BLOOD SHIFT TOUR 2019ファイナルに
見た、浅井健一の「今」

11月19日(火)、浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSの『BLOOD SHIFT TOUR 2019』ファイナル公演がマイナビBLITZ赤坂にて行われた。9月にリリースした、ソロ名義では約5年ぶりのオリジナルアルバム『BLOOD SHIFT』に伴うツアーは、10月6日から始まり全国20カ所を行脚。その千秋楽ということもあって、会場にはバンドの最新パフォーマンスを体感しようと多くのファンが詰めかけた。


Photo_ATSUKI IWASA
Text_Akihiro Aoyama

盟友が多数集結した最新ソロアルバム『
BLOOD SHIFT』

2016年に中尾憲太郎(Bass)と小林瞳(Drums)と共に浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSを結成してからは、音源制作面においても同名義での活動が続いていたが、『BLOOD SHIFT』は久しぶりのソロ名義作品。THE INTERCHANGE KILLS(以下、キルズ)の他にも、仲田憲市(SHERBETS)、椎野恭一(AJICO)、照井利幸(元BLANKEY JET SITY)ら、これまで浅井健一の楽曲を一緒に作り上げてきた多くの仲間たちが一堂に会したアルバムとなっている。名うてのプレイヤーたちとの交流を通して生まれた楽曲は、浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSの3人によってどのように再演されるのか。開演前から、オーディエンスの大きな期待が熱気となって充満している様子だった。

会場の照明が落ち、まず流れてきたのはビー・ジーズの「Melody Fair」。BLANKEY JEY CITY時代に同名曲を作るほど、浅井健一が昔からお気に入りであることを公言している名作映画『小さな恋のメロディ』の主題歌だ。美しいハーモニーに導かれて3人がステージに登場すると、会場のそこかしこから「ベンジー!」と呼ぶ歓声が飛び交った。

オープニングを飾ったのは、最新作から「Colorful Elephant」。アルバムのリード曲となった、キルズとの制作で生まれた楽曲だ。小林瞳のドラムと中尾憲太郎のベースがタイトなビートを叩き出す中、浅井健一のギターと歌声がカットインするやいなや、会場の空気は一気に熱狂へ。共に合唱する声もたくさん聴こえてくる。演奏が終わると、浅井健一は「Hello Tokyo, Let’s Party!」と話し、間髪入れずに次の「Vinegar」に突入。前作『Sugar』収録の楽曲で一気にギアをトップへと上げ、スリリングな音のぶつかり合いで魅せていく。

「Let’s Dance!」という呼びかけから始まった「目覚める時」では、ピンと張りつめた空気から一転して開放的で祝祭的なムードが広がった。オーディエンスは皆、コーラスを歌いながら心地よさそうに体を揺らしている。続いてシャッフルビートが鳴る中、「今日はみんな、来てくれてありがとね。朝まで騒ぐぞ」と観客を煽って「Watching TV」へ。会場全体での「Watching TV!」大合唱をスイッチに、動から静へ、静から動へと、ダイナミックにアンサンブルを変えるバンドの一体感が素晴らしい。

2012年リリースの『PIL』収録曲「OLD PUNX VIDEO」の後、「OK、全員で踊ろう」というMCを挟んで披露されたのはBLANKEY JET CITYの「DERRINGER」。この楽曲で会場の熱気はまた一段と上がり、大歓声が演奏終了後も鳴り止まない。メンバー紹介を挟んで、抜群の疾走感で駆け抜ける「HARUKAZE」、中尾憲太郎のベースラインがリードする「Very War」へと繋げていった。

過去の名曲から未発表曲までを網羅した
セットリスト

「『BLOOD SHIFT』というアルバムを出したんだけど、みんな聴いてもらえました? その中にDVDが入ってたと思うんだけど、みんな観てもらえた?」という話が始まり、「その中でいろんな曲をやっとるんだけど、その中の一曲を、未完成なんだけどやってみるね。」と次の楽曲へ。この未発表曲は、ここまでのタイトなロックンロール・アンサンブルからがらりと雰囲気を変えた、開放的なコード感が心に染み入るミドルチューンとなっていた。その後、浅井自身がニューアルバムの中でもお気に入りだと語る「Sunny Precious」を演奏。オーディエンスから聞こえてきた「ツアーお疲れさま!」の声に「ありがとう! でも全然疲れてないけどね。だって、朝まで騒ぐって。」と返すと、会場は大歓声に包まれた。

続く「目を閉じる映画」は、照井利幸と共に作り上げた深みのあるバラード。ノスタルジアを感じさせる言葉とメロディが、会場をメランコリックな色に染めていく。次の「DEAD FISH」も照井利幸とのセッションで制作された楽曲。こうして並べて聴くことで、キルズとの楽曲が中心となった前半との対比が際立つ。楽曲ごとの世界観を理解して完璧に再現してみせる、キルズとのアンサンブルも見事だ。3曲連続の披露となった照井利幸との共演曲「だからってさ」では、前2曲のムーディな雰囲気から一転して、再びタイトなビートを鳴らして終盤へと突入していった。

オーディエンスの熱と共に加速を続けた
鉄壁のアンサンブル

次に分厚いギターリフに乗って聴こえてきたメロディは、BLANKEY JET CITYの「ぺピン」。照井利幸との最新楽曲からBLANKEY JET CITY時代の名曲へと繋げる流れは、長年のファンにはたまらない演出だったに違いない。浅井健一が歌い出した瞬間、会場からは悲鳴にも似た歓声が飛び交っていた。

ライブが終演に近付き、最後はテイストの異なる楽曲を立て続けにパフォーマンス。厚みのあるロックンロールを叩き出した「見た事もない鳥」の後は、メジャーコードの開放感が新鮮な「暗いブルーは暗いブルーさ」が演奏され、同曲の途中では「スーパーベーシスト、中尾憲太郎!」の呼びかけからベースソロが披露された。仲田憲市らとのセッションで出来たシングル「METALLIC MERCEDES」では、鋭いアタックのアンサンブルと小林瞳によるコーラスがスリリングな調和を見せた。

「じゃ、懐かしいやつやるわ。」という短いMCの後に演奏されたのは、BLANKEY JET CITYの「赤いタンバリン」。言わずと知れた、BLANKEY JET CITYの代表曲だ。凄まじい疾走感で繰り広げられる演奏にオーディエンスの熱気は最高潮。バンドの熱演に、全員が大合唱と激しいダンスで愛を送っていた。そこからスピードを全く落とすことなく、「Beautiful Death」で加速したままライブ本編は終了。浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSの3人は一度ステージを去っていった。

まさかのダブルアンコールでは、BLANK
EY時代のあの名曲も

鳴り止まないアンコールに応えて、再びステージに登場した浅井健一は、和やかに観客とコミュニケーションを取りながら、改めてバンドメンバーを紹介。「次の曲はみんな、歌ってくれる? せっかく集まったんだし」と話して、『BLOOD SHIFT』のオープニングを飾った一曲「Old Love Bullet Gun」が演奏された。「NA NA NA… Fu Fu Fu♪」というキャッチーなコーラスを持つこの曲は、会場全体でシングアロングするのにピッタリだ。続いて「OK、モーターシティ!」の掛け声と共に、TVアニメ『ノー・ガンズ・ライフ』主題歌として書き下ろされた最新シングル「MOTOR CITY」へ。このライブの直前、11月13日にリリースされたばかりの楽曲とあって、会場のボルテージはさらに上昇していった。

続いて披露されたのは、BLANKEY JET CITYの「PUNKY BAD HIP」。歌とギター、ベース、ドラムの3ピースが競い合うように疾走する様は、鳥肌が立つくらいにスリリングだ。右肩上がりに加速していくロックンロール・アンサンブルは、JUDEの「DEVIL」という最高のロックンロール賛歌で終演へ。会場は熱狂のまま、最後の時を迎えた。……と思いきや、まさかのダブルアンコールで、メンバーが登場。最後の最後はBLANKEY JET CITYの「SKUNK」で締めくくられた。

BLANKEY JET CITYから浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSに至るまで、数多くの出会いから生まれた楽曲をアップデートしながら進んできた、浅井健一の「今」。数々の盟友と共に作り上げた最新ソロアルバム『BLOOD SHIFT』のツアーは、様々な過去が積み重なって今が形作られるのだという事実を、強烈に実感するものだった。デビューから約30年、稀代のアーティストとして日本のロック・シーンを牽引してきた浅井健一は、いまだアクセルを緩めることなく、未来に向かって走り続けている。

〈ライブ情報〉

浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS
SEXY STONES RECORDS 20th ANNIVERSARY『KILLS CORE』

2月08日(土) 渋谷WWW X

OPEN 17:30 / START 18:30 TICKET ¥5,000(税込・ドリンク代別)info:SMASH tel:03-3444-6751

オフィシャルHPチケット先行:2019年11月19日(火)21:00 ~ 2019年12月1日(日)23:59

https://eplus.jp/atiksingle20core-hp/
チケット一般発売日12/21(土)

SEXY STONES RECORDS 20th ANNIVERSARY『KILLS MORE』

3月14日(土) 高崎club FLEEZ

OPEN 18:00 / START 18:30 TICKET ¥5,000(税込・ドリンク代別)info:club FLEEZ tel:027-345-7571

3月15日(日) 甲府KAZOO HALL

OPEN 17:30 / START 18:00 TICKET ¥5,000(税込・ドリンク代別)info:KAZOO HALL tel:055-243-7069

3月20日(金祝) 小倉FUSE

OPEN 17:30 / START 18:00 TICKET ¥5,000(税込・ドリンク代別)info:LAND tel:092-710-6167

3月21日(土) 長崎DRUM Be-7

OPEN 17:30 / START 18:00 TICKET ¥5,000(税込・ドリンク代別)info:LAND tel:092-710-6167

3月28日(土) 岡山IMAGE

OPEN 18:00 / START 18:30 TICKET ¥5,000(税込・ドリンク代別)info:夢番地(岡山) tel:086-231-3531

3月29日(日) 京都MUSE

OPEN 17:30 / START 18:00 TICKET ¥5,000(税込・ドリンク代別)info:清水音泉 tel:06-6357-3666

オフィシャルHPチケット先行:2019年11月19日(火)21:00 ~ 2019年12月1日(日)23:59

https://eplus.jp/atiksingle20more-hp/
チケット一般発売日1月25日(土)

〈リリース情報〉

2019年11月13日(水)リリース
シングル「MOTOR CITY」
購入URL:https://aoj.lnk.to/yI3NzWN
配信URL:https://aoj.lnk.to/g-OO3WN

《初回生産限定盤(CD+DVD)》BVCL 1010~1011 価格:1,800円+税

<CD収録曲>(初回生産限定盤・通常盤 共通)
01. MOTOR CITY
02. Addiction
03. ぐっさり

<DVD収録曲>
『Five Music Videos』
01. MOTOR CITY
02. Colorful Elephant
03. METALLIC MERCEDES
04. ぐっさり
05. HARUKAZE

《通常盤(CD)》BVCL 1012 価格:1,000円+税


浅井健一
オフィシャルサイト
Twitter

BLOOD SHIFT TOUR 2019ファイナルに見た、浅井健一の「今」はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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