北山宏光が近未来の仮想空間を捜査す
る!舞台『THE NETHER(ネザー)』開
幕レポート

2019年10月11日(金)東京グローブ座にて舞台『THE NETHER(ネザー)』が幕を開け、初日前に公開ゲネプロと囲み会見が行われた。主演は2年ぶりの舞台出演となる北山宏光(Kis-My-Ft2)。人々が“ネザー/NETHER”と呼ばれるインターネット上の仮想空間で膨大な時間を過ごすようになった近未来の世界を舞台に、犯罪を取り締まる捜査官・モリス役を演じる。
2年ぶりの舞台について北山は「もう2年たったんですね。色々活動はやらせていただいていたのですが、また舞台に戻ってこれるというのはすごく嬉しかったです」とコメント。捜査官役ということで取り調べのシーンが多く、セリフではレポートを読みあげる。そのため歌舞伎俳優として活躍し、日本語のプロフェッショナルである中村梅雀に、日本語の発音指導をかなりしてもらったそうだ。
中村によると「最近、レポーターや若い人によくあるのが、接続詞の音の高さが上がっちゃったり、名詞より動詞の方が上がっちゃってたり、主語より動詞があがっちゃうところ。意味が伝わりづらくなってしまうので、なだらかになるようにしなければならないんです」とのこと。北山は、中村にセリフを読んでもらったものをボイスレコーダーで録音し、夜な夜な聞いたのだとか。
北山は自身の見どころについて「この1時間55分の時間で、モリスがどう耐えて変化していくか、という点です」と、モリスがどう揺れ動いていくかを挙げた。捜査官という仕事上の立場上、あまり感情を表に出さないモリス像をつくりあげた北山。謎が明かされていくうちに、モリスの中でどんな心の揺れがあるのかを想像すると、胸が痛くもなる。
物語は、インターネットが発達した近未来。人々は<ネザー/NETHER>という仮想空間で膨大な時間を過ごしている。捜査官・モリス(北山宏光)はネザーでおこなわれる犯罪を取り締まっている。尋問室で、彼はシムズ(平田満)という男と対峙していた。シムズには自分の管理する『ハイダウェイ』というエリアで、子どもとの性行為を提供しているという疑惑があった。
この舞台では、おもに二つの世界がある。現実世界と、インターネット仮想空間のなかにあるエリア『ハイダウェイ』だ。『ハイダウェイ』はヴィクトリア朝を再現した世界観で、登場する人達は貴族のような格好をしている。舞台上では、近未来のデジタルな映像表現と、19世紀の貴族の風景が交差し、その時代差のギャップが「仮想空間」というフィクションの世界を強く浮き立たせる。
『ハイダウェイ』の鍵となるシムズを演じる平田は、感情的ながらも、本心を見せないという繊細かつ強い演技でモリスと対峙していく。本人の見どころは「早替りです」とのこと。たしかに、二つの世界を行き来するのに、着替えは大変そうだ。しかし安定感のある演技で、二つの世界を行き来する。
モリスは、ハイダウェイの顧客だったドイル(中村梅雀)という男の尋問も並行して進めていく。突然モリス捜査官に尋問されることになり、不安がるドイル。『ハイダウェイ』のことについて聞かれるうちに、ドイル自身の欲望や人生が見えてくる様子がスリリングだ。中村は見どころについて「こういう洋服を着て、梅雀が見せたことがない演技をしてますね」とコメントした。
また、モリスはハイダウェイに潜入捜査官・ウッドナット(シライケイタ)を送り込んでいた。ウッドナットはそこでアイリス (長谷川凜音/植原星空)という美しい少女と出会う。
シライは『ハイダウェイ』に潜入しているため、会見でもヴィクトリア朝の衣装で登場。見どころを聞かれ「ネタバレなしで言うの、難しいですね」と言いよどみながらも「いつもの芝居と違う、自分であって自分でないような……。とくに北山くんとは、相談させていただきながらやりました。先輩たちにもアドバイスもらいながら、作り上げてきましたので、苦闘の一ヶ月をどうにか観ていただければいいなと思います」と本番までの道のりを語った。
本作は現実と仮想空間が入り交じるだけでなく、場面転換もとても多い作品。この会話がいつ、どこで行われたのかも混乱しそうなほど、いくつものシーンが入り乱れていく。脚本と演出によってミステリー要素が高められているのだ。
ベテランの平田も「どんどん場面が変わっていくんですけど、その場ごとにリアルな演技というのがなかなか難しいんですよ」と苦労したようだ。北山も「俺、もう千秋楽迎えた感じ。これからなのに……」と、かなり力の入った稽古だったことを思わせる。
また、近未来という設定のため、現代では慣れない言葉も多い。さらにミステリーということもあり、全員で世界観を共有するのは大変だっただろうなと想像できる。北山は「(共演者の先輩方に)頼ってばっかりですね。ちょっと難しい内容ではありますので、言葉の取り方によって全然意味が変わってきてしまう。いろんな相談をさせていただき、みんなで話し合いながら、導いていきました」と思い返した。
稽古場では、仮想空間をイメージするためにVR体験もしたという。外国の遊園地のジェットコースターに乗るVRだそうだ。会見でその時のことを思い出し、平田が「楽しかったなぁ」と言うと、「横向くと可愛い女の子が乗ってたり」(中村)、「お、後ろの子かわい〜って(平田さんが)」(北山)、「あれ、無様なんですよね、本人以外の周りの人が見るとね」(シライ)と盛り上がった。
インターネットが現代には欠かせないものとなった今、現実と見間違うほど完成度の高い仮想空間は実現可能なのかもしれないと思わせる。北山は最後に「近い将来、本当にありえるんじゃないかというものを舞台で表現させていただいています。面白いものになってますので、足を運んでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします」と締めた。
舞台『THE NETHER(ネザー)』、上演時間は約1時間55分(休憩なし)を予定。

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