2月9日@東京・恵比寿ザ・ガーデンホール photo by 青木カズロー

2月9日@東京・恵比寿ザ・ガーデンホール photo by 青木カズロー

清春、27回目のデビュー記念日に
全国ツアーをスタート

清春が2月9日、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールにて『TOUR 2020「JAPANESE MENU」』と題した全国ツアーの初日公演を行なった。この日は彼にとって27回目のデビュー記念日。1994年の黒夢がメジャー・デビューから満26年が経過したことにもなる。

場内が暗転し、ダンサブルなSEが鳴り響く。フロアを埋め尽くしたファンの前に清春が現れると、あちこちから祝福と歓声が乱れ飛ぶ。カリスマの第一声を心待ちにしていた観衆に放たれた1曲目は「EMILY」だった。意表を突いた幕開けに心奪われるうちに「Masquerade」「眠れる天使」と序盤からハイペースで華麗な楽曲が繰り出されてゆく。

これから各地での公演に足を運ぶ読者のためにも、あまり具体的な演奏内容には触れずにおきたいところだが、清春が華やかな叙情をテンポよくコントロールし、色とりどりに艶のある声を響かせていた点が印象深い。「今日はなんか、“間違ってる"みたいにいいね! “間違ってる"みたいにみんなの反応が早いですね!」と彼が独特の言い回しで手応えを口にするほどのパフォーマンスだったのだが、たとえば、オーディエンスを「Feeling High & Satisfied」で激しく挑発し、「ID POP」で「揺らせ! 揺らせ! 揺らせ!」と扇動した流れなど、清春ならではの非凡な切れ味を感じた。

鮮やかな緑のガウンをまとって登場したアンコールでは、「ミザリー」の演奏を途中で止めて、もう一度曲の頭からやり直すという場面も。「服が緑すぎて、それ以外考えられなかった」と微笑む清春を見て、観客は思わず笑みをこぼす。そんな和やかなやりとりの直後、神聖な儀式のごとくオーディエンスを導く「アロン」にも心打たれた。

ダブル・アンコールでは、久々の「忘却の空」から「BEAMS」へと繋ぐ、デビュー記念日にふさわしい選曲も披露された。祝宴を締めくくる「HAPPY」を気持ちよく歌い終えた後、満足げな笑みを浮かべて、「つらい時に思い出せるようなツアーにしたいと思います」と観客に告げた清春。何度も何度も感謝の言葉を述べ、光り輝きながらステージを去ったその姿が忘れられない。

終わってみれば、アップテンポな楽曲で構成された、祝祭の日ならではのセットリスト。近年の清春はじっくりと聴かせるタイプの楽曲を披露する傾向があっただけに、こうした躍動感へと舵を切ったことは興味深かった。この日は3月18日にリリースを控えているニューアルバム『JAPANESE MENU/DISTORTION 10』の楽曲が演奏される場面はなかったのだが、絶えず目に飛び込んできた鮮烈な色彩は、本作を読み解くヒントと言えるのかもしれない。

清春は表現者として新たな段階へと入った。そう感じさせられる25周年イヤー最後の日だった。8月中旬まで続くツアーの日々、彼がニューアルバム『JAPANESE MENU/DISTORTION 10』を伴って、各地でどんな豊かな光景を描いていくのか、期待は膨らむばかりである。

photo by 青木カズロー
text by 志村つくね

■清春/黒夢25 Anniversary Year HP
https://kiyoharu25.com/

【ライブ情報】

『清春 plugless 「愛のなる木」』
4月18日(土) やまなみ工房ライブハウスBan Boo Bon

『清春 TOUR 2020「JAPANESE MENU」』
2月09日(日) 東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール
2月22日(土) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
2月23日(日) 石川県 金沢EIGHT HALL
3月14日(土) 埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
3月20日(金) 岐阜県 岐阜club-G
3月28日(土) 神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
3月29日(日) 神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
4月03日(金) 大阪府 ユニバース
4月04日(土) 大阪府 ユニバース
4月14日(火) 静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
4月15日(水) 静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
5月02日(土) 京都府 KYOTO MUSE
5月03日(日) 京都府 KYOTO MUSE
5月08日(金) 宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
5月09日(土) 宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
5月22日(金) 千葉県 KASHIWA PALOOZA
5月23日(土) 千葉県 KASHIWA PALOOZA
7月31日(金) 愛知県 DIAMOND HALL
8月07日(金) 東京都 マイナビBLITZ赤坂
8月15日(土) 岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
8月16日(日) 福岡県 DRUM LOGOS
アルバム『JAPANESE MENU / DISTORTION 10』2020年3月18日(水)発売
    • 【初回限定盤】
    • PCCA-04904/¥4,545(税抜)
    • 【通常盤】
    • PCCA-04905/¥3,000(税抜)
    • 【DISTORTION 3 × KIYOHARUコラボデザイン・オリジナルパーカー付きCD(通常盤)】
    • SCCA-00091/¥25,000(税抜)
    • ※ポニーキャニオンショッピングクラブ限定発売
    • https://ps.ponycanyon.co.jp/kiyoharu/album/
    • <収録曲>(曲順未定/五十音順)
    • アウトサイダー
    • 嘘と愚か
    • グレージュ
    • 下劣
    • 錯覚リフレイン
    • SURVIVE OF VISION
    • 洗礼
    • 夢追い
    • 陵辱
    • ロマンティック
    • (初回限定盤BOUNUS TRACK) 忘却の空 25th anniversary Ver.
2月9日@東京・恵比寿ザ・ガーデンホール photo by 青木カズロー
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OKMusic編集部

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