そらまふうらさか、原点を大切にする
4人が届けた特別な“ふゆやすみ” 
代々木競技場第一体育館公演をレポー

そらまふうらさかのふゆやすみ!~新年会~

2020.1.8 国立代々木競技場第一体育館
After the Rainそらるまふまふ浦島坂田船のうらたぬきとあほの坂田。の4人によるユニット・そらまふうらさかが、昨年に引き続き年末年始イベント『そらまふうらさかのふゆやすみ!』を開催。初の大阪開催を含む全5公演のアリーナツアーは、進化し続ける彼らの“原点”を感じさせるものでもあり、4人だからこそ生まれる化学変化にワクワクさせられっぱなしの特別な“ふゆやすみ”となった。ここでは2020年1月7日・8日に国立代々木競技場第一体育館にて行われた2公演のうち、最終日の模様をお伝えする。
そらまふうらさか
ステージの後方には、ゲームのコントローラーに見立てた大きなLEDビジョンが。挑戦者である4人が続々参戦、というゲーム好きな彼らならではの演出がいきなり楽しい。
「ARE YOU READY?」を合図にステージ上段に現れた4人。「みなさん、明けましておめでとうございます! 最高の1日にしましょう!」とそらるが挨拶して、1曲目は、昨年末に動画投稿したばかりの、普段一緒にゲームをしている4人によるオリジナル曲第3弾「必殺のコマンド」だ。ヘッドセットマイクをしてそれぞれのイメージカラーをステッチにあしらった黒いロングコートの衣装をまとう4人、その衣装の裾を翻しながらの躍動感あるダンスに、<必殺のコマンドが決定打>に合わせての華麗なキックポーズ、さらにはみんなでステージを駆け回ったり、コントローラーを手に小競り合ったりと、あまりの見どころの多さに俄然高まってしまう。
そらる
まふまふ
その勢いのまま、ステージから上手、中央、下手から伸びる3本の花道を4人が分かれて進み、アリーナセンターで歌ったのは「脱法ロック」。四方を見渡しながら、客席にマイクを向けながら4人が歌えば、オーディエンスの一体感あるコールもどんどん熱を帯びていく。そうやって歌やパフォーマンスでがっつり魅せるのに、4人で話し始めると絶妙なゆるさ。そのギャップがまたたまらない。
「1月8日にクリスマスらしい曲を」とまふまふが前置きした「ブラッククリスマス」でAfter the Rainの2人が背徳的な世界に誘ういっぽう、4人の友・天月-あまつき-のオリジナル曲「かいしんのいちげき!」でうらたぬきとあほの坂田。がキュートな振付や2人の手を合わせて作るハートマークで沸かせたあとは、順繰りソロコーナーへ。赤色よりも高い熱をたたえた青い炎を想起させるそらる。真っ直ぐな歌声が人柄そのままなあほの坂田。。歌にしろMCにしろ飴と鞭を駆使してのせ上手なうらたぬき。圧巻のハイトーンを響かせコンポーザーとしての輝きも放つまふまふ。前年よりも曲数が増えたことで、それぞれの個性がますます鮮やかに感じられる。
​うらたぬき
​あほの坂田。
そらるとあほの坂田。による「ちがう!!!」では、2人で歌をかけ合ったり、向き合って歌ったり。そらるとうらたぬきの「金星のダンス」では、2人で息ぴったりにジャンプしたり。まふまふとうらたぬきによる「リフジンセイロンパ」では、うらたぬきがまふまふを抱っこしてぐるぐる回転したり、2人で追いかけっこをしたり。まふまふとあほの坂田。による「夜桜」では、しなやかな和情緒に2人で丁寧に歌声を重ねたり。4人の新たな魅力も引き出していくコラボレーションはとても刺激的だ。
4人のオリジナル曲第2弾「エフピーエス」の動画と同じ衣装で全員がそろった「ぼうけんのしょがきえました!」からは、いよいよそらまふうらさかの真骨頂を発揮して、「しんでしまうとはなさけない!」ではなんとそらるがさらわれた姫に! わちゃわちゃトークの最中、突然の「こんなところに銃が!」というまふまふの一声からさんざん遠回りをしての「エフピーエス」では、演出のファイヤーボールがステージ前にいくつも噴き上がり、再びダンスしながら歌う4人に、クラップとコールを送るオーディエンス。とんでもない高揚感の中、4人のラストポーズもばっちり決まった。
そらまふうらさか
アンコールに応え、そらるは勇者、まふまふは白魔法使い、うらたぬきは盗賊、あほの坂田。は僧侶と、おなじみの衣装で再登場。「厨病激発ボーイ」では、「ツアー最終日、この茶番もラストだと思うと感慨深い」とそらるに言わしめた曲中の遊びを堪能する、4人とオーディエンス。楽しいは正義だ。
あほの坂田。「昨日に引き続き、今日、最高の2020年のスタートをきれました。今年もよろしくね!」
うらたぬき「そらまふうらさかで5公演、大きなところでやれるのはみなさんのおかげです。メディアに出ると“歌い手”っていうだけでバカにされたりもするんですけど、After the Rainが道を切り拓いてくれて、浦島坂田船もあとを追わせてもらって。すごく感謝しています。俺らはニコニコ動画を原点としてこれからもずっとやっていくので、これからも応援よろしくお願いします!」
まふまふ「僕とうらたさんが初めて会ったのは、新宿の小さなライブハウスで僕が初めて歌い手としてライブをしたとき。そこからコツコツ活動を積み重ねて、そらるさんや坂田くん、たくさんの人と出会い……まさか、こんなに大きなステージで歌を歌うことになるなんて思ってもみなかったし、小さいころに初めて人のライブを観た代々木競技場第一体育館、そのステージに立って歌えること、すごく感慨深いです。本当にありがとう」
そらる「この中で僕は活動歴が長くて、黎明期から動画投稿してきました。人付き合いが上手じゃなかった僕が今ではこんなにたくさんの人に知ってもらえていて、いろんなチャンスを与えてもらって。最初から仲よかったわけではない3人だけど、まふまふはもちろん、うらさかにしても、去年は一緒にいる時間がたくさんあっただけに、2人きりにされても気まずくならなくなりました(笑)。そういう4人で、こんな大きな会場でみんなの幸せな顔が見られて、最高の1年のスタートがきれたんじゃないかと思います。このライブでは、原点である“歌ってみた”を愛し続けていきたいです」

そらまふうらさか

お互いに茶々を入れ合いながらも、それぞれに偽らざる想いを明かした4人。ラストナンバーは、「ロールプレイングゲーム」だ。アリーナにカラフルな紙吹雪が舞う中、オーディエンスによる全力の「ない! ない!」コールを浴びながら、花道を進む笑顔の4人。楽しい!を妥協しないそらまふうらさかのおかげで、2020年はだいぶ幸先がいい。

文=杉江優花 撮影=小松陽祐[ ODD JOB ]、堀卓朗[ ELENORE]、加藤千絵[ CAPS ]、釘野孝宏

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