【『RIZIN.20』『BELLATOR JAPAN』大
会直前見所特集コラムVol.1】朝倉海
、王座戴冠なるか!?天心vs江幡の立ち
技頂上対決 12月29・31日、さいたま
スーパーアリーナ2連戦

2000年の「イノキ・ボンバイエ」に始まり、今に続く日本格闘技界伝統の大晦日興行。今年も1年を締めくくる最後にして最大の戦いが迫ってきた。今年は29日にRIZINが協力し、米メジャー団体ベラトールが日本大会を初開催(「BELLATOR JAPAN」)。31日の「RIZIN.20」と合わせ、変則での2連戦となる(ともにさいたまスーパーアリーナ)。
本稿ではまず31日に行われる「RIZIN.20」のメインイベントとセミファイナル、2カードの見どころを紹介する。
■朝倉海:アウトサイダー王者からRIZINへ参戦
<バンタム級タイトルマッチ> [RIZIN MMAルール : 5分 3R(61.0kg)※肘あり] 朝倉海 vs. マネル・ケイプ
当初「RIZIN.20」の目玉になると見られていた王者・堀口恭司vs挑戦者・朝倉海のRIZINバンタム級(61㎏)タイトルマッチだが、堀口が右前十字靭帯断裂・半月板損傷で大会を欠場。全治10ヵ月で欠場が続くことから堀口が王座返上を申し入れ、朝倉とマネル・ケイプの間で王座決定戦を行うこととなった。
朝倉は兄・未来(みくる)とともに前田日明主催の大会「ジ・アウトサイダー」で王者となり、16年から韓国のROAD FCに参戦。初戦・第2戦と連勝するが、17年6月の第3戦で敗北を喫し、さらなる強さを求め地元・豊橋を離れ上京を決意する。
RIZIN初参戦は同年の12月。K-1出身の才賀紀左衛門と対戦し、ストライカーの才賀を逆にパンチで2Rにノックアウト。白星デビューを飾るとともに、その存在をアピールした。
■因縁の相手マネル・ケイプ
そしてRIZIN第2戦(18年5月)で対戦したのが、今回王座を争うこととなるマネル・ケイプ。17年末に行われたバンタム級トーナメントで、ケイプは優勝候補のイアン・マッコールを大流血TKOに沈め、さらに堀口をあと一歩のところまで追い込みと大暴れ。評価を高めた上での朝倉戦であったが、打撃は互角ながら2Rにテイクダウンを奪われ、グラウンドで喫した劣勢が尾を引き1-2での判定負け。ケイプはこの判定を不服にしており、ことあるごとに再戦を訴えてきた。
■堀口戦のアップセットで大覚醒
対する朝倉は18年を全勝で終え、19年は相手や自身の負傷で欠場が続いたが、いきなりRIZIN・ベラトールの2冠王・堀口への挑戦が決定(8月)。事前の予想は圧倒的不利であったが、“日本MMA史上最大”とも言われるアップセットを起こし、堀口を1Rでノックアウトする。
攻めの姿勢を貫く朝倉は続けて10月の「RIZIN.19」にも連続出場。バンタム級四天王の1人である佐々木憂流迦と対戦するも寄せつけず、右フックで佐々木の顎を骨折に追い込み、堀口戦で覚醒した強さを再び見せつけた。
■第2代RIZINバンタム級王座決定戦
対するケイプは朝倉に敗れた後、中村優作(18年9月、3Rリアネイキッドチョーク)、伊藤盛一郎(19年4月、2RTKO)、水垣偉弥(19年8月、2RKO)と3選手を撃破。佐々木憂流迦にこそ敗れたが(18年12月、判定)、今年に入っての2戦はインパクトあるKOを見せており、自身の執拗なアピールもあり、朝倉との再戦を王座決定戦というこれ以上ない形で実現させた。
対戦発表会見(12月4日)ではケイプを「失神させたい」と語った朝倉だが、ケイプはここまで喫した敗戦のうち、一本負けこそあれKO負けを喫したことはない。堀口戦でもその動体視力と運動能力の高さを見せ、堀口に苦戦を強いた。
はたして朝倉が2019年を自身の年として締めくくるのか、あるいはケイプがリベンジを成し、さらなる混沌をRIZINにもたらすのか。
■2019年、5戦5勝4KOの那須川天心
[RIZIN キックボクシング特別ルール : 3分 3R / 延長1R(56.0kg)] 那須川天心 vs. 江幡塁
昨年大晦日はフロイド・メイウェザーとのスペシャルエキシビションマッチを実現させた那須川天心。今年はホームリングのRISEで世界の強豪を集め最強を決するトーナメント「WORLD SERIES」(WS)に参戦してきた。
フェデリコ・ローマ(3月WS、3R KO)、フリッツ・ビアグタン(4月RIZIN、3R TKO)、マーティン・ブランコ(6月RIZIN、2R KO)、スアキム・PKセンチャイムエタイジム(7月WS、3R TKO)、志朗(9月WS、判定)と今年は5戦を行い志朗戦以外はいずれもKOで勝利したが、さらにスアキム戦を前にした6月22日にはAbemaTVの企画でボクシング元世界三階級王者である亀田興毅と対戦。勝敗はつかなかったが、亀田を圧倒する場面も見せ、改めてその天賦の才を知らしめた。
■新日本キックのエース・江幡塁
今年の対戦相手が注目される中、抜擢を受けたのが新日本キックボクシング協会のエース・江幡塁(るい)。江幡は双子の兄である睦(むつき)とともに2007年デビューし、その破壊力ある攻撃で兄とともにムエタイの頂点を目指してきた。長く新日本キックとタイ以外のリングに立つことなく進んできたが、17年12月KNOCK OUTに参戦。翌18年の小笠原瑛作戦は年間ベストバウトとも言われる好勝負となり、序盤の劣勢を覆し3Rに右ストレートで逆転KO。今年8月のKNOCK OUT初代スーパーバンタム級王座決定トーナメントでも大野貴志、小笠原瑛作を連破し優勝しており、国内最強の一角にある実力を証明した。
江幡はここまで40戦以上を行い、ムエタイの最高峰へ果敢に挑みながらも3敗を喫したのみ。ホームリング外となるKNOCK OUTでも負けなしを誇っている。RIZINの榊原信行CEOも「日本に天心を倒せる可能性のある選手がまだいる」と12月5日の対戦発表会見で力を込めた。
■キック頂上対決の結末は!?
対戦決定を受け天心は「これまでやってきたことの差を見せたい。大晦日のお祭りらしくぶっ倒します」とKOを宣言。さらに「僕もずっと日本にいるつもりはないですし、江幡選手が日本人最後の一人ぐらいに思っています」と続け、以前から語ってきた世界進出がいよいよ間近にあることを感じさせた。
はたして、自身の力を一方的に見せつける“天心劇場”とするのか、あるいは江幡がノンストップで進む天心のストーリーに待ったを掛けるのか。キックボクシング日本軽量級頂上対決が実現する。
対戦カード

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