【速レポ】<中津川ソーラー>CHAI、
オーディエンスの聴き入りっぷりが別
次元

だんだんと陽も落ち、風が涼しく感じ始めたころ、REDEMPTION STAGEを煌々と輝かせたのがCHAIだった。今年2月に2ndフルアルバム『PUNK』リリース後、3月にアメリカ、5月にヨーロッパ、6月からは日本8都市というワールドツアーも大成功させたこともあり、タフな環境は彼女たちをさらに進化させたのだろう。強くビートを効かせた高度なサウンドプロダクション、遠巻きに観ていても惹きつけられるエンターテイメント性の妙味が冴え渡っていたのだ。
まずは、「C、H、A、I」と鳴り響くSEをバックに登場し、マナ(Vo、Key)、カナ(Vo、G)、ユウキ(B、Cho)、ユナ(Dr、Cho)の4人がステージ中央で向き合ってから「CHOOSE GO!」でライヴはスタート。スモークがかったステージ、メンバーが身にまとうキュートなピンクの衣装、太いベースも響く幻想的なサウンド、これらが相まって、異世界から飛び出してきたようなムードが生まれていく。だが、浮世離れした感覚はなく、不思議とリアルに届くのが心地よい。
「ボーイズ・セコ・メン」「ファッショニスタ」と鳴らし、グッと会場の熱気が高めたのが「コマーシャルソング!」とカナが高らかに宣言した「自己紹介」からの言葉だろう。マナがシンプルな英語で語り、ユウキが通訳する形なのだが、目が小さいことや足が短いことを“NEOカワイイ”と呼び、「コンプレックスは個性!」「みんな素晴らしい」と力強く叫ぶ。この圧倒的な自己肯定。それでいいんだと認め、受け入れ、それぞれが開放されていく。

そんな空気が生まれたところに「N.E.O」をドロップするのだから、盛り上がらないわけがないだろう。胸を打つ強いリズム、巧みなギターのフレーズ、小気味よく呼び込んでくる言葉の数々。難しいことは抜きにして、感じたままに踊ればいい。もちろん、その踊り方だって自由だ。その人なりのスタイルが素晴らしいのだ。
趣味嗜好は関係なく、惹きつけられるパフォーマンスが続き、その仕草でも高揚させてくれる「クールクールビジョン」、壮大なスケール感を持つ「カーリーアドベンチャー」、プログレッシブな曲展開もシビレた「ぎゃらんぶー」等も印象的だったが、「THIS IS CHAI」は、そんな中でも度肝を抜かれた1曲。流れるサウンドに合わせ頭から新たな衣装をかぶったメンバー4人がステージ前方に並んでダンスを披露という、ぶっ飛んだスタイル。とにかくポップに振り切れてる状態に、客席の興奮も凄まじかった。
多種多様なアプローチにヤラれた人も多かったのだろう。ライヴ序盤と終盤、明らかにステージへ向けられる視線の量や強さ、オーディエンスの聴き入りっぷりが別次元なものとなっていた。ラストの「sayonara complex」が鳴り終わった瞬間、とんでもない歓声が湧き上がったのが何よりの証拠だった。
取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎柴田恵理

【CHAI セットリスト】

1. CHOOSE GO!
2. ボーイズ・セコ・メン
3. ファッショニスタ
4. 自己紹介
5. N.E.O.
6. クールクールビジョン
7. カーリーアドベンチャー
8. THIS IS CHAI
9. ぎゃらんぶー
10. フューチャー
11. sayonara complex

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019>

9月28日(土) 岐阜県 中津川公園内特設ステージ
9月29日(日) 岐阜県 中津川公園内特設ステージ

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