2020年バズるバンド、ニガミ17才のお
しゃれ且つ変態な表現。

テレビ番組「バズリズム02」の「コレがバズるぞ!BEST10」の2位にも選ばれ、今各方面から注目を集める4人組バンド、ニガミ17才。音楽のテーマに、「おしゃれ且つ変態な楽曲の表現。」と掲げる彼らのキャッチーなメロディと奇妙な歌詞の中毒性に溺れる人が続出。今回は岩下優介(ボーカル)と平沢あくび(シンセサイザー)の2人にニガミ17才の音楽性やライブへのこだわりを語ってもらいました。

バッドボタンがつかない音楽はやりたく
ない。ニガミ17才が表現するおしゃれ且
つ変態な音楽

――ニガミ17才はバンドのテーマに「おしゃれ且つ変態な楽曲の表現。」と掲げていますが、そもそも「おしゃれ」や「変態」の定義はどのように考えていますか?

岩下 : 僕はいつも「変態」として生きてきて、自分が魅力を感じるものを「変態」だと思ってきたので、僕からすると「おしゃれ」ってちょっと違和感なんですよ。でもそれは僕の見方だから、「おしゃれ」を「おしゃれ」として見てきた人にとっては「変態」の方が違和感だと思うんです。どこの属性の人でもちょっとした違和感があることが「おしゃれかつ変態」なのかなと。

平沢 : 私は、岩さんが作る音楽は歌詞やMVも含めて地上で聞けるようなものではないなと嘘つきバービー(岩下が以前組んでいたバンド)の頃から思っていました(笑)。でもすごくかっこよくて。どうやったらもっとたくさんの人に届けられるんだろうと考えていたんです。人って評価がわからないものや、危ないものには近づかないじゃないですか。だから安全マークがついてればいいだろうと。

岩下 : モンドセレクションみたいなね(笑)。

平沢 : ニガミ17才では、その安全マークのような役割を私ができたらなって思っていて。害があるわけでもないし、かっこいいから大丈夫と伝えたいんです。岩さんが「変態」と言われるならば、私が「おしゃれ」を追加すればいい。「おしゃれ変態」って、すごくキャッチーな言葉ですしね。私たちが自ら「変態」と発しているから、みんなも言いやすいのかなと。

岩下 : 確かにキャッチコピーに「変態」って入れることに普通は抵抗あるもんね。「変態」も「おしゃれ」も人の評価なので。

平沢 : 自分で言うことじゃないことをキャッチコピーに入れるのはどうかとも思ったけど、絶対そのキャッチーさに人は違和感を覚えて、食いつきやすくなると思いました。

岩下 : 「おしゃれかっこいい」とか「変態どす黒い」とかだと全然興味湧かないよね。YouTubeの動画の評価にグッドボタンとバッドボタンがあるじゃないですか。あのバッドボタンがつかない音楽はやりたくないんですよ。一番いいのは7:3の割合。悪い評価もないと発展していかない。

平沢 : 地上と地下ですね。地下でやっているような音楽が、地上で評価される時代になったら面白いなと思います。

――ニガミ17才が「変態」と言われる理由が感覚的にはわかったつもりではいましたが、言語化されることでより飲み込めた気がします。

岩下 : 「おしゃれ」と「変態」の定義は人それぞれ違いますから。

平沢 : うちらにとっては「変態」の方が馴染みのある言葉だったからね。馴染みのある「変態」と違和感のある「おしゃれ」を組み合わせようと思ったけど、世間から見たら逆っていう。新しいMVもいい感じに変態だと言われますね(笑)。

――「おしゃれ」と「変態」の違和感がリスナーにも刺さって、中毒性に繋がるのかなと。

岩下と平沢のバランスの取れた表現で完
成した最新MV「幽霊であるし」

――最新MV「幽霊であるし」はPERIMETRON(ペリメトロン)とコラボしてますが、どんな流れで実現したんですか?

平沢 : 岩さんと「MVにおしゃれ感を出したい」と話しているときに、二人ともPERIMETRONとコラボしたいと思っていたことがわかったんです。直接ホームページからお問い合わせしたら、ニガミのことを知っていてくれたみたいで撮影が実現しました。これまでのMV撮影では私たちが監督さんにカット割りや小道具などの希望を細かく言っていたんですけど、今回はほぼ丸投げしました。そうですよね?

岩下 : 打ち合わせは何回もしたけどね。監督が僕の歌詞をどう読むかも含めて丸投げしました。

平沢 : 最初に岩さんが這いつくばってくるシーンがあるんですけど、台本には「床を這いつくばる岩下」しか書いてないんです。いざ撮影が始まってみると「そう這いつくばるんだ?!」みたいな。動きも表情も全部アドリブだったので、監督もめっちゃテンション上がってて。

岩下 : スタッフから歓声まで上がってたもんね(笑)。

平沢 : その場でインスピレーションを受けて台本と変えたところもあって、面白く撮影ができました。色々な解釈ができるMVになったなと思います。歌詞とMVはまた違うもんね。

岩下 : どちらも「記憶」をテーマにはしているけどね。

――MVでの岩下さんの表現力は本当にすごかったです。

岩下 : ネットに怪演って書かれたりもしましたけど、監督の指示有りだったらきっとできなかったと思う。逆にあくびは指示ありだったよね。

平沢 : 今回のMVに関しては岩さんは自由に、私は監督に指示をもらいながら撮影していましたね。普段のライブでは自由に楽しくやっていますが、MVではまた違う顔も見せれたらいいよねと思って。

――自由に表現する岩下さんときちんとこなす平沢さんで、ちょうどよくバランスが取れているんですね。

平沢 : 2人でふざけたら大変なことになってたよね(笑)。

ソールドアウトのブランドはいらない。
いつでもニガミのライブを見に行ける状
態にしたい

――ニガミ17才は「バズリズム02」の「コレがバズるぞ!BEST10」の2位にも選ばれましたが、ご自身の体感としてはどうですか?

平沢 : 何も変わらない生活を送っているので、あんまり実感はないです(笑)。

岩下 : 自分のことって見えないですよね。僕は友達もいないですから。でもすごくいいことだとは思っています。

平沢 : 嬉しいけど、実感があるかと聞かれたらないよね。

岩下 : でも2020年バズるってことは、あと11ヶ月あるから(笑)。余談なんですけど、バズリズムに出演するタイミングでちょうどずっとロン毛だった髪を切ったんです。そうしたらYouTubeのコメントで「テレビだから髪切ったんだ、ダセー」って書かれてて(笑)。

――髪を切った本当の理由は…?(笑)

岩下 : 髪を切って清潔感を出しつつも、眉毛はなし、髭はボーボーに生やすスタイルを目指していたんです。それなのにテレビに出るから髪切った人みたいになってて恥ずかしかったですね(笑)。

――タイミングがちょうど重なってしまったんですね(笑)。2月に行われる「ROCK AX Vol.4」では、バズるバンド1位に選ばれたNovelbrightとの対バンですが、どんな印象を持っていますか?

平沢 : Novelbrightさんとは、初めてバズリズムの収録の日にお会いしただけなので、対バンするのはドキドキですね。若くてまっすぐだなという印象だったんですけど、コメント録りの時に私のコメントをフォローしてくれて。

岩下 : Novelbrightさんは路上ライブをやっていた方々なので、その場の空気をしっかり汲み取って楽しませられるバンドだと思います。僕らもその場にいる人を楽しませるというコンセプトなので、楽しませ方はそれぞれ違うかもしれないですけど、我々も含めた9人でいろんな角度から盛り上げられるライブイベントになるんじゃないかな。

――ニガミ17才とNovelbrightは音楽の雰囲気も違うので、また新しい感じになるのではないかなと。

岩下 : ニガミ17才とNovelbrightのどっちかを目当てに来たとしても、どっちも楽しめると思う。

平沢 : どっちも楽しもうという気持ちで来てほしいですね、そもそも(笑)。

岩下 : もっと言えば、2バンドとも知らないででも楽しめるはず。

――ライブでお客さんを楽しませるために意識していることはありますか?

平沢 : 私はお客さんと一緒に共有することを心がけてます。ライブのMCで岩さんが何を話すかは私を含めてメンバーも知らないので、「今日はなにを言うんだろう」と私も楽しみなんですよね。だから素直に岩さんの発言にその場で笑っちゃうこともあるし、お客さんと気持ちを共有する役割は私が担っています。

岩下 : 僕、ディズニーランドのショーに出てくるチップとデールが大好きで。彼らはショーのときもお客さんに絡んだりして結構遊んでるんですけど、ある時になったら綺麗にポーズを決めていて。そういうのを目指したいですね。

平沢 : ショーでお姉さんが振り付けを教えてたら一緒になって踊れちゃうじゃないですか。それと同じで、私もなるべく演奏中に片手が空いたらお客さんの動きを誘導するようにしています。そうすると曲を知らなくても楽しくなってくると思うんですよね。

岩下 : 音の調整やMCの内容など、ライブの準備はめちゃくちゃします。でもお客さんを意識するのは前日までにして、当日は自分が楽しむだけの方がいいと思っていて。お客さんの方を向くのはあくびがいるので、そこは任せています。

平沢 : 岩さんが自由に思いつきでやっている方が、みんなが振り回されて面白くなるんですよね(笑)。

――2020年は2月から行われる全国対バンツアーも決まっていますが、何か目標はありますか?

平沢 : 2020年はツアーでたくさんの場所を回ることができるのは嬉しいです。家賃がもったいないくらい家を開けることになるのは初なので、色々な土地の人に会いに行ったり、フェスにもいっぱい出たりしたいですね。今まではライブの回数が多くなかったので、ニガミのライブに行きたいと思っても、なかなか行けないこともあったかもしれません。でも今年はニガミのライブに行きたいと思ったら、すぐに行ける状況にしたいなと思ってます。

岩下 : ソールドアウトのブランドはいらなくて。僕らの理念としては、行きたいと思った時にいつでもチケットがある状況の方がいいんです。

平沢 : ソールドアウトすると「箱の規模間違えちゃった!」ってなりますもんね。

――対バンツアーの相手は初めましての方が多いですか?

岩下 : 半々くらいですかね。

平沢 : もともとかっこいいなと思っていたり、メンバーといい曲だよねって話していた人たちに声をかけた初めましての人たちと、過去に対バンしたときに話して思想が合ったり、純粋にライブがめっちゃかっこいい人に声をかけた感じですね。

岩下 : ライブが楽しいバンドが多いですね。

平沢 : 「お客さんを楽しませたい」という気持ちが私たちと一致している人に声をかけさせてもらってます。

――ライブハウスでのライブだけでなく、平沢さんを中心にテレビ出演などもされていますよね。今後は音楽活動もしつつ、バラエティ番組の出演なども積極的に行っていく方針ですか?

平沢 : そうですね。私だけじゃなくて、普段ライブハウスでライブをしている人たちがもっとメディアに出ることで、色々な方向で音楽の可能性が広がってほしいと思っていて。最初はテレビで見たあくび目当てだとしても、それをきっかけにニガミに限らずライブハウスに足を運ぶようになったり、音楽を聴いてくれたらいいなと思います。

――たまたまテレビで見たバンドが気になってライブに行ってみたくなった、となる可能性もありますもんね。

平沢 : 私も最初にバラエティの出演依頼が来た時は「え?! 怖い! 嘘ついて大げさに表現しなきゃいけないのかな?! 」と思ったんですけど、メンバーは「嘘つかないでいいから素直なあくびのまま出て、しんどいと思ったらやめていい。もしニガミがバラエティ番組に出てダサいなとか言われても、かっこいい音楽をやっていればそこに帰ってくる場所があるから大丈夫だよ」と言ってくれて。

――それはすごく心強いですね。

平沢 : 収録現場はもちろん緊張するけど、なるべくカットされても音楽が楽しいことを伝えるようにしていたりと、意味を込めてバラエティに出ています。他のメンバーも出るようになったら面白いだろうし。

――これからが楽しみですね……! 最後に「ROCK AX Vol.4」の意気込みを聞かせてください!

平沢 : Novelbrightさんと話していたことでもあるんですけど、月曜日と火曜日に会社を頑張った人が水曜日にライブ来て、また木曜日と金曜日を頑張ろうと思えるライブにしたいですね。

岩下 : なんせ1位と2位のバンドだから、いいライブに決まってるんですよね。3位にランクインしていたヨルシカに興味ある人にも来てほしいし、冷やかしに来てもいい。絶対に納得させる自信はあります。


ROCK AX Vol.4
2月19日(水)@Zepp Tokyo
開場 18:00 / 開演 19:00
ニガミ17才
Novelbright
チケット販売中!

ニガミ17才 webサイト
ニガミ17才 Twitter
ニガミ17才 チケット情報

2020年バズるバンド、ニガミ17才のおしゃれ且つ変態な表現。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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