パリ・オペラ座バレエ団、3年ぶりに
来日 2020年日本公演で『ジゼル』『
オネーギン』を上演

輝かしい歴史と洗練された舞台でバレエ界に君臨するパリ・オペラ座バレエ団が、2020年、3年ぶりに来日することが決定した。
バレエを愛した国王ルイ14世によって創設されてから350年以上 、世界最古の歴史をもつパリ・オペラ座バレエ団は、ゆるぎない伝統と絶え間ない革新により世界のトップを走り続けている。
この最高峰のバレエ団は、カリスマ的なエトワールだったオレリー・デュポンが2017年に芸術監督に就任し、新たな時代を迎えている。デュポンが新たに抜擢し、育てつつあるエトワールや若手たちをともなって、彼女の就任後2度目の日本公演が東京文化会館にて、実現することになった。
今回の公演で上演されるのは、19世紀にパリ・オペラ座バレエ団によって初演されたロマンティック・バレエの名作『ジゼル』。そして、20世紀の物語、バレエの天才振付家ジョン・クランコが創作し、観客はもちろんダンサーたちが踊ることを夢見る傑作『オネーギン』。『オネーギン』は、クランコを創設者とするシュツットガルト・バレエ団以外の外来バレエ団によって日本で上演されるのは初めてとなる。
『ジゼル』全2幕
Photo: Svetlana Loboff/OnP
内気で病弱、でも踊ることが大好きな村娘のジゼルが恋に落ちたのは、じつは貴族の生活のしがらみから逃れてお忍びで村を訪れていた青年アルブレヒト。しかし青年の矛盾した背景が明らかになったとき、ジゼルの心は崩壊し、死を経て、彼女は異界の住人となってしまう。そこでジゼルとアルブレヒトを待っていたのは、魔性の精霊ウィリたちとの激しい葛藤のさだめだった……。
バレエ史に燦然と輝く名作『ジゼル』の初演の誉れを担ったのは19世紀の パリ・オペラ座。夢幻
の輪舞を踊りながら、夜の森を支配する魔性のウィリたちと、その仲間となりながらも 、なおも恋人を守るヒロインの至高の愛の物語は、ロマン主義作家ゴーティエの原案によるもの。
本作初演の名誉をになうパリ・オペラ座バレエ団では、長い間、“ジゼル”を踊ることができてこそ一人前のエトワールであるといわれ、彼らにとっては神聖な作品である。装置と衣裳はバレエ・リュス蘇演当時の伝統的でシンプルなもの。それゆえに踊り手の実力が明らかになる古典の舞台で、若きエトワールたちの競演を堪能しよう。
【あらすじ】
ぶどう栽培を営む村。母親とともに暮らす娘ジゼルは、ある若者──じつはシレジア公爵アルブレヒトと恋に落ちている。ジゼルは踊ることが何より好きだが、母親は心臓の弱いジゼルの体を心配し、「そんなに踊っていると、ウィリになってしまうよ」と言ってやめさせる。そんなとき、貴族の一行が狩の休息にやってくる。その中に婚約者バティルドの姿を見たアルブレヒトは身を隠すが、ジゼルを慕う森番ヒラリオンがアルブレヒトの正体をあばく。真実を知ったジゼルは正気を失って息絶える。
夜。妖気漂う森の中で、ウィリとなったジゼルが墓から現れる 。深い悔恨の思いで墓を訪れたアルブレヒトは、いまやジゼルの仲間である、魔性のウィリたちに捕まるが…。
『オネーギン』 全3幕
Photo: Julien Benhamo OnP
本作は、世界屈指のバレエ団がこぞって上演し、ダンサーたちが踊ることを夢見る、天才振付家ジョン・クランコによる奇跡のドラマティック・バレエ。舞台となるのは1820年代のロシアの、素朴な人々が暮らす田舎と、華やかな帝都ペテルブルク。ロシアの理想の女性と称えられる誠実なタチヤーナと、遅まきにその気高さに打たれる憂愁の貴公子オネーギンの悲劇的な恋のゆくえが、同名オペラとは別のチャイコフスキーの音楽にのせて描かれる。タチヤーナとオネーギンをめぐる出来事が、まるで映画を見るように流暢に進んでいくなか、現れるのは、全編の白眉ともいえる二つの鮮烈な場面──オネーギンを慕うタチヤーナの初恋の高まりを描く第1幕最後のパ・ド・ドゥと、二人のすれ違ってしまった恋の葛藤を表現する最終場のパ・ド・ドゥは、バレエ・ファンなら胸高鳴る、これぞドラマティック・バレエといえる名シーンとなっている。
Photo: Julien Benhamo OnP
芸術監督のデュポンが自慢する、伸び盛りの若手エトワールや、それにつづく期待の新星たちが魅せる舞台に期待しよう。
【あらすじ】
田舎の地主の娘タチヤーナは、帝都育ちの洗練された青年オネーギンに憧れ、恋文をしたためる。いっぽう若くして人生に飽いたオネーギンは一途なタチヤーナの愛を疎んじ、友人レンスキーをつまらぬ諍いから決闘で殺して失意のうちに去る。
数年後、将軍の妻となったタチヤーナとオネーギンが再会。オネーギンはタチヤーナの気高い美しさに心を打たれ、熱烈に求愛。しかし胸に恋心を残しながらも人妻としての矜持を失わないタチヤーナは、これを拒絶する。

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