アーノルド・シュワルツェネッガー(左)とリンダ・ハミルトン

アーノルド・シュワルツェネッガー(左)とリンダ・ハミルトン

【インタビュー】映画『ターミネータ
ー:ニュー・フェイト』アーノルド・
シュワルツェネッガー、リンダ・ハミ
ルトン「これで終わりだと思っていま
す」

 サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)とT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)の活躍により、30億人の人命が奪われる審判の日は回避されたはずだった…。だが、再び新たな脅威が現れ、人類は危機を迎える。その時、サラとT-800が再び姿を現す。『ターミネーター2』(91)の正統な続編として製作された『ターミネーター:ニュー・フェイト』が11月8日から公開される。公開を前に来日したシュワルツェネッガーとハミルトンに話を聞いた。
-お二人にとって『ターミネーター』シリーズとはどのようなものでしょうか。また、今回、久しぶりに同じキャラクターを演じるに当たって、何か決め手となったことはありましたか。
リンダ 最初の『ターミネーター』(84)に関わったときは、まさかこのキャラクターと35年も付き合うことになるとは誰も思っていませんでした。ですが、今から思えば、サラ・コナーを演じたことで、その後の私の人生が決まったと言っても過言ではないと思います。『ターミネーター2』から28年たって、もうサラに戻ることはないと思っていましたが、その間、彼女は何をしていたのだろう、どこにいたのだろう、どのように変わったのだろう、ということに興味を持ちました。今のサラは…という好奇心から演じることにしました。
アーノルド 『ターミネーター』シリーズは、自分のキャリアや人生にとって、とても重要なものです。今リンダが言ったように、最初の『ターミネーター』は低予算で作られたアクションムービーだったので、誰もそれ以上のものになるとは思っていませんでした。ところが、ジェームズ・キャメロンの監督術と脚本が素晴らしかったので、公開後はタイム誌のベストテンに選出されるなど、批評家からも絶賛され、ただのアクション映画を超えたことを証明しました。また、タイムトラベルや未来についてなど、人々にいろいろなことを考えさせる要素もあり、それが成功につながったとも思います。1作目に出た後、ハリウッドの多くのアクション映画から私にオファーが来ましたし、2作目ではさらに高みに上ることができました。ですから、これに関われたことはとても幸運だったと思っていますし、多くの人々を楽しませることができたことを大変うれしく思っています。
-記者会見では「ターミネーター(T-800)を演じるのは今回が最後」と語っていましたが…。
アーノルド 毎回「これで終わりだ」と思っていますし、実際に劇中では何度も死んでいます。でも、また演じるかについては、観客の皆さん次第だと思います。ただ、私としては、この物語はこれで終わりだと思いますが、もしかしたら、100年後に私の墓から骸骨を出して使うかもしれませんね(笑)。
-では、サラの戦いはまだまだ続くのでしょうか。
リンダ はー(ため息)。そうなんですか? アーノルドがいなかったら、多分私はやりたいとは思わないでしょう。私も「これで終わり」だと思っていますが、観客のリクエストがあれば、仕方ないのかな…と(笑)。
-今回のサラの初登場シーンを見てどう感じましたか。
リンダ 私は自分を見るのが嫌なんです。本当に見たくないんです(笑)。なので、客席で「サラ、行け!」なんて絶対に言いません。強い役柄を演じるのはとても楽しいのですが、見るのは楽しくありません。
アーノルド あのシーンを撮影しているとき、私は手術後で、自宅で静養していました。ところが、ティム・ミラー監督から、全くコメントなしで、あのシーンの映像が送られてきました。それを見て、「すごい。戻ってきたな」と思って興奮しました。リンダの自信のある表情も、武器の扱い方もとてもいいと思いました。その後、実際に自分がセットに入って彼女を見たときに、1年を懸けて体作りやトレーニングに励んだ跡がうかがえました。彼女は完璧主義者なので、どれほど努力したかが分かりますし、女性のアクションヒーローの基準をさらに上げたと思いました。91年に『ターミネーター2』で彼女が成し遂げたときには、「もうこれ以上はできないだろう」と思ったのに、今回、さらにその上をいったのを目撃して、とても感動しました。
-今回は「亡くなった息子の写真は一枚もない」と語るシーンのサラの母としての悲しみや、決して人間にはなれないターミネーターの切なさが印象に残りました。
リンダ 私は、自分が演じるキャラクターには強さも弱さもある方が、人間的で興味深いと思います。あのシーンを演じるに当たって、私は自分の内面にある、一番悲しく暗い心を掘り下げていきました。あのシーンを撮ったときは、座ったまま5時間ずっと泣いていました。自分の心の奥の悲しみを突き止めたからです。これが私の仕事です(笑)。
アーノルド 私も、自分が演じるキャラクターの今回の変化は素晴らしいと思いました。ある瞬間はマシンであり、またある瞬間は人間のような心も持っているというキャラクターを演じるのは楽しかったです。特に、サラがT-800の家を訪れたときに、彼が自分が何をしたのかを理解するシーンは印象に残っています。彼は自分が子どもを育てて学んだことから、サラから何を奪ったのかを理解し、本来、マシンにはない痛みのようなものを感じるからです。
-では、最後に日本の観客に向けて一言お願いします。
アーノルド この映画は、ジェームズ・キャメロンが新しいストーリーを考え、素晴らしい作家たちと共に脚本を書き、それを監督のティム・ミラーがまとめてくれました。この映画は、ミラー監督が個々の俳優の演技を深く理解し、必要なスタントやアクション、またVXFに関しても、深い理解を持っていたことで実現しました。監督のみならず、私たちみんなが誇りに思うような作品になりました。皆さんにも、ぜひご覧になっていただきたいです。
(取材・文・写真/田中雄二)

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