しゅーず、感謝の気持ちを届けた10周
年記念ライブ センラ&luzとのコラ
ボも披露

Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-

2019.10.26 Zepp Tokyo
今年で活動10周年の節目を迎える男性シンガー・しゅーずが、『Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-』と題し、10月26日に東京・Zepp Tokyoにてワンマンライブを開催。彼の持ち味である艶やかな歌声はもちろん、エモーショナルなダンスパフォーマンスや撮り下ろしの映像演出、luzとセンラ(浦島坂田船)を迎えての豪華コラボなども交え、色彩豊かで特別な時間を味わわせてくれた。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-
8月にリリースされたフルアルバム『DEEPEST』のリード曲「Highway Lover」のMVを使った、しゅーずが深夜の首都高で車を走らせるオープニングムービー。ハンドルを握る姿にしても、タバコの煙をくゆらせる姿にしても、オトナな色気にドキドキしてしまう。そして、赤が鮮やかなジャケットをまとってステージに現れ、バンドを従えて歌い始めた1曲目は「Highway Lover」だ。柔らかで巧みなファルセットやフェイクといい、“2番手の女性”が抱える複雑な心模様を描き出すその歌声から“逃げだそうなんて無理じゃん”と、あらためて思い知らされる。アップテンポな「セカンド・キス」や「夏蜘蛛」では地声から裏声へのきれいなつなぎも見事だ。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-

Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-

「本日はお日柄もよく、晴れ男の僕、絶好調です!(笑) これまでもZepp Tokyoのステージに立ったことはあるんですが、まさかひとりで立つことになるなんて夢にも思わず……みなさんのおかげです!」
歌っているときとはまるで別人のような、柔和で気取らない表情と語り口。そのギャップにも惹かれてしまう。
恋を失って、それでも強くあろうとする「私が髪を切った理由」。やるせない一方通行な恋でも、健気に相手を想い続ける「U」。女心をこんなにも情感豊かに歌で表現できる男性シンガーが、ほかにどれだけいるだろうか。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-
「このライブにはやりたいことが詰まっていて……ここからは、みなさんお待ちかね、スペシャルゲストの登場です!」
しゅーずの言葉を受け、「シークレットシーグラス」でステージに現れたのはセンラだ。向かい合って歌声を重ねたりかけ合ったり、背中合わせに歌ったり。イベントで何度もコラボをしてきている2人だが、同じく艶っぽい歌声を持つ者同士、初めて一緒に制作したという曲に相性の良さがよく映えて、とても耳心地がいい。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-
背中合わせになっての歌い出しから、交互に相手をうしろから抱きしめたり、ゼロ距離で向き合ったりと、「ミックスジュース」で濃密な絡みを見せたのはしゅーずとluz。luzがオーガナイザーを務める『XYZ TOUR』など、やはりライブで何度もコラボしている2人だが、まさに“まぜないで”な刺激の強いオリジナル曲には、とんでもない中毒性がある。
さらに、しゅーず、センラ、luzの3人で歌った「キャンディアイス・テンプテーション」は、コラボ動画が公開されたばかりのナンバー。このライブで初披露にもかかわらず、早くも“Candy ice”と大きくコールするオーディエンスはさすがだ。“トびそうな快感”の中、“僕達から逃げらんない”と歌う3人の“虜”にならない人などいない。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-
ところが、3人で話し始めると一気にゆる~くなってしまう。「“XYZ TOUR”での出会いが縁で10周年記念ライブに呼んでいただいてうれしいです!」と笑顔を見せつつ、「なんでもできるしゅーずくんだけど、ひとつだけヘタなことがあって……それは自撮り!(笑)」と言い出したのはluz。luzが自分のスマホを持ち出すと、自分が2人を撮ろうとしてしゅーずが手を出し、「いやいや、主役だから! 自分も映って!(笑)」とつっこむセンラ。挙句に、やっと3人で横並びになり、客席を背景にluzがシャッターボタンを押そうとしたその瞬間、なんと電池切れに。「まさかこのタイミングで……」「じゃあ、のちほどということで……」と笑うしゅーずとセンラ、「すいません……」と恐縮しきりなluz、というなんとも言えない一幕もあった(笑)。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-
道ならぬ恋に揺れ、“2番手の女性”を翻弄する罪な男性をしゅーずが演じる姿も見られたスペシャルムービーをはさみ、「D!VE」からはダンスナンバーを連打。女性ダンサー2名を従え、シルバーのロングトップスをなびかせながらしなやかに踊るその姿から、目が離せない。
がっつりEDMで扇情的な「Love Me If You Can」「KILLER B」「P!NK CAT」と昂らせて、「次で最後の曲。盛り上がれるか!?」と「マンティス▽クライシス」へ。ステージを右に左に躍動しながら歌うしゅーずが“イタダキマス”のウィスパーボイスで沸かせたり、ステージ両サイドから一瞬だけ出てきたセンラとluzが“ゴチソウサマ”で手を合わせお辞儀したり、本編最後まで見どころだらけ。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-
オフィシャルグッズのミニフラッグを振りながら歌った「キャットアイメイク」で始まったアンコールでは、Nissy(西島隆弘)の「トリコ」、椎名林檎の「丸の内サディスティック」と、J-POPナンバーも彼らしくカバー。「トリコ」ではオーディエンスのコールも完璧で、しゅーずも思わず「すげーじゃん!」とうれしそうな笑顔。さらには、しゅーずの手招きでピンクのツアーTシャツを着たセンラ、luzも加わってダンスして、歌詞に合わせて見つめ合ったり手を取り合ったり。この日のために踊りを覚えてきたという2人、センラは浦島坂田船の一員だけあってダンスも堂に入っているし、luzはカリスマティックな歌う姿とはまた違ったあやふやな動きも愛くるしい。そんな2人を、「大好き、ありがとう、愛してる!」と見送ったしゅーず。本当に、素敵な関係性だ。
Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-
「10年前の10月21日午前3時10分に初投稿して、最初は10人くらいがマイリストに入れてくれたらいいくらいで。それがこんなことになろうとは。10年続けてこれたのは、聴いてくださる方がいたからです。本当にありがとうございます」
「10年間、本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします!」
感謝の言葉を幾度も伝え、最後に歌ったのは「愛言葉III」。「ありがとう」の気持ちを込めたその歌声は、しっかりとこの胸にも届いた。
ていねいに真摯に歌とリスナーに向き合い続けるしゅーず。純粋だからこその美しく艶やかな歌声を、この先もずっと響かせてほしい。

文=杉江優花 撮影=小松陽祐[ODD JOB]

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