん中に届きますように」と代表曲でもある「ありがとう」を歌う。メンバーからのありがとう、観客からのありがとう、双方の感謝の想いが一体となって感動の渦に包み込み、70分のステージをまさに疾走という勢いで駆け抜けた。
SiM
約20分の転換を鋏み、4人編成のバンド、SiMがステージに現れたのは20時32分。会場は地響きのような歓声が湧くが、それをも凌駕するバンドの圧も敗けてはいない。双方ががっぷり4つに組み合ってパフォーマンスがスタート。重装甲車のような硬質のハードコア・サウンドの洪水の中、MAHのボーカルが縦横無尽に飛び回る。オーディエンスものっけからのヘッド・バンキングで激しく応える。オープニング・ナンバーの「Get up, Get up」はラウドロックから、中盤にはレゲエ・パートに転調、さらにMAHはオートチューンを使ったボーカルやデスボイスまでも披露し客席を翻弄する。このまま、ノンストップで3曲立て続けに演奏し場内を完全なカオスと化させる。
SiM
SiM
SiMの凄いところは、Aメロ~Bメロ~サビといった一般的な楽曲構成に囚われないところ。ひとつの曲の中でテンポや転調を次々に繰り出す。これをナチュラルに繋げていくのが彼らの真骨頂。これをキープするには卓越した演奏力の高さゆえ。ドラムとベースは底辺を這うようにリズムを刻む。そこへ、時にはキーボードも操るSHOW-HATEのギターが立体的に絡んでいく。レゲエをベースにしながらダブ、パンク、ハードコア、エモ、スラッシュにテクノやディスコ・ビートまで、ありとあらゆるジャンルがごった煮のように詰め込まれているのに、違和感なくリスナーの身体にボディブローのごとく震わせる。まるで上質なキュレーションを見ているようでもある。
中盤には新曲も披露した。「残ってくれて、ありがとうございます。英語で歌ってはいますが、受け入れづらい歌詞かもです。まぁストレス発散になってくれれば」とSUPER BEAVERのファンへ気遣う。右手に黒い野球バットを持ちながら、近々にリリース予定だという新曲「BASEBALL BAT」のコーラス・パートの歌詞指導。続く「Devil in Your Heart」も新曲。"~Di,DaDa,DaDaDadda~"なる呪文のようなフレーズがキーとなる楽曲で、こちらも事前の歌詞指導が功を奏し全員が一緒に歌えて参加でき、SUPER BEAVERファンとSiMファンをひとつにさせた。
SiM
SiM
続いて『いろんなSiMの姿を聴いてもらえれば』と、それまでのナンバーからゆったりとしたテンポのダブ・サウンドで「The Sound Of Breath」を。途中から歌い上げるバラードになり、ラウドだけではない局面も見せつけた。後半は「MAKE ME DEAD!」「WHO’ S NEXT」に「KiLLiNG ME」とSiMの鉄板ナンバーを惜しげもなく披露し、破壊力ある演奏で終始、会場を圧倒し続け本編が終了。
アンコールにはSUPER BEAVERのメンバーを招き、客席をバックに全員で記念撮影。SUPER BEAVERの渋谷は、さきほどMAHが持っていた黒バットを手に登場し会場から笑いを誘っていた。彼らがステージを降りたあと、MAHは「ぶーやん(渋谷の愛称)とはよく一緒に飲む」と2マンライブ出来たことを喜び、なんとSUPER BEAVERの大名曲「ありがとう」の一節を歌う一幕も。もちろん両バンドのファンは大喜びだったがMAHは「あんなにいい曲をいじってホントすみません」と恐縮しきり。そしてアンコール1曲目の「Blah Blah Blah」ではサビの"Oh, Na Na Na"の大合唱。ラストの「f.a.i.t.h」の前に会場で観客が左右に寄り、場内に2本の道が出来あがる。曲が始まるや、左右に寄っていた観客が一斉に移動。たちまち、2本の道は埋まり客席が左右に入り乱れる壮観な光景になったところで終了。3時間近くにも及んだROCK AX Vol.4/DAY1が幕を閉じた。
SiM
なお、この日の模様は3月20日(金)深夜に日本テレビでの放送が予定されているので、そちらも是非チェックしていただきたい。

撮影=山内 洋枝

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