s**t kingzがあなたに届ける、少し早
いクリスマスの贈り物 —— 『メリー
オドリマX’mas』を語る

shoji、kazuki、Oguri、NOPPOからなる4人組ダンスパフォーマンスグループs**t kingz(シット・キングス)は、ダンサーやコレオグラファーとして国内外の著名アーティストに関わるだけでなく、ダンスパフォーマンスでの音楽番組や野外フェス出演、さまざまな企業とのタイアップ、オリジナルアルバムや絵本の発表など、「ダンス」の概念を次々と覆す幅広い活動で注目を集め続けている。彼らが活動の主軸のひとつとしているのは、ダンスパフォーマンスグループとしてはまだ珍しい単独公演の制作・上演で、ダンスのみで物語を紡ぐ「無言芝居」や、バンドセットでのビルボードライブ公演を全国各地で行い、人気を博している。そんなs**t kingzが2019年の最後に打ち出すのは新感覚の「ダンスライブ」、その名も『メリーオドリマX’ mas』! 今回のインタビューでは4人に今だから明かすことのできるクリスマスエピソードを交えながら、この公演に向けた思いを聞いた。

s**t kingz
——これまでにダンスを用いたさまざまな単独公演を制作されているs**t kingzですが、12月にダンスライブ『メリーオドリマX’ mas』が上演されるということですが、開催のキッカケを教えてください。
Oguri : 一昨年の冬に、大阪と東京のビルボードライブで 単独公演をさせていただいたんですが、またあんなふうにバンドの皆さんと一緒にパフォーマンスしたいなとずっと思っていて。ある時、まだクリスマスが近くない時期にふとクリスマスソングを耳にして、「クリスマスシーズンにバンドセットの公演がしたいな」と思い、当時、s**t kingzがやっていたラジオのレギュラー番組でぽろりと話したのが発端です。
——不意にクリスマスソングを聴いたのがキッカケだったのですね。皆さんにはお気に入りのクリスマスソングはありますか?
Oguri : 定番の「Have Yourself A Merry Little Christmas」が好きです。僕がこれを好きになったキッカケは、s**t kingzとして出演させていただいたBoAちゃんのクリスマスライブでした。BoAちゃんがこの曲を歌っているのを観て「改めて良い曲だな」と気づかされました。
shoji : 僕はボーイズ・II・メンのクリスマスアルバム『Christmas Interpretations』に入っている「Silent Night」が好きです。アカペラなんですけど、曲が始まって気持ちよ〜く聴いていたら、途中一人だけめちゃくちゃ声の低い人が登場して「低っ!」と突っ込んじゃう(笑)。

shoji(s**t kingz)

kazuki : 僕は、過去に一度だけクリスマスソングに振付をつけて、(ダンスの)生徒たちに教えてイベントで披露したことがあるんですけど、それがクリス・ブラウンがカヴァーした「This Christmas」でした。クリス・ブラウンが今ほどギラギラしていなくて、あどけなかった頃の曲なんです。あのイベントは6〜7年前かな?
Oguri : 観に行った記憶があるんだけど、もっと前じゃない?
kazuki : そうかな?20〜30人くらいの大所帯で踊ったんですけど……。
Oguri : いや、もっと少なくなかった? 会場が(麻布十番にある)WHEREHOUSEだったもん。
Kazuki : いいじゃん! 俺の記憶で語らせてくれよ!(笑)

kazuki(s**t kingz)

——ははは(笑)。「記憶」に関連して、今だから話せるクリスマスの思い出があれば教えてください。
NOPPO : 小学校5〜6年生くらいの頃、サンタさんに「スーパーファミコンが欲しい」とお願いしたんです。すごく楽しみにしていたんですが、12月25日の朝方にぱっと目覚めてしまったんですよ。その時、ちょうど親が僕の足元にプレゼントをセッティングしている最中だったので、子ども心に「起きちゃだめなやつだ」と気づいて寝たフリをしました(笑)。
kazuki : 僕は幼い頃、サンタさんへの手紙に欲しいものを書いていったん置いていたんですけど、クリスマスの直前に欲しいものを書き換えたんです。それが何だったかは詳しく覚えてないんですけど、楽しみに待ちながら25日の朝起きたら、書き換える前のプレゼントが届いていて大泣きしちゃって。数年後、サンタさんの正体が自分の親だったと気づいて、幼い頃に泣いた自分を責めました……(笑)。
shoji : 僕は学生時代に、おもちゃ屋さんのサービスカウンターでアルバイトをしていたんですが、クリスマス前はもちろんのこと、12月25日の朝も大忙しなんです。なぜかというと、プレゼントを開けたらおもちゃがうまく動かなくて、親御さんがクレームを言いに来るんです……。「サンタクロースが不良品持って来るわけないだろ!!」と大激怒されるので、僕らは「申し訳ございません!」とひたすら頭を下げて。中にはただ電池を入れていなかっただけで商品には問題がない場合もあるんですが、「電池は別売りだなんて聞いてねーよ!」と言われてまた謝って……3〜4年くらい勤めていたんですが、毎年12月25日の朝は出勤するのが憂鬱でした(笑)。今となっては良い思い出なんですけどね!
——おもちゃ屋さんで働かれていたとは!そんなshojiさんにはお子さんがいらっしゃるので、今やサンタクロース側の立場ですね…?
shoji : いや、サンタクロースは本当にいますよ!!
kazuki : 話の矛盾がすごい!(笑) この記事、袋とじにしてもらう?
Oguri : ウェブに掲載されるから、パスワードを設定するのは?
NOPPO : キッズが見ないように年齢制限しなきゃ!
NOPPO(s**t kingz)
——子どもたちの目には触れないことを願います(笑)。さて、12月に東京と大阪で行われる『メリーオドリマX’ mas』ですが、定期的に上演されるダンスだけで物語を展開する「無言芝居」と、今回の「ダンスライブ」にはどのような違いがありますか?
shoji : 「無言芝居」は2年に一度上演してるんですが、今回はもっとシンプルに「s**t kingzのダンスを全部見せます」というスタンスで、楽しいものからオトナなセクシーなものまでお届けしようと思っています。ライブ全体がいくつかのセクションに分かれていて、披露する曲目も決まったんですが、それぞれのセクションの楽しみ方がお客さんにわかりやすく伝わるように構成しています。
Oguri : 「ダンスライブ」と銘打っているのは、お客さんとの距離をもっと縮めたいからです。無言芝居などの「舞台」では僕らが作り込んだものをお客さんたちが観に来てくださいますが、ダンスライブでは客席とステージが同じ世界観の中でダンスと音楽を一緒に楽しめたらいいなと思います。
NOPPO : 僕らをよく知ってくれている方々にも「シッキンが新しいことにチャレンジしてる!」と思ってもらえるはずですし、「舞台」を超える一体感で、初めて観てくださる方も参加できるように工夫していますよ。
——楽しみです。s**t kingzとして4人で制作する過程で、役割分担などはありますか?
shoji : 分担するのではなく全体を全員で一緒に作るので、リハーサルスタジオにみんなで入って、曲を聴きながら案を出し合います。
Oguri : 誰が初めに意見を言い出すのかお互いに様子を伺っちゃうときがあるので、そういうときは我慢できずに僕が言っちゃいます(笑)。
kazuki : Oguriが先陣を切ることは多いですが、最終的には全員のアイデアが随所に反映されてパフォーマンスが出来上がります。

Oguri(s**t kingz)

——4人の経験とアイデアを持ってしても、制作が行き詰まってしまうことはありますか?
shoji : それが、あるんですよ。10月中旬にシンガポールで20分くらいのショーケースをしたのですが、その内容を決めるのにも、振付・構成をつけるのにも時間がかかりました。11月に放送された27時間テレビのグランドフィナーレでは、ダンス部強豪校の現役の生徒たちが局内を踊り繋ぐパフォーマンスとダンス未経験の先生たちが踊るパフォーマンスを僕たちで手がけさせていただいたのですが、それはもう超大作で。色んなプロジェクトの制作時期が重なると大変です。でも、そういうときは1つのことを考えすぎて頭を抱えずに、いい具合に気持ちを切り替えながら進めることができました。
——どうしても作業が進まなくなってしまったときの、リフレッシュ方法はありますか?
NOPPO : 一人でスタジオに入って振付を考えながら、「これ以上悩んだら、この曲が苦手になっちゃいそう!」というくらいまで追い詰められたら、大好きな曲をかけて踊って心も体もリフレッシュします。最近のお気に入りはRickie-Gさんの「MIROKU」で、韻シスト鎮座DOPENESSなどが参加している曲なんですけどめちゃくちゃかっこいいです。あと、今年はRADWIMPSの「そっけない」にドはまりして、踊るわけではないんですが聴きまくっています。
——音楽以外の何かで気分転換しているという方はいらっしゃいますか?
Oguri : 僕のリフレッシュ方法は……食べる! 悩みすぎてネガティブにならないように、好きなものを食べて幸せを噛み締めながら「楽しんでやらなきゃ!」と気持ちをリセットします。パンが好きなんですけど、特にウィンナーが挟まっているパンはついつい買っちゃいます。
shoji : でも最近のOguriは食への意識が高いから、ナッツしか食べないじゃん!
NOPPO : たしかに、変な容器に入れて持ち歩いてるし!
Oguri : そうですね、ナッツも食べます(笑)。
——Oguriさんの貴重な食の好みが聞けました!お話は『メリーオドリマX’ mas』に戻りますが、先日大阪公演の会場であるCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールを下見されたそうですね。
kazuki : はい、行ってきました。今年開業したばかりの会場だと聞いていたので楽しみにしていたのですが、実際に見てみて最新の劇場だなと感じました。客席は1階席のみで後方にかけてなだらかに高くなっているので、どの席に座ってもステージを観やすいし、ステージからもお客さんの顔が見やすい構造でした。良いコミュニケーションが取れそうです!
——そんな素敵な場所で行われるダンスライブを筆頭に、今後もs**t kingzがダンスを元に生み出してくれる多彩なエンターテイメントから目が離せません。
shoji : 来年にs**t kingzの新作舞台を上演することはすでに発表させていただいて、それに向けて動き始めているので、今までになかったアイデアを出し合いながら、s**t kingzにとっての新境地になるような公演を作りたいと思っています。ダンスは、踊るにしても観るにしてもまだ敷居が高いものかもしれませんが、僕らはたくさんの人たちに豊富な切り口からダンスの楽しみかたを提案したいです。今後はもっとみんなが参加して「踊れる」という面白いアプローチをしたいです。
kazuki : 僕らはダンスチームですが、絵本を発表したりコラボレーションやタイアップをしたりと、幅広い結びつきを楽しみ始めたところです。来年以降も大小に関わらずさまざまなものと結びつきながら、色んな姿を見せていきたいです。そして、s**t kingzの軸である単独の舞台やダンスライブも作り続けます。これからもダンスを通じた沢山の出会いを楽しみにしています。
s**t kingz
取材・文=Natsumi.K 撮影=河上良

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