西山宏太朗ら、81プロデュース所属の
声優が恐怖のネット殺人事件に巻き込
まれる「朗読劇 スマホを落としただ
けなのに 囚われの殺人鬼」公演レポ
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――絶対安全なセキュリティーなんてない。ある日突然犯罪に巻き込まれるかもしれない。
恋人が落としたスマホをきっかけに命を狙われ、ついには誰にも知られたくなかった過去を暴かれてしまうSNSミステリー『スマホを落としただけなのに』(宝島社文庫)。あっという間に話題となった前作は2018年に映画化され、大きく話題を呼んだ。そしてその続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(宝島社文庫)も2020年2月21日に映画の公開が迫っている。
本作を81プロデュースに所属する声優陣が出演し、朗読をする公演が上演中だ。1月12日(日)の昼公演を軸に、朗読劇の模様やその見どころをレポートする。
西山宏太朗が真面目な警察官、青山吉能が恋人役を演じる
2020年1月11日(土)から始まったこの公演は、総勢20名の声優が5人の主要登場人物を演じ、物語を朗読するというもの。それぞれの日程と公演ごとに出演者も配役も変わる。
事件に巻き込まれることになる女性・松田美乃里を演じたのは青山吉能。サイバーセキュリティー会社の事務員だ。一般的にどこにでもいそうな若い女性という印象の声だ。(※田中美海の代役で出演)
西山宏太朗が演じたのは、サイバー犯罪対策課に努める警察官・桐野良一。ネットに関する知識が豊富で、ネット犯罪を暴き取り締まる。美乃里とは恋人同士。西山は仕事も恋人も大事にするような真面目な男性像を築きあげる。
馬場惇平が演じたのは、殺人容疑で逮捕された男・浦井光治。殺人に手を染めてしまったクラッカーで、取り調べ中に「僕と桐野さんは似ている」と話し始めた。純粋でありながらもどこかで狂ってしまったような男。殺人罪で捕まったが、自分と同じような人間を見つけて喜ぶ純粋さはとても人間味にあふれている。
澁谷梓希が演じたのは美乃里の上司で社長の森岡市子。桐野も警視庁に転職する前はここに勤めていた。少しふわふわしたイメージの美乃里に対し、頭が良くて頼りになる女性を想像させる。
米内佑希が演じたのはミステリアスな謎の男。とあることから美乃里を追っているが……。年齢と貫録、そして思慮深さ、頭のキレを感じる声であり、普段の米内のイメージとはかけ離れていたため、驚いた人も多いだろう。
米内佑希「僕がこういう役をやるとは」
舞台は簡単なセットと椅子があるだけのシンプルな造り。キャストは座って朗読をするため動きがほぼなく、照明も比較的暗いため没入感を得られる。物語を頭の中で想像しながら聴覚を研ぎ澄ませるにはとても良い環境だ。
モノローグなどで、ひとりの声優が2役以上の声を担当することもあるが、さすがは声優と言うべきか。キャラクターごとの声の差が大きく、まるで別人だ。思わずハッとさせられてしまう。身振りなどの動きもほとんどないのだが、声で人間の動きを表現することに長けている。
ゆっくりと読み聞かせるような声は心地よくもあり、ずっと聞いていたくなる。しかし緊迫したシーンでは聞いている側も手に汗を握るような展開で、キャラクターたちの心拍音と重なるかのように、観客である自分の心臓も早鐘を鳴らしていた。
公演終わりには、出演キャストが一言ずつ感想を述べた。米内は普段の役のイメージから「僕がこういう役をやるとは」と話し、澁谷も「朗読劇は今回初挑戦」であることを明かした。さらに田中美海の代役として出演した青山も、田中の体調を心配して連絡を取りあったというふたりの仲の良い話で会場を優しく包み込んだ。
配役や出演キャストが異なる全14公演
朗読劇を生で観劇するということは、普段はアフレコ現場などを見ることはできないが、彼らがどのように人物に声を当てているのか、役を演じているのかを間近で見ることができるというチャンスでもある。生の息遣い、声を感じられる。
そして朗読劇では、話している人にだけ目線を向ければ良いため、安心して視点を固定することができる。演劇では主軸を演じている人物以外にも目を向けなければならないことが多々あるが、話している人にスポットライトが当たるため、目が足りなかったり疲れるという現象がほぼ起こらない。
同じ公演でもキャストが違ければ印象も違う。アニメや演劇だと、キャストが決まればその人がずっと役を続けるため、こういう楽しみ方ができるのはキャスト代わりで公演数の多いこの朗読劇ならではだろう。今回のキャストの西山宏太朗は16日、馬場惇平は15日・18日、青山吉能は16日・19日、澁谷梓希は19日、米内佑希は14日に出演する。
さらに物販で売られている会場限定のTシャツを着ての観劇も大歓迎とのこと。
また、全国16館の映画館でのライブビューイングも予定されている。こちらは話している声優ひとりひとりが画面に映し出されるため、その表情までしっかり見ることができるのがメリットのひとつだろう。一般的な家庭よりは音響も画質も良く、快適な映画館という場所。遠方に住んでいても、映画を見に行くように気軽に参加してみては。
朗読劇「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」は1/17日(金)に羽多野渉土田玲央田中あいみ高木美佑、伊東健人出演でライブビューイングが公開。さらに1月19日(日)まで上演を予定している。

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取材・文:松本裕美
写真:朝岡英輔

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