MIKA(ミーカ)待望の来日公演が決定した。

前回の来日公演から4年ぶり。5枚目のオリジナル・アルバムとなる『My Name Is Michael Holbrook(マイ・ネーム・イズ・マイケル・ホルブルック)』を引っ提げて、2020年3月2日に東京・新木場のStudio Coastで一夜限りのプレミアムな来日公演を行うことが発表された。
MIKAは、本名をマイケル・ホルブルック・ペンニマン・ジュニア(Michael Holbrook Penniman, Jr.)といい、1983年8月18日生まれの現在36歳。シンガー・ソングライターとしてのみならず、プロデューサーやグラフィック・デザイナーなどとしての活躍でも有名な多才なアーティスト。
レバノン出身のロンドン育ちで、幼いころに海外のいろいろな都市に住んでいたことから語学に堪能。それは、来日公演のステージ上から流暢な日本語で語り掛ける姿からもよくわかる。
2007年にアルバム『Life in Cartoon Motion((ライフ・イン・カートゥーン・モーション)』で鮮烈なデビューを果たす。特にこのアルバムに収録されたシングル「グレース・ケリー」は発表後すぐに全英チャートの1位に輝き、世界中でも大ヒットを記録した。アルバムは全世界で600万枚を超えるセールスをあげ、一躍MIKAは大スターの仲間入りを果たしたのみならず、2007年を代表する顔として世界中にその名を轟かせた。
MIKAの音楽性やそのボーカリゼーション、ステージ・パフォーマンスから、Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー)やScissor Sisters(シザー・シスターズ)、Elton Johnエルトン・ジョン)、Prince(プリンス)やRobbie Williams(ロビー・ウィリアムス)などと比較されることが多く、時には揶揄されることもあったが、実際にシングル「Grace Kelly(グレース・ケリー)」では、歌詞でフレディのことを歌っている一節もある。

I try to be like Grace Kelly But all her looks were too sad So I tried a little Freddie I've gone identity mad.
実際、このシングル「Grace Kelly(グレース・ケリー)」を聞いたかなりの人は、この曲にQueen(クイーン)からの影響を感じ取っただろうし、ファルセットを多用するボーカル・スタイルもフレディのそれに近いことは事実だろう。ただ、これはそのままQueenのまねごとをして見せたということでは全くない。それは、この楽曲を丁寧に聴けば自明のことではあるし、特にアルバムを一枚聴くだけで、MIKAというアーティストの才能の確かさに驚愕せざるを得ない。
2009年には、2作目となるアルバム『The Boy Who Knew Too Much(ザ・ボーイ・フー・ニュー・トゥー・マッチ)』をリリース。2枚目のプレッシャーから作品の出来が芳しくなく、セールスも落ちてしまうという2枚目のジンクスを軽々と打ち破って見せた。特に、シングルとなった「We Are Golden(ウィー・アー・ゴールデン)」は、「Grace Kelly(グレース・ケリー)」に勝るとも劣らない名曲として、全英チャートの4位を記録した。

その後も、3rdアルバム『ジ・オリジン・オブ・ラヴ』(2012)、4thアルバム『ノー・プレイス・イン・ヘヴン』(2015)とアルバムをリリースし、順調にキャリアを積み、良作を発表し続けている。
また、フジロック・フェスティバルへの参加や、新木場のStudio Coastでの公演など、幾度となく来日し、毎回、趣向を凝らした演出と持ち前のサービス精神の良さでソールドアウトした会場を沸かせている。筆者も、ほとんどの来日公演を見ているが、ここまでミュージシャンシップが高く、サービス精神の旺盛なアーティストはいないのではないかと足を運ぶたびに思っている。MIKAを単なるポップ・スターと思っている人も多いだろうが、四の五の言わずにまずは彼のステージに一度触れてみることをオススメする。
2016年には、オーケストラとの共演作『MIKAとモントリオール交響楽団』をリリース。この作品では、それまでの自身の楽曲をオーケストラ用にアレンジし直したもので、このアルバムを聴けばMIKAの楽曲はポップ・ソングのフォーマットを脱ぎ捨ててもどこまでも胸に響く普遍性を持っていることを証明して見せた。このアルバムは、それまでのカラフルでどこまでもポップなMIKAのイメージを覆したものであり、実際、この時期の来日公演は東京ではNHKホールで行うなど、初めて座席のあるホールで行われ、アーティストとしての深みを見せてくれた時期だったと言っていいだろう。
そして、今年、5作目である最新作『My Name Is Michael Holbrook(マイ・ネーム・イズ・マイケル・ホルブルック)』をリリースしたMIKAは、持ち前のポップさに加え、今までにない内向的な面も見せるなど、レコーディング・アーティストとして大きく成長して帰ってきた。
アルバムの総セールスが1,000万枚を超えミュージシャンとして大成したMIKAは、通算32ヶ国でゴールドやプラチナ・ディスク獲得し、英国を代表する賞であるブリット・アウォードや、秀でたソングライターに贈られるアイヴァー・ノヴェロ賞などにも数多く輝いており、名実ともに世界に名を轟かせるアーティストとして君臨している。
現在は、ミュージシャンとしての活動以外にも、イタリアで人気TV番組「X Factor」の審査員として出演したり、フランスの大型TV番組「The Voice」のコーチとしても出演するなど、ヨーロッパではお茶の間レベルで活躍中とのこと。フランスではかつて5万人規模のスタジアムでライブを行うなど、ヨーロッパでの人気は目を見張るほど。

そんな多才なエンターテイナーが、Studio Coastで一夜限りのライブを行う。
プレミアムな夜になることは確実で、チケットは完売必至だろう。
一般発売前の先行発売からの申し込みなど、手を尽くして当日を待ちたい。

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