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【Suara インタビュー】
新たな物語の始まりに、
間口を広げたニューシングル

1年2カ月振りのシングル「天命の傀儡(マリオネット)」は、Suaraが長年タイアップしてきた『うたわれるもの』最新作の主題歌。“和”の要素が強かった従来の世界観から一転、新たに“洋”のムードを押し出して、まだ見ぬリスナーへと、その手を伸ばしている。

1度きりしかない人生で、
与えられた天命をまっとうしたい

ゲームにアニメと主題歌を担当されてきた『うたわれるもの』シリーズですが、なんと今回の『うたわれるもの ロストフラグ』で、ついにスマートフォン向けゲームアプリに進出するそうですね。

おかげで触れてくれる人の間口が広がるんじゃないかなと。新しいキャラクターの登場や、これまでのシリーズとは設定も異なる新しいゲームらしいので、すごくワクワク感もありました。

物語が新しいからこそ、従来通りSuaraさんが主題歌を歌われるというのは、シリーズの統一性を図るという意味でも大きなことだと思います。

そこを一貫して歌わせていただけているというのはとても嬉しいですね。やっぱり『うたわれるもの』ですから、人の運命だとか世の理というものがベースになっていることに変わりはないのかなと。“天命の傀儡(マリオネット)”という主題歌のタイトルが表すように、この曲では操る者と操られる者の関係性を深く描いていて、そこは『うたわれるもの』の大きなストーリーともリンクするものになっていると思います。

高みにいる神と、その神が創りし種族ですね。その神に与えられた天命をどう受け止めていくのかという、これまでの『うたわれるもの』の曲の中でもかなり根本的なところに切り込んだテーマになっていますが、どんな想いで歌われました?

ここ最近、私自身が“今の人生をまっとうしたい!”ということを考えている時期だったので、自分に置き替えながら歌いました。先祖代々DNAに受け継がれ、刻み込まれてきたものに自分の人生は導かれているのか、それとも自分で切り開いてきたものなのか、そのとらえ方は人それぞれでしょうけど、この1度きりしかない人生で与えられた天命を…使命をまっとうしたい。今、そんなふうに強く感じているんです。

人生を天命に従っているだけのものととらえると虚しさもあるけど、かと言って自分の力だけで切り開いているわけではないということは、生きる年月を重ねるうちに実感するようになりません?

そうなんです! 例えば私の場合、歌手になりたいという夢を追い求めて努力してきたという点では、自分で人生を切り開いてきた実感があるけど、歌手になって『うたわれるもの』のように長く続くシリーズの一端を担わせてもらえるようになったのは、ひとつの天命なのかなと思いますからね。そこもまっとうしたいことのひとつで、そういったことを考えていたタイミングにこの曲をいただいたんです。

すごい偶然! それも導かれた天命なのかもしれませんね。

だから、レコーディングでもわりとすんなり表現できました。特に気持ちが入ったのがサビの部分で、この歌の主人公は天命を疑わず、逆らわず、従おう、受け入れようと思いつつも、そんな逃れられない天命を書き替えることができたら…という複雑な想いも垣間見せているんです。自分の力の及ばない天命に操られ、踊らされていて、でも、それがちょっと気持ち良いみたいなイメージを感じたので、その辺りを歌でも表現できたらいいなと。

そういった壮大なテーマに相応しく、サウンドも相変わらず荘厳で、天から声が降ってくるようでした。

メロディーもすごく素敵で、最初に聴いた時から“早く歌いたい!”って待ち切れなかったですね。実際、7月に先行配信が始まった直後に出させてもらったイベントで初披露した時も、すごくライヴ映えする曲だと思いました。ただ、今までの『うたわれるもの』の曲って音楽的には和なイメージが強くて、前作の「理燃-コトワリ-」(2018年9月発表の14thシングル)も和とユーロビートの融合だったのに、今回は洋風のカラーも入っていると感じました。タイトルの“傀儡”を“マリオネット”と読ませたり…そもそもゲームアプリのタイトルに“ロストフラグ”と英語のサブタイトルが付いているのも初めてですからね。そこがまた新しいゲームの世界というものを彷彿させるし、今まで触れたことのない方も触れやすい作品になっているんじゃないかなって。

ピアノ始まりですし、北欧っぽい音のイメージはありました。MVもヨーロッパの森を彷彿させるような世界観ですし。

MVは特に「うたわれ」の世界観を意識せずに制作しました。曲調や天命に操られるというイメージから衣装も魔女のような感じにして。“操る者=傀儡師”の相方としてメンフクロウさんにも出演していただきました(笑)。ただ、海外で生まれてすぐに日本に来て、普段は原宿で過ごしていらっしゃるらしく、森に来るのは初めてだったそうなんですよ。なので、上手く飛べるのかっていう不安はあったんですけど、フクロウって夜行性で普段あまり人目に触れる機会がない分、すごくミステリアスで映像映えしてると思います。

不安を覆す見事なフライングでしたよ。MVのミステリアスな雰囲気がとても良かったので、ライヴでも背後に大型モニターを設置するとか、プロジェクションマッピングとか、何か映像的な演出が入ったら素敵なんじゃないかと想像が膨らみます。

あー! そういう機会があれば面白いですね(笑)。
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OKMusic編集部

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