城 南海

城 南海

【城 南海 インタビュー】
大人の女性らしい
リアルな作品を目指して

ご縁がつながってできたアルバム
みなさんに感謝したいです

4曲目の「るるる」はタレントとして活躍中のYOUさんが作詞されているのですが、今回のビジュアルのスタイリングもYOUさんが手掛けているそうですね。

レーベルの先輩というご縁もあるし、まずは歌詞を書いていただいて、レコーディングの歌録りが始まってる中でビジュアルの話になった時に、私から提案させていただきました。YOUさんとは『THEカラオケ★バトル』でゲストにいらした際に初めてお会いしたんですけど、女性からも支持されてますし、ファッションもすごくカッコ良いし、お話も面白いし、ほんと大好きなんですよ。それでビジュアルもお願いしたら、引き受けてくださったんです。インタビューみたいに私のことをいろいろ訊いていただきながら、“どういうのやりたい? どういう服を着たい?”と寄り添ってくださって。スタイリングもリース以外にご自身の服から選んでいただり。改めてすごい方だと思いました。

歌詞のほうも“るるる”というタイトルが面白いなと。

“るるる”という言葉がすごく残りますよね。“るるる”の中にいろいろな想いが詰まっているという感じがします。

5曲目は明るいナンバー「ボーンフィッシュ」。これはNHK大河ドラマ『西郷どん』でもご一緒された富貴晴美さんの曲なのですが、南海さんの声がすごくかわいらしいと感じました。

仮歌の時はもっとかわいかったんですけど、本番では少し落ち着きました。富貴さんから“すごくかわいらしいというより、ちょっとぶっきらぼうな感じも出してほしい”というご依頼がありまして…富貴さんの中に“こういう南海どんで!”という姿があったようで、メールでこの曲についてたくさん書いて送ってくださったんですよ。ボーンフィッシュは白く透き通った美しい体で、世界でもっとも速いスピードを出す魚の10位以内に入っているとか。歌詞的には“ハイスピードで夢に到着したいのに、なかなか思い通りにいかない。人生なんてそんなもの”という夢追い人の物語なんですけど、富貴さんはメールの中で“南海どんとの生き様と重ね合わせました”と書いてくださっていて。私も歌っていて“あっ、自分のことだ”と感じました。

南海さん自身と言えば、続く「東京」はご自身が作詞されたんですよね。

ディレクターさんが「紅」(2009年8月発表の1stアルバム『加那ーイトシキヒトヨー』収録曲で城が作詞を担当)のアンサーソングというイメージはどうかと言ってくださって。じゃあ、今、自分が住んでいる東京がいいかなと。島から出てきてこの街にも慣れ、あの時のあの人はどうしているかなと。いろいろな別れも経験してきたし、今、書ける言葉で書いてみようと思ったんです。ただ、最後まで悩みましたけど。

どんなところに悩まれましたか?

10周年のオーチャードホール公演のアレンジを担当してくださった増本直樹さんから曲をいただいたんですけど、私はこういったJ-POP的な曲に歌詞を書くのが初めてで。自分の中では使わないような音の動き方もされていたので、どういう言葉が一番いいのかとずっと探していました。

なるほど。そして、9曲目の「タピオカ」ですが、そのタイトルからかわいい曲なのかと思ったら、なんとも不思議なナンバーでした。

私もびっくりしました! 先に松本俊明さんから曲をいただいていたのですが、ディレクターさんが私の同郷(鹿児島)の先輩でもある辛島美登里さんに“失恋ソング以外なら何のテーマでもいいです”と作詞をお願いをしたら、“タピオカ”というタイトルの歌詞が来て。“えっ!? どういう曲なんだろう”と思って聴いたら、描いているものはタピオカなのに見えてくる世界が違っていて。すごい!と思いました。

後半にこんなユニークな曲が待ち構えているとは。

面白い曲にしたかったんです。言葉遊びをして、音遊びをして、コーラスもいっぱい重ねて…というのをずっとやってみたかったんですよ。辛島さんの詞も含めて遊びが効いた、聴いていてすごくワクワクもする曲だと思います。レコーディングではマイクに口を近づけて、ささやくような感じで歌っています。

最後の曲は穏やかな気持ちになる「おやすみ」ですが、これは?

もともと藤井尚之さんが作っていらした曲で、「行かないで」で共演させていただいたことがきっかけで“南海ちゃんにすごく合うと思う”と提供してくださったんです。星や空がテーマになっていて、ワーッと広がる世界観だったので、作詞を水政創史郎さんにお願いしたんです。“これはアルバムの最後の曲だな”ってすぐにイメージが沸きました。

途中で三味線が入っていますね。今回の作品は南海さんのルーツである奄美大島色はそんなに強くなかったと思うのですが、最後にトレードマークが入ったという印象でした。

大島さんが“三味線を入れてみたら?”とアレンジしてくださって。曲に合いますよね。最後に城マークをポン!と押している感じで(笑)。

改めて『one』は南海さんにとってどんなアルバムになりましたか?

今の自分だから、10年が経ってきたから歌える曲が収録されていますし、“これから城はどんなことをやるんだろう”といった未来への展望も垣間見えるのではないかと。今の自分にとって大きな意味のある、新たな一歩を踏み出した作品になったと思います。私自身も今回の制作を通して、新しい世界をいっぱい見させていただき、みなさんに新しい自分をたくさん引き出してもらいました。これまでのご縁がつながってこのアルバムが出来上がったので、本当に今作品に関わってくださった方々に感謝したいです。

取材:キャベトンコ

アルバム『one』2019年12月18日発売 PONY CANYON
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • PCCA-04877
    • ¥4,500(税抜)
    • 【通常盤】
    • PCCA-04878
    • ¥2,800(税抜)

ライヴ情報

『城 南海 ふるさとコンサート in 鹿児島』
1/25(土) 鹿児島市民文化ホール第2

『Premium meets Premium 2020』
2/17(月) 東京・浜離宮朝日ホール

城 南海 プロフィール

キズキミナミ:平成元年 鹿児島県奄美大島生まれ。奄美民謡“シマ唄”をルーツに持つシンガー。2006年に鹿児島市内でシマ唄のパフォーマンス中にその歌唱力を見出され、09年1月にシングル「アイツムギ」でデビュー。代表曲は、NHKみんなのうた「あさなゆうな」、「夢待列車」をはじめ、NHKドラマ『八日目の蝉』の主題歌「童神~私の宝物~」、NHKBSプレミアム時代劇『薄桜記』の主題歌「Silence」、一青窈作詞、武部聡志作曲・プロデュースのシングル「兆し」など。また、テレビ東京『THE カラオケ★バトル』に2014年7月に初出演以来、毎回高得点をたたき出し、現在、番組初となる10冠を達成。オンエアの回数が重なるにつれ、カバーアルバムを望む声が多く集まり、15年に初となるカバーアルバム『サクラナガシ』『ミナミカゼ』、17年11月には3枚目のカバーアルバム『ユキマチヅキ』をリリース。20年にはディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌「リフレクション」の歌唱が決定し、日本版の訳詞も担当。ライヴでは毎年恒例のワンマン公演『ウタアシビ』の他、さまざまな音楽フェスティバル、イベントに出演している。城 南海 オフィシャルHP

「ONE」MV(Short ver.)

OKMusic編集部

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