首振りDolls

首振りDolls

首振りDolls、
マンスリーインタビュー第11弾で
2019年を振り返る

2018年の12月に新たに加入したベーシスト、ショーン・ホラーショーを迎え新体制初となり、本格始動した首振りDolls。新体制初ライヴ、上京、2ndメジャーアルバム『アリス』と新曲を含むインディーズ1stアルバム『首振人形症候群』の再販、新宿ロフト、下北沢GARDENでのワンマンーー。激動の1年となった2019年は、彼らの人生の中で大きなキッカケと、忘れられぬ経験の連続であったことだろう。

2020年初のマンスリーインタビュー第11弾は、そんな2019年の出来事を振り返りながら、現在の首振りDollsに迫ってみることにした。

【マンスリーインタビュー】

■マンスリーインタビュー第1弾 https://okmusic.jp/news/323875
■マンスリーインタビュー第2弾 https://okmusic.jp/news/329571
■マンスリーインタビュー第3弾 https://okmusic.jp/news/335318
■マンスリーインタビュー第4弾 https://okmusic.jp/news/339258
■マンスリーインタビュー第5弾 https://okmusic.jp/news/343414
■マンスリーインタビュー第6弾 https://okmusic.jp/news/347907
■マンスリーインタビュー第7弾 https://okmusic.jp/news/351762
■マンスリーインタビュー第8弾 https://okmusic.jp/news/356115
■マンスリーインタビュー第9弾 https://okmusic.jp/news/359379
■マンスリーインタビュー第10弾 https://okmusic.jp/news/363436

ライヴの度に、お客さんと一緒に
ライヴを作ってるって感じる(ナオ)

――2019年は首振りDollsにとって激動の1年だったと思うけど、振り返ってみてどう?
ナオ:そうね。こんなに早く感じた1年はなかったかも。
ジョニー:あっという間だったね。
ショーン:早すぎる……………。この前、2018年の年末何してたっけ? って思い出してたんだけど、全く思い出せなくて、自分でもビックリしたっていう(笑)。
ナオ:本当に! 正月なんか全く覚えてないくらいバタバタだったもんね。12月27日にショーンが正式加入してから、新体制初ライヴだった1月5日のMUCCとミオヤマザキとの福岡でのライヴまで本当に時間がなくて、とにかく必死で。そこに至るまでの記憶が、必死過ぎて全くといっていいほどない。いきなりの大舞台だったからね。
ショーン:本当に。今思うと信じられないくらいバタバタだったよね。
ジョニー:ショーンと小倉でいっぱいリハしたもんね。
ショーン:したね〜。
ナオ:『アリス』の制作もあったから、俺の家でしばらく2人暮らししながら曲作りしたよね!
ショーン:したね〜(笑)。
ナオ:あの2人暮らしがあったからこそ「黒い太陽」が生まれたっていう!
ショーン:そうそう。あのときの2人暮らしで出来た曲だもんね、「黒い太陽」。“ドッタドッタドッタドッタのリズムで曲作ってみよう!”って2人で盛り上がって。
ジョニー:その「黒い太陽」すらも、もう何年も前のことに感じる(笑)。本当にその頃のこととか、全く覚えてないもん。
ショーン:本当に! 
ナオ:そうだね〜。1年前のことなのに本当に思い出せない。あの頃は、とにかく目の前のことを一生懸命やるのに精一杯だったから。

――バタバタだったね、たしかに(笑)。
ナオ:レコーディングのための新曲作りもあったから、急ピッチで曲作ってレコーディングまで持ってって。
ショーン:レコーディング明けにはセックスマシンガンズとの2マンツアーもあったしね。
ナオ:そう。この3人での初ライヴからデカイ経験だったし、そこからも日々越えていかなくちゃいけないことばっかりで。とにかく必死やったなぁ。あの頃、どんなこと考えてたとか思い出せない。
ジョニー:俺、実家におったっけ? (しばし考える)あ、おったなぁ。

――おいおい。記憶喪失なみだね(笑)。
ショーン:本当に(笑)。それに近いくらい(笑)。

――その頃からの成長はそれぞれ感じている?
ナオ:感じてる! ジョニーが歌が上手くなった!
ジョニー:歌も上手くなったけど、ギターも上手くなった!
ナオ:息が合ってるなっていうのは、ショーンと初めてスタジオで音を合わせたときから感じてたから、そこは徐々に息が合ってきたなっていう感覚では正直ないのね。最初からピッタリ息が合ったから、もうその時点で手応えは感じてたんで。でも、今、インディーズ時代にリリースした1stアルバム『首振人形症候群』の再発ツアーの真っ只中ということもあって、ショーンが加入する前の古い曲を3人でやることが多いんだけど、古い曲がすごく変化してるのを感じる。
ショーン:感じるね〜。全く違う曲に感じることもあるからね。アレンジもだいぶ変わったし。
ナオ:そう! アレンジが全く変わったから、曲の印象がガラッと変わったものもあるんだよね! 昔の曲が、ショーンと一緒に演奏することで、新しい曲に生まれ変わっていくというか。「カンチガイ」とか、本当に化けたからね!
ジョニー:「カンチガイ」化けたよね! マジで化けた! 俺がやりたかったThe Rolling StonesとかTHE STREET SLIDERSみたいな世界観になった。あの曲はまだまだ化けると思う! もっと長くして遊べる曲になったから。
ナオ:今、曲中にそれぞれのソロも入れてライヴでやってるけど、もっと長く入れられそうだよね!
ジョニー:いけるね。
ショーン:ほぉ〜。いいね。

――「籠の鳥」も化けたよね。
ジョニー:化けたね! すごく良くなった。
ナオ:「籠の鳥」のコーラスもすごく良くなったもんね!
ジョニー:うん。「籠の鳥」は最初俺のイメージとしてはMC5みたいな感じだった。
ナオ:そうだね。ガレージ感というか。
ジョニー:そうそう。MC5とかThe Stooges系でやろうとしてた。
ナオ:俺もジョニーもガレージロック好きなんだけど、俺の好きなガレージロックとジョニーの好きなガレージロックはまたちょっと違っていたりもするから、そこも振り幅になるというかね。俺の好きなガレージバンドって、もっともっとコアなバンドだったりするんだけど、ジョニーの好きなガレージロックは俺も好きではあるから、やりたいことはすごく伝わってくるし。
ジョニー:The Sonicsとかも好きだからね、俺。
ナオ:俺もThe Sonics大好き! The Sonicsの血は薄れさせたくないなぁ。最強のロックバンドやと思うからね。

――そうだね。そこは原点でもあるからね。江戸川乱歩の短編怪奇小説を元に描かれた「鏡地獄」も、おどろおどろしい世界観のイメージだけど、いつしか客席がクラップで埋まるようになったりしたのもびっくりで。
ジョニー:お客さんも楽しみ方が分かってきたんじゃないかな?
ショーン:たしかに。お客さんも進化してきたのかなぁ?
ナオ:うん。それに、普通のバンドと違って首振りDollsはドラムボーカルだから、こっちから動作でクラップを促したり出来ないから、自然発生というか。俺が促せない分、ジョニーとショーンが補ってくれているけど、2人も楽器を持ってて両手が塞がっている分、そこまでハッキリと“こうして欲しい”っていうことは提示できないこともあって、お客さん的にも指標がないところで盛り上げてくれてるのが、首振りDollsのライヴでもあると思うからね。ライヴのノリを作ってくれている“お客さんのプロ”みたいな、前列のコアなファンの人たちが、俺たちと一緒にライヴをやってくれてるなって感じる。本当にありがたいなって。いつもライヴの度に、一緒にライヴを作ってるなって感じる。

――そうだね。本当にそう思うね。そういうノリについても変化を感じたりする?
ナオ:昔と思うと客層が変わったなって感じることもあるけどね。
ジョニー:お客さんが増えたなっていうのはすごく肌で感じる。
ナオ:お客さんが入れ替わるって、バンドにとっては悲観的なことではなくて、むしろ幅が広がっていると感じていて。今までもそうだったし。いろんな事情があると思うけど、一度でも首振りDollsの音を知って感じてライヴに来てくれた人たちなら、この先、首振りDollsが大きなところでライヴをするということになったら、きっとみんな集まってくれると思うから。

――そうだね。進化であり成長であり、いい変化であると言えるよね。
ジョニー:そう。全てがね。今、集まってくれてる人たちは、本当に首振りDollsの音が好きで集まってくれていると思うから。いろんな意味で真面目になったなって感じる。
ナオ:そうだね。すごくいい変化だと思う。最初のリハから合わせて、『アリス』のツアーもずっとやってきた「切花」とかは、本当に自分たちのものになってきてるな〜って実感するんだよね。そういうのを感じると、時間が経過してるんだなって思う。
ジョニー:2018年の年末は、3人でやれる曲が7曲くらいしかなかったもんね。そこから考えたら、今は30曲くらい出来るから。純粋に楽しみが増えたなって感じる。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着