清木場俊介

清木場俊介

【清木場俊介 インタビュー】
基本的にどの唄も
自分に言い聞かせている

自身のレーベル“UTAIYA RECORDS UNITED”初のオリジナルアルバム『CHANGE』。間もなく40歳を迎えるにあたり、これからの変化をも潔く受け入れる覚悟の上、ここであえて“唄い屋”としての自分を見つめ、対峙した中から生まれた楽曲群が耳を惹く渾身の一枚となっている。

評価よりかは、
出したいものを出したい時に出す

まずは今回が初のオリジナルアルバムリリースとなる“UTAIYA RECORDS UNITED”立ち上げの経緯から教えてください。

より良い環境を自ら作り出すためと、表現者として自分で出したいものを出せる状況にしたかったのが第一でした。しっかりとアーティストの主張もしていくべきだと考えていたし、メリットとデメリットも含めて自分でやるしかないだろうと。ここ3年ぐらい考えての決断でした。

そこには今後は全て自分たちでやるという負担も生まれ、煩雑さも増すデメリットもありそうですが?

そこは覚悟の上でした。そもそも自分はそれらをデメリットとはとらえていなくて。というのも、自分の場合はこれまで特にテレビ出演に頼ってきたわけでもなく、基本的に作品のリリースとライヴ、それと支えてくれた方々とともにここまで来た自負もあったので、伝えられる層、届けられる層もデビュー当時から一緒に歩んできてくれた方々に向けてだけでもいいと思ったんです。中でも、ライヴが自分の中での最大のプロモーションだと常々考えていたし。なので、ここまではこれまでとほぼほぼ変わらずやってこれています。

それは頼もしいです。まずは配信にて「東京」「ELEGY」の2曲がリリースされましたが、それぞれタイプがまったく違うので、幅と両極を一度に表す、その度量にも驚きました。

両極を表したかったがゆえですね。あえて真逆のものを出したかったんです。実はこの2曲はほとんど同じ時期に作った曲で。「東京」に関しては、このような曲調は自分の中では比較的多いのですが、この曲こそレコードメーカーにいたらシングルとしてはテーマに上がらなかったでしょうね。まさに“自身のレーベルなのだから、このようなタイプの曲も出すべき”という想いもありました。評価よりかは、出したいものを出したい時に出すということにこだわった面もあります。

一方の「ELEGY」は?

こちらは“こんなに俺は自由なんだぜ”というのをアピールしたくて出しました。なので、「ELEGY」では入り込んで美しくスタイリッシュなものを表現する自分、片や「東京」では自身の本質、自分の心の内側をさらけ出す自分という、その2極をこの2曲で表してみました。というのも、このようなことをやっている人って周りではあまりいない気がして。あえて自分はそこに挑みました。

どちらの面の清木場さんが好きなのかも分かれそうですね。

かもしれませんね。

ライヴで歌う光景も、それぞれ目に浮かびます。

自分もこれまでライヴをメインでやってきた自負があるので、これらはそれぞれライヴを想定しながら作っていったんですよ。例えば、ホールでは「ELEGY」みたいな曲も映えるし、オールスタンディングであれば「東京」みたいな曲がより直接的にぶっ刺さる…みたいな。

その“ライヴが本質”との信条が如実に伝わってきたのが、アルバム発売前の全国ツアーにて、まだ未発表ながらこのアルバムからの楽曲を何曲か先行で披露していたところでした。

これまでも未発表曲をたまにライヴでもやってはいましたが、今回は特にやらせてもらいました。ツアーの際には今作に入っている曲たちはほぼほぼ完成していましたから。なので、その反応やリアクション、感触、ライヴではどんな響き方をするかの確認も楽しみに歌いましたね。あとは、試しにやったところもあったり。

試し?

やはり初披露の時は、みなさんどうしても歌詞に耳を傾ける傾向にあって。正直言って最初はどの曲も盛り上がらないんです。曲がまだお客さんの中で育っていない。でも、自分はみなさんがそうやって聴いてくれている状態がすごく好きで。みんなの曲へと移りゆくより、今の自分が歌うことに耳を大きくして聴いてくれているほうが唄っていても気持ち良いんです。その辺りの確認もありました。

実際のリアクションはいかがでしたか?

やはりライヴを思い浮かべてたり、想定して作ってきたこともあり、“あぁやっぱりこういった感じになるんだ”ってリアクションでした。いわゆる“やった!”って感触。それらを経て歌詞が変わっていったものもありましたし。それもあって、レコーディングはツアー終了後に自分の中で再度楽曲を完成させてから臨みました。なので、“曲をライヴで育て、それらを改めてレコーディングした”っていう作品でもあるんです。
清木場俊介
アルバム『CHANGE』

OKMusic編集部

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