首振りDolls、逹瑯(MUCC)、mio(ミオヤマザキ)、taka(ミオヤマザキ)

首振りDolls、逹瑯(MUCC)、mio(ミオヤマザキ)、taka(ミオヤマザキ)

首振りDolls、
マンスリーインタビュー第9弾は
対バンライヴに向けて
MUCC、ミオヤマザキと対談

10月29日に新木場STUDIO COASTで行われる『MUNETAKA Special Halloween Night』で共演するMUCCミオヤマザキ首振りDolls。この3バンドが対バンという形で顔を合わせるのは、2019年1月5日のイベントライヴ以来となる。第二次大戦となる新木場STUDIO COASTで三者は、一体どんな戦いを魅せてくれるのだろう? 音楽性の違う3バンドの戦いの中で、何処まで自分たちにしか出来ないロックを見せつけるのか!? MUCC逹瑯、ミオヤマザキのmio、taka、そして首振りDollsのナオ、ジョニー・ダイアモンド、ショーン・ホラーショーの鼎談をお楽しみください。

【マンスリーインタビュー】

■マンスリーインタビュー第1弾 https://okmusic.jp/news/323875
■マンスリーインタビュー第2弾 https://okmusic.jp/news/329571
■マンスリーインタビュー第3弾 https://okmusic.jp/news/335318
■マンスリーインタビュー第4弾 https://okmusic.jp/news/339258
■マンスリーインタビュー第5弾 https://okmusic.jp/news/343414
■マンスリーインタビュー第6弾 https://okmusic.jp/news/347907
■マンスリーインタビュー第7弾 https://okmusic.jp/news/351762
■マンスリーインタビュー第8弾 https://okmusic.jp/news/356115

首振りDollsのお客さんは、
きっと情念に共感してくれてる(ナオ)

逹瑯:つか、はぇ〜よ。時間が。朝から対談って(※取材時間は朝の10時半からでした)。なんだってこんなに早く集合なわけよ。車だと時間読めないから朝8時に起きて早めに出たから、めちゃくちゃ早く着いちゃったし。

――さすが時間に正確な男・逹瑯! ワタクシ、前回のアンナ(土屋アンナ)との対談のとき、余裕を持って出たのに渋滞にハマり、40分遅刻し……その反省を活かして朝7時前に出て来たからね。
逹瑯:土屋アンナさん40分待たせるってあり得ないから! でもね、いや、ホント、東京のラッシュ渋滞は甘く見ちゃいけないからね。
ナオ:初対面で40分放置されたから、めちゃくちゃ緊張しながらお話して待ってたんです!
逹瑯:何話すのよ初対面で40分間放置されて! めちゃくちゃ困ったでしょ!
ナオ:11月5日に土屋アンナさんと対バンさせて頂くんですけど(※下北沢251『WHO KILLS BAMBI〜』土屋アンナ×首振りDolls』)、その話はインタビューでするからしちゃダメだなと思って、他愛もない世間話を……。
逹瑯:土屋アンナと世間話!?(笑) 

――サメの生き方とか教えてもらってたりね(笑)。
逹瑯:サメの生き方!? 何それ!(笑) なんなの? サメって一匹ずつ生き方違うの?(笑) サメとしての生き方がそれぞれにあるってことでしょ?
taka:サメの生態の話じゃなくてですか?
逹瑯:サメの生き方ってんだから“生態”ではないだろ。“生き方”なんじゃねぇの? ようするに、“百獣の王として生きろ!”っていうやつでしょ。

――あるんじゃないの? 生き物にも“性格”が。犬とか猫でもあるでしょ。人見知りだったり、人懐こかったり。テト(逹瑯の飼っている猫)も性格あるでしょ?
逹瑯:あるある。でもさ、そういう意味ではサメよりもシャチの方が生き方ありそうだよね。
ショーン・ホラーショー(以下▼ショーン):海のギャング、シャチ!
逹瑯:ちゃんと考えて生きてる気がするよシャチは。だってさ、アイツら、食べるわけじゃないのにアザラシを振り回して遊んだりするでしょ。あれなんかは完璧に遊んでるわけじゃん。
ショーン:海のギャング、シャチ!
逹瑯:ってことは、“遊ぶ”ってことを知ってるってことでしょ? それを生き方というのかどうかは知らんけど。サメってそういうことしなさそうじゃない? 遊び心はない気がするよね。でもさ、自然界の生き物は、ちゃんと腹が減った時にしか相手を殺さないでしょ。食べる目的じゃなきゃ殺さない。ちゃんと目的があることじゃないとしない。そこはすごいよね。

――そうよ。人間みたいに遊びでセックスしたりしないからね。
逹瑯:そうなの? でも、快楽というものを知ってしまったら分からないよね。だって、猿にオナニー教えたら、一生やってるって聞いたよ。

――知っちゃったんだね。
逹瑯:知っちゃったんだねぇ(笑)。
taka:なるほど! 知っちゃったんですね!
ナオ:でも、逆に動物の方が見境ないと思いますけどね。
逹瑯:まぁな。アイツら丸出しで歩いてっからな。“恥ずかしい”っていう感覚が無いんだろうから。って、いきなり何の話し!?

――あははは。いい感じね、ヌルッと始まる感じが(笑)。それぞれの出逢いは?
taka:ミオヤマザキと首振りDollsの出逢いは、R指定主催のイベントライヴでしたね。『メンヘラの集い』。
ナオ:そうだったね。その節はお世話になりました! 打ち上げも記憶がないほど呑んじゃったくらい楽しかった。
逹瑯:ミオヤマザキは分かるけど、首振りはメンヘラ枠なの!?
ナオ:首振りはメンヘラ枠というわけではないんですけどね。
逹瑯:だよな。サウンド的には男っぽいもんな。ガレージ系のロックンロールバンドだから。あんまメンヘラな印象ないなぁ。
ナオ:メンヘラ枠だとするなら一部の歌詞かなと。女の情念みたいなのを歌っている曲も多かったりするので。そういう曲をメンヘラさん達は喜んでくれてるみたいですけど。
逹瑯:ナオがオネエ言葉だしな。まぁ、たしかにメンヘラが共感するのは歌詞なんだろうからな。そもそも、男と女って脳みそが違う生き物だからさ。女子脳って共感で成り立つらしくて。“うんうん、分かる分かる!”っていう世界で。
mio:そうそう!(激しく同意)
逹瑯:男は解決をしようとするのよ。何か問題が起きたら、どう解決していこうかって、なんとか答えを出そうとするんだけど、女は何か問題が起きたら、答えを求めるよりは、“分かる分かる!”っていう共感が欲しい生き物なんだって。だから、自分が共感できる歌詞に惹かれるわけよ。
ナオ:そうそう。“分かる分かる社会”ですからね!
逹瑯:男のファンが多いバンドって、“こう生きろ!”って歌ってるでしょ。またね、共感の形が違うんだと思うよ。女脳は、“今、こう思ってる”への共感だから。
ナオ:なるほどなるほど。たしかに、納得かも! 確実に首振りDollsのメンヘラ枠のお客さんは、きっと情念に共感してくれてるんだろうなぁ。“こう生きろ!”っていう歌詞ないけど、首振りは男ファンも多いんですけど、首振りの男ファンのみんなは、純粋にサウンドで聴いてくれてるってことなのかな?
逹瑯:まぁそれもあるんだろうね。

――MUCCはどうなの?
逹瑯:俺はあんまりそこは考えて書いてないし、ウチは歌詞を書く人が何人も居るし、上がってきた曲にもよるけどね。男ファンも増えてきたね。MUCCの男ファンも歌詞より曲の感じとかライヴの雰囲気が好きなんじゃないかなって思うけどね。

――なるほどね。ミオヤマザキは?
mio:最近男ファン増えてきましたね。
taka:昔は8:2くらいでしたからね。
mio:やっぱり女の子ファンは歌詞が好きで、男ファンは曲が好きです。
逹瑯:男ファンはtakaのことも好きなんだよな(笑)!
taka:あははは。嬉しいことです!

――ジョニーも男ファン多いよね。
ジョニー・ダイアモンド(以下▼ジョニー):おじさんが多い。
一同:(爆笑)
ナオ:そうね、おじさん多いわよね〜。
逹瑯:いいことじゃん! おじさんファンって一回好きになったら絶対に離れないからね。
ナオ:たしかに! ジョニーのおじさんファン、長い人多いもん! 首振りDollsの音は古い感じだからね。ジョニーのギターもそういう感じだから、おじさんを虜にしてるんだと思う。
逹瑯:その世代にしたら懐かしいんだろうね。でも、それが今の若い人達には新しいんだと思うよ。音楽もファッションも12年周期だっていうからね。

――12年以上やってるバンドとしては、その周期をリアルに肌で感じたりするものだったりする?
逹瑯:感じる感じる。あれ? こういうサウンドってちょっと前に流行ったんじゃん。って感じるんだよね。でもさ、この歳になると、ちょっと前、が結構前だったりすんのよ。そんな感覚。きっと、世の中のヒットメーカーたちは、そんな周期も計算しながら作ってんだと思うよ。

――そうだろうね。この3バンドの中でお客さんの層が一番若いのはミオヤマザキだと思うけど、若い世代に響いている要因は何処にあると思う?
taka:ウチは、圧倒的にmioの歌詞だと思いますね。
mio:分かりやすい言葉とか、分かりやすいことを書いているからだと思う。

――ミオヤマザキのサウンドの傾向としては?
taka:その都度その都度、俺のやりたいと思った音楽をやってるって感じですね。でも、やっぱり一番大事にしているのはmioの歌詞なんで、mioから上がってきた歌詞を見て方向性を考えますね。とにかく量が半端ないんですよ。歌詞というか、ストーリーとして上がってくるから情報量が多いし、歌詞としては言葉が多過ぎたりもするから、3分とか4分に収まり切らなくて、そこは語りにしてもらったりとかもしているんですよ。
逹瑯:詞先なんだ! 珍しいね。曲先もあんの?
taka:たまにあるって感じですね。でも、歌詞と曲の雰囲気が必ず合ってるわけでもないんですよ。曲は歌詞に引っ張られ過ぎちゃいけないと思っていて。めちゃくちゃ暗い事を言ってるからといって必ずしも暗い曲じゃないといけないとは思っていなくて。
ナオ:なるほど。首振りDollsは、詞を先に書くってことはないかも。
ジョニー:たしかにないね。
逹瑯:俺、詞先にすると全部5・7・5になっちゃう。
一同:(爆笑)

――俳句!? 何故に!?
逹瑯:わかんない(笑)。なんか区切りいい感じで書いちゃうんだよね、逆に。

――意識しちゃうんだね。
逹瑯:そうそう。何処がAメロかなとか、この辺りサビかな? とか、変な事考えすぎちゃうんだよね。ない枠に嵌めようとしちゃうんだよね。
mio:分かります。だから、作文みたいに書いちゃって、後から嵌めていった方が楽なんです。
逹瑯:まぁでも、詞先ではないけど、この事柄について歌詞を書きたいな、って思いながら曲を作ることはあるけどね。歌いたいことのイメージを持ちながら曲を作るっていうか。“こういうタイプの曲作りたい”ではなく“こういうこと歌いたいから、こういう曲作りたい”っていう作り方。

――うんうん。イメージ的には歌詞先行って感じの作り方ってことね。mioちゃんは歌詞となる大元のストーリーを書いているときに、“こういう曲がいいな”っていう楽曲に対するイメージが頭の中に浮かんでいたりはするの?
mio:ないです。全く。歌詞を書いている時点で曲がこういうのがいいっていうのはないです。でも、何にもない状態でtakaに“今度こんな感じの曲歌ってみたい”っていうリクエストを出すことはあります。けど、その時点ではまったく歌詞となる言葉は私の中にはないです。
逹瑯:へぇ〜。じゃあ、歌詞が上がって、そこから曲を付けてってるときに、そこから微調整していくって感じなんだ。
taka:そうですそうです!

――首は?
一同:首!(笑)
ナオ:首! 省略し過ぎ!(笑) ジョニーが曲作るときはどういうところからイマジネーション受けてるの?
ジョニー:妄想。頭の中で妄想して、それを曲にしてく感じ。

――新曲の「アンジェリーナ」は、グラムロックが匂うサウンドに、アンジェリーナへの愛しさが溢れた歌詞が乗ったルーズなロックだけど、アンジェリーナ、誰?
一同:誰!?(笑)
ジョニー:妄想(笑)。妄想の中の謎の美女。夢の中でしか会えないの。
ナオ:結構ファンタジーなこと言うんです、ウチのジョニー(笑)。
逹瑯:外人、なんだね。
ジョニー:はい(笑)。でも、アンジェリーナ・ジョリーではないんです! 
逹瑯:なんかちょっとラテンっぽいね、アンジェリーナ。このジョニーのルックスで、夢の中でアンジェリーナに会える妄想してるって、完全に『ワイルド・スピード』の世界だけどね(笑)。で、どんな感じなの、アンジェリーナは。
ジョニー:とにかくエロイ感じです。
ショーン:ジョニーさんの歌詞、よく妄想の中に女性が出てきますよね。みゆき、とか。
逹瑯:みゆき!? 今度はいきなりバリバリの日本人だな、おい! でも、外国人の名前としてアンジェリーナってよく聞くから、日本でいうところのみゆきみたいなもんなのかもしんないね(笑)。

――まぁね(笑)。
ジョニー:ドSなの。
逹瑯:え? まだアンジェリーナの話!?(笑) まだ更に細かい設定があんの!? てか、アンジェリーナ、エロくてドSなんだ(笑)。てか、自分がMなんじゃねぇの?
ジョニー:あぁ、まぁ、Mっすね(笑)。更に、童貞なんです。
逹瑯:え? 自分が? この歌詞の中で? 設定細か過ぎんだろ!(笑)
ナオ:ジョニーの歌詞の男は、全部童貞設定なんです!
逹瑯:つか、ジョニー、精神的なMなんだろな(笑)。夢の中でしか会えないアンジェリーナに恋をして、虐げられている自分を肯定してる感じを、嫌だとは感じていないんだろうね。
ジョニー:あー、たしかに。嫌じゃないかも。
一同:(爆笑)
mio:男の人って女よりロマンティックだったりするんですよね。

――たしかにそうかもね。女子は結構現実的だったりするからね。逹瑯の書いた歌詞の中でおぉぉぉぉと思ったのが、“さっき別れたばかりなのに、右手に君が足りない”っていうワード。
ジョニー:めちゃくちゃいい! 
一同:(爆笑)
逹瑯:あははは。

――どこらへんまで想像で書けるものなの?
逹瑯:歌詞にもよるよね。俺の場合は曲先だから、曲に引っ張られることの方が多いからその都度違うんだけど。曲聴いて、パーっと浮かんでくる景色とか色とか事柄とかをスケッチしていく感じ。言葉でね。そこに自分の経験とか感情がバチッと嵌ると、より具体的に書ける感じかな。イメージしやすいというか。最初から物語を作るときもあるけどね。俺の場合は両パターンかな。

――mioちゃんは? 歌詞の中にもある“私のこと好きじゃないなら、死んで”っていうフレーズは、衝撃的でもあって。それは、自分自身なの? それとも、ミオヤマザキのボーカリストとして歌う、そこに添わせた、自分ではない自分だったりするの?
mio:自分自身です。恋愛すると本当にそう思うんです。本当に愛してるから、同じくらい愛して欲しいし。でも、それを言葉に出して言っちゃうと、重いとか思われちゃったり、相手の気持ちが離れちゃったりするから言えないって思ってる自分がいるから歌えるし、同じ様な気持ちを抱えている人が聴くと、そこに共感が生まれるんだと思いますね。

OKMusic編集部

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