渕上 舞インタビュー「剥き出しの女
の子の気持ちや欲望を音楽にしてみよ
うかな」

渕上 舞の4thシングル「予測不能Days/バレンタイン・ハンター」が2月5日にリリースされる。このシングルはタイトルのとおり両A面仕様。現在放送中で、渕上自身もドーチン役として出演するTVアニメ『魔術士オーフェンはぐれ旅』のエンディングテーマである「予測不能Days」と、その名の通りのバレンタインソング「バレンタイン・ハンター」の2曲が収録されている。爽快感あふれるギターロック「予測不能Days」と、ディスコチューン「バレンタイン・ハンター」。一見不思議な組み合わせだが、実はこれらは2018年のアーティストデビュー当時から渕上が得意としてきたジャンルであり、そのリリックはいずれも彼女自身が手がけており、その内容もこれまでの彼女の自作詞曲以上にテクニカルなものに。まさに「渕上 舞の2020年」の幕開けを飾るにふさわしい2曲に仕上がっている。そこで今回SPICEは渕上にこの2年の音楽活動を総括してもらうとともに、そこで手にした作詞術・楽曲制作術に迫った。
撮影:福岡諒祠
ある日人の話を面白がれるようになった
――ソロ名義で音楽活動を始めて今年で丸2年になります。
早いものでそうなりますね。
――あっ、「早い」って感覚ですか。
あっという間でした。
――そのあっという間の2年のうちにご自身に変化ってありました?
それまでは基本的にインドア派だったんですけど、アーティスト活動を始めてから視野が広がった気はします。いろんな物事を面白いと感じられるようになったな、って。
――音楽活動を始めたことが外に出るきっかけになった?
そうですね。デビューのときから歌詞を書かせてもらっていることもあるので。「歌詞を書くために情報収集しなきゃ」という義務感や使命感は良くも悪くもあまりないんですけど、それでも自然と周りの声に耳を傾けるようになっている気はします。
――あえてネタ探しをするわけではないんだけど、なんとなく世の中や身近な人たちの気配は気にするようになったし、それが音楽活動の肥やしになっている、と。
いきなり海や山に出かけるようになったわけではないんですけど、それでも「流行ってるカフェがあるんだって」みたいな話を聞いたら「行ってみようかな」って思えるようになったり、人と会うようになったりはしています。そういう意味では少しアクティブになれた。この2年で外の世界を自分の中に取り込めるようになったのかな、とは思ってます。あとこれは意識的にしていることではなくて、ある日気付いたことなんですけど、人の会話がすごく聞こえるようになりました。
――「人の会話が聞こえるようになった」って?
「人の話を面白がれるようになった」と言ってもいいんですけど、全然知らない人の会話……たとえばさっき言っていたようなカフェで隣に座っていた女子大生グループの会話だったりが自然と耳に入ってくるようになったし、それを聞くともなく聞くのがちょっと面白くなってます。
――これまでは周囲の会話はまったく気にならなかった?
知らず知らずのうちにシャットアウトしていたような気すらします。あと知らない人の会話だけじゃなくて、関わりのある人たちとのおしゃべりもより楽しくなったかなあ。同じ意見の人、共感できる人との会話が楽しいのはもちろんなんですけど、自分とは意見が全然違う人……なんなら「この人の考え方嫌いだな」という人の話であっても「へえ、こういう考え方の人もいるんだなあ」って思いながら聞けるようになりましたし。
――インドア派を自称していた人が積極的に情報や対話を求めるようになった。確かに大きな変化ですね。
それまでは人に会うこと自体が苦手だったのに(笑)。だから飲み会や打ち上げにも極力行かないようにしていたんですけど、いざそういう席に顔を出すようになったら「行かなきゃよかった……」って思うようなことってそうそうなかったんです。
――渕上さんが食事やお酒の席でご一緒するのは共演の声優さんやアニメ・音楽のスタッフさん、つまり一緒に物作りをしている仲間が中心だろうから、さっきおっしゃっていたような意見の相違こそあるかもしれないけど、その人たちといること自体がストレスにはならなそうですね。
そうだったんですよね。それまでの私は行くまでのことを億劫に思っていただけ。実際に行ってみたらなんだかんだで最後まで楽しく盛り上がっていたり、「この人のこういう一面を見られて面白かったな」と思えたりして。その経験が作詞にもフィードバックされるので、そこが音楽活動を始めて大きく変わったところだと思います。
――一方サウンドについては、いい意味で変化がないというか、デビュー当時から一貫して“渕上舞サウンド”みたいなものを追いかけてている印象があります。
そうですか?
――ニューシングルの1曲目「予測不能Days」はデビューアルバム『Fly High Myway!』のタイトル曲に連なるヌケのいいギターロックだし、2曲目の「バレンタイン・ハンター」にしてもデビュー盤の「フラミンゴディスコ」なんかと同種のディスコ感・ファンク感あふれる1曲ですし。
ホントだっ! 私はただただ作家のみなさんに「私はこういう曲が好きです」とお伝えして曲を作っていただいていただけなので、言われて初めて気づきました(笑)。
――じゃあ逆に言えば、2年前からご自身の感覚や美意識にブレがないし、常にそれに則って楽曲制作をしていることになる。
あっ、でもタイアップ曲の場合は「こういう曲でいきたいです」って逆にレーベルやアニメのスタッフさんからご提案いただくんです。
――今回の「予測不能Days」であればアニメ『魔術士オーフェンはぐれ旅』(『オーフェン』)のエンディングテーマだから、その制作サイドやレーベルから「この物語にはこういう音が似合うから」という提案があった?
しかもいただいたメロディとアレンジがすごく好きだったので、特に意見もなくそのまま歌わせていただきました。
――それってすごく幸せな状況ですね。作家さんや周りのスタッフさんも「渕上舞が歌うべき曲」を踏まえた上で曲作りや選曲をしているわけだから。
そうですね。……でもなんでみんな私の歌いたい曲を知ってるんだろう?
――それこそ2年間「私はこういう曲が好きです」ということを発信し続けたからでは?
確かにタイアップ以外の曲に関しては全部「これがいい」「あれはイヤだ」というジャッジをさせてもらっているので、みなさんにも「渕上舞はこういうのが好きなんだろうな」ということをご理解いただけているのかもしれませんね。
――そしてこの曲の作詞は渕上さんご自身です。アニメのタイアップ曲であり渕上舞のソロ楽曲でもあるという、2つの顔を持つ曲の歌詞ってどうやって書くものなんですか?
アニメ作品の世界観を第一にしている気がします。まずは脚本や設定資料をいただいて読み込むようにしていますし、今回は私自身『オーフェン』に出演しているから、そのアフレコ現場で、ほかのキャストさんの生のお芝居や、そのお芝居から見えてくるそれぞれの役者さんがお持ちのキャラクター観を感じることもできましたし。そのアフレコの帰り道なんかに「どんな詞にしようかなあ?」って考える感じでしたね。
――結果「どんな詞」にしました?
アニメの第1話で主人公のオーフェンと親交の深かったアザリーという女性が魔法の実験に失敗して、魔物に変身しちゃった上に、どこかに飛んで行っちゃうんです。そしてオーフェンはすごくそのことにショックを受けるんですけど、そのシーン……魔物が飛んでいる空を見ながら駆け出してアザリーの名前を必死に呼んでいるオーフェンの姿がすごく印象的で……。
――だから1コーラス目も2コーラス目もサビが〈僕の声が届かなくても〉から始まる?
はい。あとオーフェンのセリフに……これは一言一句まったく脚本と同じというわけではないんですけど「男は初めて優しくしてくれた年上の女性に特別な思いを抱くものなんだ」というものがあって。それを読んだとき「へえ、そういうもんなんだあ」と思ったんです(笑)。
――すごく他人事っぽいのが気になりますけど、渕上さんが女性である以上、まあそういう感想になりますよね(笑)。
「だからオーフェンはアザリーを追いかけてるのかあ」って(笑)。でもそう思うのと同時に「それってオーフェンにとってアザリーは初恋の人ってことだよね」ということにも気付いたんです。しかも曲が爽やかだったから初恋のことを歌うのに似合うとも思って。なので、声を使う魔術師のお話でもあるアニメの世界観に寄り添って〈声〉や〈魔法〉というフレーズを入れつつ、初恋の歌を書いてみました。
――「アニメの世界観が第一」とはいうものの、そのアニメの世界から「初恋」という、きっと誰もが心当たりのある心情にフォーカスを当てることで、渕上舞の楽曲としても楽しめるものにした感じ?
確かに『オーフェン』の世界を第三者的に描きつつ、でもアニメのことを知らない方にも届くメッセージにしようとは思っていました。
撮影:福岡諒祠
――ただ、その渕上さんの“初恋観”なんですけど、歌詞の中の恋は成就していない気が……。
だって初恋って普通は実らないじゃないですか!
――いや、一概にそうとは言えないかと……。
確かに初恋の人とご結婚なさる方もいらっしゃいますけど、たいていの初恋は実らない気がするんだけどなあ……。ただ、実りはしないかもしれないけど、大人になったらきっと「あれもいい思い出だったな」って振り返れる瞬間があると思うので、その気持ちを切り取ってみました。
――確かに〈もう戻れない〉としながらも〈地平線を超えて行こう〉〈予測不能な明日 未来が待ってるから〉と結んでいる。ほろ苦かったかもしれない初恋の次をちゃんと見据えていますね。
実は私自身は明るい歌詞を書くのがそんなに得意ではなくて。以前「笑顔いっぱい!」「幸せしかない!」という曲をアルバムのために作ったことがあるんですけど、これがツラかった……。
――あはははは(笑)。
「笑顔とはなんだろう?」「どういうとき人は笑うんだろう?」ってすごく悩んだんです。
――では今回も最後にポジティブなメッセージを盛り込むのには苦心した?
いや、けっこうスムーズに書けました。それはきっと、この曲が『オーフェン』というアニメに対する私の感想でもあるからで。アニメを観たときの私の気持ちが知らず知らずのうちに反映されたんだと思います。
――と、いかにも感覚的に歌詞を書いているようにおっしゃってますけど、渕上さんってテクニカルに言葉でリズムを作るのが上手いですよね。
ありがとうございます。
――Bメロの最後の行の頭に〈とくん〉〈ぱちん〉といったオノマトペを入れることでフックを作ってみたり、落ちサビでは〈いいかどうか〉〈堂々巡り?(どうどうめぐり)〉〈まだまだ〉〈ときどき〉とリズミカルに重ね言葉を畳みかけている。
作曲家さんやアレンジャーさんからいただいたデモを聴いていると「あっ、ここのこのメロディにはこの言葉を当てはめたい」ってひらめくことがけっこうあって。今回であれば〈とくん〉〈ぱちん〉がそうなんですけど、そういうメロディの一部に似合う言葉を思い付いたら、そこから「じゃあ〈とくん〉や〈ぱちん〉に続いていておかしくなくて、しかも初恋っていうテーマに似合う言葉にはどんなものがあるんだろう?」って考えながら、ストーリーを組み上げるんです。
――もともと音楽はメロディやアレンジと言葉の相性や音の響きみたいなものを優先して聴くタイプでした?
そうですね。これは失礼な話ではあるんですけど、音楽活動を始めるまではあまり作詞家さん、作曲家さん、編曲家さんのクレジットを気にすることはなかったし、なにを歌っているのかを熱心に追いかけることもしていなかった気がしますし。「この声でこのメロディを歌う、あゆ(浜崎あゆみ)ってカッコいいなー」という聴き方をしていました(笑)。
――卒業シーズンに卒業ソングを聴いたり、失恋した日にラブバラードを聴くみたいな経験は……。
ないかもしれない(笑)。音楽と生活はけっこう切り離されているし、本当にシンプルに音を楽しんでいる気がします。
――となると作詞するモチベーションってどこから生まれてくるんでしょう? 「予測不能Days」の詞だって単に言葉の響きが面白いだけではない。ちゃんと「成就しない初恋」という普遍的なテーマ・メッセージが描かれています。
もちろん「これいいでしょ?」って言いたくなるくらいのクオリティの歌詞を書いているつもりではいるんですけど、伝わる喜びや伝わらない歯がゆさにはそこまで重きを置いていないですね。伝わればもちろんうれしいけど、楽しく聴いてくださるのであれば、歌詞の意味をまったく誤解されていても構わないし、音や言葉の面白さを味わうという意味では、例えば「この曲、カラオケで歌うと気持ちいいなあ」って思ってくださるのもすごくうれしいことですし。
撮影:福岡諒祠
音楽を言い訳に言いたいことを言わせてもらっています
――そういう“作詞家・渕上舞の態度”を踏まえた上でシングルのもう1曲、「バレンタイン・ハンター」の詞を眺めてみると面白いですね。聴き手の見解がすごくわかれそうで。だってバレンタインデーってこんなにケンカ腰で臨むイベントでしたっけ?
そうです!
――違う気がするんだけどなあ……。
それはチョコレートを受け取る側だからそう思うんであって、みなさんにはわからない世界が私たちにはあるんです!
――2月14日を前にした女性は〈そう媚薬入りの蜜 手に入れてからが勝負よ〉〈撃ち落とせ〉〈さぁ宣戦布告のベル鳴らし 挑発せよベイビー〉という心持ちでいらっしゃる、と(笑)。
そうなんですっ! 私、そういう女の子の気持ちや本音を歌うのが好きなんです。
――2019年のアルバム『Journey & My music』のリード曲「BLACK CAT」も女の子が気になる男の子を誘惑・挑発する曲でしたもんね。
もともとキャラクターソングを歌う機会が多かった反動なのかもしれないですね。キャラクターソングでは当然アニメの世界のことを歌うことになる……どこか物語的な曲が多いからこそ、ソロではリアリティのある女性の強さやリアルな女のドロドロ感みたいなものが歌いたいのかもしれない(笑)。だってソロ活動をすることが決まって「どういう歌を歌いたいですか?」って最初の会議で聞かれたときから「こういう曲!」って言ってましたから。
――「私はドロドロしたいんだ」と(笑)。
友だちの恋バナを聞くのも好きだし、ラジオ番組でもできれば恋愛相談のコーナーをやりたいタイプというか。恋愛の話って良くも悪くも女の子らしい部分が全開になるから面白いんですよね。しかも人によって価値観が全然違うから。
――最初のお話じゃないけど、渕上さんとは相容れない恋愛観の持ち主と会っても……。
「面白いなー」と思いながら話を聞けちゃいます。ただ、その剥き出しの女の子の気持ちや欲望をこういう取材の場やラジオで話すと重たくなりすぎるから、音楽にしてみようかな、って。
――音楽には恋愛のことや政治的なこと……どんなテーマであれ、ポップに届けられるという側面がありますもんね。
なので、音楽を言い訳に言いたいことを言わせてもらっています(笑)。
――「言い訳」と謙遜なさるけど、この曲もやっぱり言葉の使い方がうまいんですよね。Aメロの最後にちょっと字余り的に〈spiral〉や〈timing〉という英詞を放り込んでみたり、2コーラス目のBメロの最後、「これから曲が盛り上がるぞ」というところに〈一点突破〉とまたも口にしていて気持ちのいいフレーズが置かれていたり。
ありがとうございます。
――こちらの曲も作詞はスムーズだった?
スムーズというより、早かったです!
――さすがデビュー当時から歌いたかったメッセージだけのことはある(笑)。
この曲って厳密に言うと今回のシングルのために作ったわけではないんです。「バレンタイン・ハンター」というタイトルと、そのタイトルの曲のMVのイメージだけは1年くらい前からなんとなく頭に浮かんでいて。今回「2月にシングルをリリースする」というお話があったので、スタッフさんや作家さんに「実は2月にピッタリな曲のタイトルとMVのイメージがあるんですけど……」とお伝えして作っていただいているので。
――その「タイトルとMVのイメージ先行」というかなり珍しい発注の仕方をしたらこのディスコチューンが届いた?
はい。そしてそのデモを聴いていたら私の中の遊び心がかなり盛り上がっちゃったので「『バレンタイン・ハンター』なんだからできるだけ〈バレンタインデー〉って言葉を入れてやれ!」ということになり……。
――実際サビはほとんど〈バレンタインデー〉としか言ってません(笑)。
あとバレンタインシーズンのデパートの催事場や地下の食品街って行ったことってあります?
――チョコレートを買う人でごった返してますよね。
あそこはまさに戦場なんです(笑)。「その戦場の様子を描けたら楽しいな」「あと自分のためにちょっとお高いチョコを買ったり、友チョコをあげたりみたいな、本来の目的とは違うんだけど、女の子ならではのバレンタインデーの楽しみ方を描けたらいいな」と思いながら書いていたら、あっという間に完成していました。あっ、あと個人的には〈2月14日の夜に祝杯を!〉ってフレーズがオススメです!
――ではSPICEも、この曲を聴くすべての方が2月14日に愛しの人と乾杯できることを祈っております! で、サウンドについては最初に申し上げたとおり。この手の高速ディスコサウンドは渕上さんの得意とするところでもあります。もともとダンスミュージックを愛聴していたり、クラブに出かけたりしていた?
いや、熱心にダンスミュージックを聴いているわけではないんですけど、こういう曲調にはなんか耳馴染みがあったというか。昔から歌いやすくて、覚えやすくて、踊れる曲が好きだったんです。
――今もそうだけど、'80〜’ 90年代は特にジャニーズのグループなんかが歌いやすくて、覚えやすくて、踊れる和モノのダンスミュージックをやってましたもんね。
あっ、まさにその話は一回会議でした気がします! 「ちょっと前のジャニーズみたいな曲をやりたい」って。
――なるほど。そしてその系譜にある「バレンタイン・ハンター」や「BLACK CAT」のような渕上舞印のダンスナンバーってライブでのお客さんの反応はどんな感じですか?
「バレンタイン・ハンター」についてはまだみなさんの前で披露していないのでわからないんですけど、「BLACK CAT」はみなさん踊りながら聴いてくれているし、「オイ! オイ!」「ニャー! ニャー!」ってコールするところでは声をそろえてくれるし、楽しんでもらえているのかな、という気がしています。「バレンタイン・ハンター」にも〈shooting♡chocolate〉というかけ声があるので、一緒に歌ってくれるとうれしいですね。で、CDで聴くときはさっきお話したとおり、みなさんそれぞれにいろんなことを感じてもらいたくて。というのも「BLACK CAT」がそうだったんですけど、私が女の子の気持ちを明け透けに書くと女性と男性で受け取り方がまあ全然違って面白いんですよ。男性は私の言葉すべてをいい方向で捉えようとするというか。
――あはははは(笑)。
「女にはときにはほかの女の子とライバル関係になって、マウントを取り合う局面もあるんだよ」ということをコミカルに切り取ったつもりなんですけど、男性ファンの方からは「『BLACK CAT』の歌詞がすごく女の子らしくてかわいかったです」って感想をいただいたりして(笑)。
――歌っている渕上さんは必死でマウントの取り合いをしてるのに(笑)。
でもその姿を「かわいい」って言ってくれるなら満足です(笑)。
――バレンタインデーに備えて戦闘態勢を整えている「バレンタイン・ハンター」のヒロインについても……。
かわいがってもらいたいですね(笑)。
撮影:福岡諒祠
ソロシンガー・渕上 舞としての2020年の音楽活動
――ソロシンガー・渕上 舞としてはこのシングル『予測不能Days』が2020年最初のリリース物ですよね?
はい。
――では『予測不能Days』で始まる2020年の音楽活動はどうしましょう?
もっとゆっくりやりたいです!
――確かに去年はワンマンライブを開催したり、それから『Animelo Summer Live』や『ランティス祭り』とフェスに積極的に出演したり、けっこう慌ただしかった印象はあります。
なので、のんびりとした空間で歌う機会を作りたいな、と思っていて。自分自身が音楽にゆっくりと浸れて、お客さんはなんならごはんを食べながらその音楽を楽しんでもらえるような小さな会場でライブをしてみたいんです。
――それこそ「流行ってるカフェ」の話じゃないけど、ちょっとしたステージやDJブースのあるカフェやバーもけっこうあることだし。
そういうところでアコースティック形式でライブをやってみたり、あと行ったことのないところで歌うっていうのは機会があればやってみたいなと思っています。
――全国はもちろん、海外にもアニメを通じて渕上さんのファンになった方はいるだろうし、みなさん待ってると思いますよ。
でも「渕上舞ライブツアー2020」みたいな、ちゃんとした全国ツアーは大変そうなんだよなあ……。
――世界の渕上舞ファンのためにがんばってください!(笑)
いや、やっぱりのんびり活動したいので小さなライブをいろんなところでやりたいです(笑)。アニメのイベントにしても、私のライブにしてもやっぱり東京での開催が中心になるので、いろんなご都合があって会場に足を運べない方もけっこういらっしゃるはずですから。北海道に行ったときには「自分は病気を患っていて東京のイベントに行くことはできないから『さっぽろ雪まつり』に渕上さんが来てくれてうれしかった」「一度会いたいと思っていたんだけど、その夢が叶った」っていうお手紙をちょうだいしたこともありますし。
——そういう人たちのためにいろんな街にふらっと行って、その街の小バコで小編成のライブをするのは確かに楽しそうですね。
去年は台風の影響で新潟のライブイベントが中止になったりもしたので、行ってみたい土地はいっぱいあるし、いろんな方とお会いできたらいいな、と思っています。
取材・文:成松 哲 撮影:福岡諒祠

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