luz、そらる、まふまふ、センラら出
演 進化し続ける『XYZ TOUR』が横浜
アリーナで見せたもの

オールナイトニッポン0(ZERO)presents XYZ TOUR 2019 -YOKOHAMA ARENA-

2019.9.28 横浜アリーナ
男性シンガー・luzがオーガナイザーを務め、動画投稿サイトを中心に活動するアーティストが集い、2015年から毎年開催されているライブツアー『XYZ TOUR』。9月21日には、あらき、un:c、kradness、しゅーず、センラ、そらる、nqrse、まふまふ、めいちゃん、luzがパーソナリティを担当した『オールナイトニッポン0(zero)』が放送されたわけだが、その番組とのコラボレーションイベント『オールナイトニッポン0(ZERO)presents XYZ TOUR 2019 -YOKOHAMA ARENA-』が、9月28日に神奈川県・横浜アリーナにて開催。過去最大規模のキャパシティに立ち見客も含め1万2千人を集めた彼らは、言わずもがな、“至高の夜”へと導いてくれた。
オールナイトニッポン0(ZERO)presents XYZ TOUR 2019 -YOKOHAMA ARENA-
1曲ごとに歌う人数や組み合わせが目まぐるしく変わり、本編はMCを入れずに曲をたたみかけていく『XYZ TOUR』。注目の1曲目は、あらき、un:c、センラ、nqrse、めいちゃん、luzが歌う「Alice in N.Y.」だ。ステージ上段に横並びに立ち艶っぽい歌を繋いでいくと、ひとりひとりにスポットライトが当たって大歓声が上がる。un:cとのかけ合いの中でのセンラの“君、モデルにならない?”にしろ、あらきとめいちゃんのかけ合わせにしろ、向き合って歌うluzとセンラの近すぎる距離感にしろ、nqrseのキレッキレなラップにしろ、luzがラストにきめる“Chase me, Fashionistas!!”にしろ、いきなりドキドキが止まらない。
luz
オールナイトニッポン0(ZERO)presents XYZ TOUR 2019 -YOKOHAMA ARENA-

あらき、nqrse、センラ、めいちゃんによる「リコレクションエンドロウル」では、あらきとnqrseが、センラとめいちゃんがジャレ合ったり、4人で肩を組んで仲よく揺れたり。「最高の夜にしようぜ!」と叫んだそらるが歌い、まふまふがギターを弾いた「アイフェイクミー」では、演出のファイヤーボールが噴き上がる中、色違いのナポレオンジャケットを着た2人がアグレッシブに躍動。まふまふもマイクを手にした「ブラッククリスマス」では、まふまふの“悪い子はここかな”、そらるの“さらってやろうか”がさらなる燃料となって、場内の熱気は高まるいっぽうだ。
まふまふ

そらる

まふまふの透明感あるハイトーンとnqrseのラップが絶妙に絡み合う「GHOST」、センラとめいちゃんの歌声がR&Bテイストによく映える「シャリューゲ」とぐいぐい引き込み、「コールボーイ」を歌うセンラはステージ中央から伸びる花道の先のセンターステージへ。しゅーずは「Highway Lover」でフェイク、ビブラート、ファルセットを駆使し、しゅーずとluzが背中合わせに歌い始めた「ミックスジュース」では歌詞に合わせ2人が濃密に絡んだり、「Ice breaker」ではセンラとluzがオーディエンスを煽り、向き合ったままゼロ距離に接近したり。センラとluzがラップをし、nqrseがメロディを歌ったりもするXYZオリジナル曲「ユルファ」に続く「フィクサー」では、ステージに残ったnqrse の「背負い投げおじさんが来ますよ」という言葉を受けてそらるが登場。『XYZ TOUR 2019-SUMMER-』中、大阪の宿舎で突然そらるに背負い投げされたというnqrseが突発的に発した言葉だったようだが、アンコール時のMCで、「背負い投げおじさん」ではなく「背負い投げ王子」と聞き間違えたそらるがまんざらでもなさそうな表情だったことをnqrseが暴露したりと、とにもかくにも楽しい波が次から次へと押し寄せてくるのが『XYZ TOUR』である。
un:c
kradness

10曲をメドレー的につないだ怒濤の“DJ Time”の始まりは、なんと誰もが知る有名曲の「U.S.A.」。横1列に並んだあらき、kradness、しゅーず、めいちゃんが本家をオマージュしたオリジナルの振付も完璧にこなし、オーディエンスはサビで大合唱。そんな盛り上げ方もできてしまうのは『XYZ TOUR』の面々が器用なエンターテイナーであり、リスナーを楽しませよう!という気持ちが強いからこそだ。「無頼ック自己ライザー」では、kradnessの牽引でまるでEDMフェスのような高揚に包まれ、「エイリアンエイリアン(DIVELA Remix)」ではクラップにジャンプにオーディエンスをどんどん巻き込んでいったun:cとkradness。luzがun:cの手に口づけをするなど色気がダダ漏れだった「クイーンオブハート(SISTER Edition)」に、あらきが伸びやかなハイトーンを響かせた「ECHO」。しなやかにダンスしながら「PiNK CAT」を歌ったしゅーず。ステージ上段で圧倒感を放ちながら「一騎当千」を歌うluz。個で複数で、息つく間もなく魅了していく。
あらき

しゅーず

luzの「みんなおいで」という声でun:c、kradness、しゅーず、センラ、めいちゃんが登場し、6人で歌ったのは「ギガンティックO.T.N」。しゅーずとセンラは動きにキレがありすぎるし、kradnessは客席にマイクを向け、un:cとめいちゃんはジャンプ。センターステージで歌っていたしゅーずとluzが他4人が待つステージ真ん中のお立ち台へと向かい、いざ台に乗ろうというところでしゅーずが転んでしまうと、luzがさっと支える場面も。
めいちゃんがセンターステージで「ライムライト」を歌ったあとは、XYZのオリジナル曲で、あらき、un:c、めいちゃんのハーモニーがきれいな「Boys&Girls」へ。「ファンサ」の歌声、パフォーマンス、最後の投げキッスに至るまで、かわいいを通り越してしまったun:c。「PLATONIC GIRL」で向き合ってハモったり、一緒にジャンプしたりと息もぴったりなun:cとkradness。「インターネッツ・ディスコ」で、「ぶち上げるぞ!」「声出せよ!」と煽ったあらきとnqrse。ハイトーンでかけ合う「ワールズエンド・ダンスホール」で、すれ違うときも楽しげなあらきとun:c。本当に、瞬きする間も惜しい。
めいちゃん
「FANATIC」を歌うluzはヘドバンに折りたたみにオーディエンスを意のままに操り、その姿はあまりにカリスマティック。いっぽう、軽やかな足取りでステージを移動しながら和情緒漂う「曼珠沙華」を歌い、“ボクと踊りませんか!?”とオーディエンスを誘うまふまふ。十人十色の個性が輝き、さまざまな化学反応が起きる時間は、とんでもなく刺激的だ。
今度はまふまふが「みんなおいで」と、あらき、そらる、nqrseを呼び込んで、「ロキ」へ。「Mrs.Pumpkinの滑稽な夢」で一足早くハロウィン気分を味わわせてくれたそらる、nqrse、まふまふ、luzは「パンダヒーロー」でセンターステージへ。本編ラストは、8月に動画公開された「Finale」。あらき、un:c、センラ、そらる、nqrse、まふまふ、めいちゃん、luzが声を合わせるそれは、圧巻だった。
センラ
“XYZ最初の曲”である「Secret Answer」で始まったアンコールは、全曲を10人全員で歌唱。「今からとても健全な曲をやっちゃいます!」というluzの前置きからの「デリヘル呼んだら君が来た(XYZ arrange ver.)」では、オーディエンスがジャンプしたり大きくコールしたりする中、luzがそらるを後ろから抱きしめたり、あらきとめいちゃんが、luzとまふまふが肩を組んで歌ったり。トークでも個性を存分に発揮して、時に笑いの渦に巻き込んでいく中で感じるのは、『XYZ TOUR』のあたたかい絆。それぞれの想いを言葉にしていくと、最後に語り始めたluzの目には涙が。
「2015年2月1日から始まった『XYZ TOUR』、きっかけになったのは“歌い手文化をバカにされない、かっこいいイベントを作りたい”という想い。今日、リハーサルや本番でみんなが歌う姿を見ながら、こんなにかっこいい人たちとライブができて幸せだ、って心から思いました。僕はオーガナイザーではあるけど、たいしたことはできていません。このステージにいない人も含め、XYZのメンバーひとりひとりが諦めなかったからこそ、支えてくれたからこそ、今があります。透明から始まって、こんなにきれいな色、光に照らされて……本当にありがとうございます。この景色を忘れないでね」
オールナイトニッポン0(ZERO)presents XYZ TOUR 2019 -YOKOHAMA ARENA-
メンバー、ファンへの愛と感謝を声を詰まらせながらしっかりと伝えたluz。最後の曲は「CocktaiL」だ。メンバーぞれぞれのカラーを灯したペンライトが揺れる場内に、舞い落ちてきたカラフルな風船。『XYZ TOUR』がもたらしてくれる幸福感には、間違いなく中毒性がある。そして、心動かす歌力と並々ならぬ向上心で強烈な余韻を残す“至高の夜”は、これからまだまだ進化していくに違いない。

文=杉江優花 撮影=小松陽祐[ODD JOB]、堀卓朗[ELENORE]、釘野孝宏
オールナイトニッポン0(ZERO)presents XYZ TOUR 2019 -YOKOHAMA ARENA-

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