ももすももす

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【ももすももす インタビュー】
人間ってひとりじゃ
生きていけないし、
曲もひとりきりでは作れない

今年2月にメジャデビューしたももすももすから、2ndシングル「アネクドット」が到着! 彼女の音楽を聴いていると、異世界へと連れ出してくれるような不思議な感覚と、自分の中にある頑固さや弱々しい部分に寄り添う親近感が混ざり合って、どんどんと引き込まれていく。その掴めそうで掴めない魅力は今作でも健全だ。

“現実から逃れたい”と思いながら
音楽を作る時がある

今年の2月にデビューシングル「木馬」を発売して以降、7月からFM OH!でラジオのレギュラー番組『ももすももす伝!』が始まったり、Twitterでは随筆『徒然水』を連載したりと、定期的に何かを発信する機会が増えてきてますよね。

自分の中に何が入っているのかを再確認することが増えました。“こんなのが入ってるんだ!?”って発見もあれば、“ここには何も入ってないんだ”ってショックを受けることもあったり。自分を見つめ直す機会が増えたので、もっといろんなものを入れようって思ってます。『ももすももす伝!』では毎回新コーナーを作ってるので、自分がどこまで発想できるのかっていう挑戦にもなっています。ひたすら悪魔について考える“悪魔伝”っていう回があったり、徳島で買ったガチャガチャの小さな三味線のキットを実況しながら作ったりして楽しいです。

楽曲制作に影響があったりも?

“悪魔の曲を作ってみるのもいいかも”と思ったりはしました。でも、曲には内面的なことを書くことが多いので、そういう具体的なことをテーマにするのはもっと先かなって。

2ndシングル「アネクドット」はアニメ『旗揚!けものみち』のエンディング・テーマとして書き下ろされた楽曲ですが、アニメはプロレスラーがペットショップを経営するっていうかなりユニークな内容で。

アニメにはプロレスラーと獣たちの他に獣人も出てくるんですけど、私も“現実から逃れたい”って思いながら曲を作る時があって、非現実的なものへの愛は強いので、タイアップのお話をいただいた時はすごく嬉しかったです。「アネクドット」を作る時に“このアニメの中に入りたい”って気持ちもあったんですけど、作品へのリスペクトもあるから私が入るのは違うと思って、『旗揚!けものみち』の世界を外側から見た時の気持ちで作っていきました。

作る時にエンディングで流れる部分は意識されました?

今回が初めての書き下ろしだったので、そういうのをまったく知らずに作っちゃったんです(笑)。でも、作り終わったあとに調整したら決まっていた秒数にぴったりはまって、自然と合うものに作れたので“これは巡り合わせだ!”って嬉しくなりました。

普段の曲作りと違った部分は?

いつもの曲作りも自分以外に他者がいることが多いので、今回はその他者が『旗揚!けものみち』だったから、特に大きな変化はありませんでした。その他者っていうのは必ずしも人ではなくて、動物だったり、自分の経験を指す時もあれば、物の時もあって。人間ってひとりじゃ生きていけないと思うんですけど、曲を作る時もそれと同じ感覚なんです。

この曲を聴いて改めて思ったのが、ももすさんの曲は短いフレーズをつなぎ合わせているというか、一曲の中にさまざまな一瞬が閉じ込められているなと。

たまに曲を書いている時に“これは模様を描いているんじゃないか”って思う時があります。あと、いろいろな部品を使って複雑な建造物を建築しているような感じ。『徒然水』には“これは曲にしたくないけど取っておきたい”って思ったものを投稿したりしてて、建築した時の廃材を片付ける場所っていう感じだったんですけど、最近は自分の文章を見るのが辛くなってきて…また廃材が溜まったら始めようかなって。

どうして辛くなってしまったんですか?

どうしてですかね。半年前まで雨の音が嫌いだったのに、急に好きになったんですよ。もしかしたらそれと引き換えに、自分の言葉がちょっと嫌になっちゃったのかも(笑)。

えぇ! そんなことがあるんですか!?

ちょうど嫌になるタイミングと一緒だったから、私の中ではつながっているんです。困ってます(笑)。
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シングル「アネクドット」

OKMusic編集部

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