2019年の年末は明治座で「本能寺の変
」が勃発!? 平野良、安西慎太郎が
W主演『明治座の変~麒麟にの・る~
』開幕
昔むかし、神獣・麒麟がいた。麒麟は天下人だけが見る事ができる不思議な神獣である事から、天下を目指した人々は麒麟を奪い合い争った。そして戦国時代、織田信長は天下統一目前となっていつか自分にも麒麟が見える事を疑わず、戦に明け暮れていた。織田を良く思っていない朝廷は、将軍。足利義昭に命じ、将軍家に近い武将、明智光秀に織田側のスパイをさせる事にした。しかし呼び出された光秀はあっさり将軍の命令を断り、その場から出奔する。というのもこの光秀と信長には大きな秘密があるようなのだ。実は誰かの影武者を務める二人はやがて……。
「何故、明智光秀は織田信長を討ったのか」そんなトンデモ設定で本能寺の変が繰り広げられる。
光秀と信長にまさかそんな裏設定が、とのっけから驚きを隠しきれない超トンデモ設定が魅力的なこの芝居。戦国時代という事で、木下秀吉(木ノ本嶺浩)や浅井長政(大山真志)、お市(凰稀かなめ)に帰蝶(椿鬼奴)、そして正親町天皇(辻本祐樹)からただのおっちゃん(粟根まこと)まで、そしてタイトルロールの「きりん」(加藤啓)も交えて、クスクスからどっかんと笑いが零れるおもしろ場面や、乱闘から一騎打ちまで剣術で見せる場面などもあって、展開のスピードと共に常に観客の目を惹きつけていた。(脚本:赤澤ムック、演出:原田優一)
もちろん、客席の間をキャストが歩き回ったり、観客をいじり倒すなど、皆が笑って笑って楽しめる年末の“祭”感は満載。この明治座にいる全員でこの時間をとことん楽しもうじゃないかという姿勢が至るところに感じられた。
令和元年の締めくくりにこのお祭りに参加できて光栄です。6年ぶりですが、臆することなく、余すところなく楽しみたいと思います。一部のお芝居パートは例年とは一味違った空気感になっていると思います。笑える面白さ、巧みな面白さ、物語自体の面白さが綺麗なマーブル模様を成していますので、存分に体感していただければと思います。二部はとりあえず、もの凄いことになってますと言っておきます。ご期待あれ。
再び明治座に立ち、平野良さんと共に座長を務めることが出来て幸せに思います。心境としましては、良い緊張感が流れ、ドキドキしています。今回も面白い作品を作るべくカンパニー一同懸命にやってきました。お客様から頂いた時間を誠心誠意、大切に扱わせていただきます。また一味、いや三味違う年末祭シリーズをお楽しみください。
2019年は皆さまにとってどんな年でしたでしょうか。早くも年末を迎え、共に明治座で盛り上がって締めくくるに相応しいパフォーマンスになるべく、一丸となって最後の準備をしております。観劇後に劇場を出る時、新たな年を明るく迎えていただけるような、壮大でお馬鹿なスペクタクルになっていればと。“とんでも設定”で必死に生きる人間模様にご注目ください。
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