長谷川白紙『エアにに』レビュー 自
分の幸せと愉楽は自分で作ろうと思う

長谷川白紙が1stアルバム『エアにに』をリリースした。すでに各所でその破格の作品性については多くが語られている。筆者は前作にあたる2018年12月にリリースされた初CD作品『草木萌動』が最初の出会いだったが、ビートの特異性や日本のボカロ文化のコンテキストなどを直感する前に、彼の音楽にまるで人体(血管や骨や神経系が緻密にデザインされている)様子や、それが生き生きと動く体感、つまりフィジカルな魅力に取り憑かれた者のひとりだ。個人的な体感でいうとヨガで息を深く吐くことでより身体が柔軟に可動域を広げる感覚など、意識と肉体の連動を実感した時に似た快感を覚えた。それが長谷川白紙の場合、肉体の外にあるピアノなりコンピュータなり、自分の身体以外ともコミットして、音楽へと連動させたことによって、広がる全能感――しかしそれに彼自身は耽溺していない冷静さも感じた。そんな彼が、約1年ぶりに新作をリリースするということは、ある種、生物としての新たな可能性を聴くような心持ちなのだ。
ともあれ、2020年を待たずに世に放たれた『エアにに』、魂の自由は自分で切り開けるのかも?と思うには十分なパワーを持っている。
長谷川白紙『エアにに』レビュー 自分の幸せと愉楽は自分で作ろうと思うはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

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