世界中を魅了する「ボーイズグループ
」とは何なのか?ONE DIRECTIONから
話題のINTERSECTIONまで調べてみた

が活動休止となってしばらく経つが、「ネクスト ONE DIRECTION」と噂されているボーイズグループ達の存在はご存知だろうか。
<SUMMER SONIC 2018>への出演でも話題となった
や、YouTube再生数15億回を突破しているラテン系ボーイズグループ・
など、世界各地でボーイズグループが大きな盛り上がりを見せている。

しかし、ここで改めて考えてみたいのはボーイズグループとはそもそも何かということだ。言葉だけを聞けば、複数のボーイによって組まれたグループであればすべてボーイズグループではとも思えるのだが、その定義ではMetallicaQUEENのような「かつては複数のボーイによって組まれていたグループ」も含まれてしまう(が、このあたりのミュージシャンをボーイズグループと呼ぶことにかなり抵抗がある人は多いだろう)。

Wikipediaでは、ボーイズグループは「十代か二十代の複数の若い男性歌手で構成されるヴォーカル・グループ」として定義されているが、こちらもかなりあいまいな定義である。

というわけで今回は、世界各地でボーイズグループが盛り上がりを見せている今日この頃、改めて「ボーイズグループとは何か」をデータから考えてみたいと思う。

今話題になっている主なボーイズグループは?

まずは、世界各地で話題になっている主な欧米系のボーイズグループの一覧を見てみよう。

ONE DIRECTION以外は現在活動中のボーイズグループだが、聞いたことがあるボーイズもいれば、そうでないボーイズもいるだろう。いずれにせよ共通しているのはONE DIRECTIONが活動休止した2016年前後から、世界的な人気を誇るボーイズグループが次々と結成されており、それぞれが人気急上昇中だということである。

というわけで今回は、こちらの5グループを対象に、ボーイズグループにまつわるデータを見ていきたい。

ボーイズグループの「ボーイ」とは何歳までのことなのか、「グループ」とは何人組のことなのか

では、まずはこちらの5組を対象に、ボーイズグループについて

・ボーイズグループの「ボーイ」とは何歳までのことなのか

・ボーイズグループの「グループ」とは何人組のことなのか

を見てみよう。

ボーイズグループ、かたくなに5人組である。5人組以外は許されないとでも言わんばかりに5人で構成されている。

なお、今回ここで調査対象として挙げなかったボーイズグループとして、THE VAMPSNew Hope Clubなどが挙げられるが、こちらはそれぞれ3人組・4人組となっており、この「ボーイズグループなら5人組」という鉄の掟を破るグループとなっている。

しかし、THE VAMPSやNew Hope Clubはバンドに分類されることも多く、ボーイズグループとして扱われないこともしばしばだ。

つまりは「5人組の方がボーイズグループとして世間に認識されやすい」と言えそうである。

また、年齢について見てみると、結成時の平均年齢は17〜18歳と10代後半がほとんどである。結成から1-2年をかけてデビューすることを考えるとデビューは「20歳手前」になることが多く、ここから「ボーイズグループのボーイとは20歳手前までを指すのではないか」という定義が導き出せそうである。

また今回調査するにあたり、個人的には「ボーイズグループには少し離れた最年少か、最年長のメンバーが必ずおり、弟役や兄役を担っているはず」というまったく根拠のない仮説があったのだが、飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を伸ばしているボーイズグループ・PRETTYMUCHがあまり年齢差のないメンバー構成になっていたことから、この仮説はもろくも打ち砕かれてしまった。何事も調べないとわからないことがあるものである。

ボーイズグループの一般的な髪型は?

では、続いてボーイズグループの髪型について見てみよう。

音楽性やファン層が近いアーティストやタレントは、国内外問わず髪型やファッションが似通っていたりするものだが、ボーイズグループの場合はどういう髪型が多いのだろうか?

今回は、それぞれのグループのデビュー時のCDジャケットを参考に、髪型をおおまかに分類してみた。

ボーイズグループ、意外と刈り上げが多いようである。多いというか、各グループに必ずいるのでほぼ必須の要件とすら言えそうである。

また、刈り上げ同じくボーイズグループに欠かせないのがパーマのメンバーの存在だ。特にパーマ率が高いのはONE DIRECTIONIn Real Lifeで、それぞれ5人中3人と60%のパーマ率を誇っている。逆にパーマが少ないのはCNCOで「ラテン系の国出身」というバックグラウンドの大きな違いがファッションにも影響を与えていると言えそうである。

また、こちらも調査の前には「ボーイズグループ=金髪碧眼」というぼんやりとしたイメージがあったのが、実際に調べたところ、ONE DIRECTION以降のボーイズグループは人種・出身地を問わずメンバーに起用されているようである。

特に、CNCOはメンバー全員がキューバなどのラテン系の国出身、PRETTYMUCHはメキシコ系・ドミニカ系のメンバーも含まれており、ボーイズグループも時代の流れを受けて着実にダイバーシティ化が進んでいると言えそうだ。

ボーイズグループの「結成のきっかけ」はなにか?

では、次にボーイズグループの結成のきっかけを見てみよう。数あるボーイズグループだが、5人はどういう経緯で巡り合っているのだろうか。

ボーイズグループ、オーディション番組で見出されすぎではないだろうか。現在、世界で活躍するボーイズグループ5組のうち、3組がオーディション番組の出身である。

そして、オーディション番組と同じか、それ以上に大きな影響を与えているのが大物プロデューサーであるサイモン・コーウェルの存在である。

今回挙げたボーイズグループのうち、5組中3組はサイモン・コーウェルが見出したボーイズ達であり、サイモンは世界一ボーイを見出すことに長けた人物とすら言えそうだ。ボーイズグループのファンにとっては、足を向けて寝られないありがたい存在だと言えるだろう。

番外編:ボーイズグループ、全員エド・シーランにお世話になっているのではないか説

また、今回調べる中で気付いた点として「ボーイズグループ、全員エド・シーランにお世話になっているのではないか」という説があり、こちらもあわせて調べてみたので紹介したい。

Ed Sheeran(エド・シーラン)といえば「Shape of You」など、数々のヒットソングを生み出した世界的な人気シンガー・ソングライターだが、その彼がボーイズグループと果たしてどんな関わりがあるのだろうか。

こちらは説明するよりも、実際に見てもらうのが早いと思うので、まずは結果を見て欲しい。

そう、エド・シーラン、ボーイズグループにとにかく楽曲を提供しているのである。

ONE DIRECTIONは人気曲「Little Things」を始め、4曲の提供を受けているほか、WHY DON’T WEPRETTYMUCHも楽曲提供を受けている。

また、楽曲提供を受けていないCNCOについても、メンバーのうちジョエルが最も好きなアーティストとしてエド・シーランを挙げており、今後の関係に期待が持てそうである。

唯一、In Real Lifeだけはエド・シーランとの関係についての情報がいまのところあまりないことが惜しまれるが、この「ボーイズグループとエド・シーランの相性の良さ」は、ぜひ今後ボーイズグループを楽しむ際に気にしてもらえれば、より楽しめるのではないかと思う。

結局「ボーイズグループ」とは何なのか

では、最終的にボーイズグループとは何なのだろうか。今回の調査を受けて、個人的にはボーイズグループを以下のようにまとめたい。

ボーイズグループとは

オーディション番組などを通じて大物プロデューサーに見出されて結成された、最近のダイバーシティの流れを組みつつも、刈り上げやパーマの髪型のメンバーが必ず属している20歳手前の男の子5人組

長くなったが、これが今回の調査に基づくボーイズグループの定義である。

そして、ここで気になるのは、これを受けて定義に当てはまる「日本発のボーイズグループ」は果たしているのかということだ。

現状、日本ではいくつかボーイズグループが存在するが、最もボーイズグループのイメージに近いのはINTERSECTIONではないだろうか。

INTERSECTION

INTERSECTION(インターセクション)は、William(ウィリアム)、Kazuma(カズマ)、Caelan(ケーレン)、Mika(ミカ) の4人からなる日米ハーフのボーイズグループ。2018年10月にデビュー作品をリリースし、これまでデジタルシングル7作とデジタルアルバム1作を発表している。

メンバーのカズマがAbemaTV「オオカミちゃんには騙されない」に出演したことでも話題になっている彼らだが、4人が生み出している世界観はまさに欧米系の世界的なボーイズグループそのものであり、すでに日本国内のみでなくアジア圏を中心に活動の場を広げている。

また2019年6月にリリースしたシングル「You’re the Reason」はYouTubeで380万再生を突破と、今まさに波に乗っていると言えるINTERSECTIONだが、そんな彼らについて、今回調べた項目をまとめてみたのがこちらだ。

結成時の平均年齢が20歳手前である点や、髪型の種類を見てみると、INTERSECTIONは今回のボーイズグループの定義にぴったり当てはまっている。

また、メンバーそれぞれが日本育ちでありながら、アメリカやキューバなどの諸外国にルーツを持っているという点も、多様なバックグラウンドを重視する最近のボーイズグループのトレンドに沿っており、かなりボーイズグループらしいグループだと言えそうだ。

さらに、結成のきっかけもメンバーそれぞれがスカウトによって才能を見出されたということで、業界関係者に見出されがちなボーイズグループの流れに沿っているといえるだろう。なお、INTERSECTIONはメンバー全員が作詞作曲やアートワーク、MVなどをプロデュース出来るというセルフプロデュース・グループでもあるとのことで、このあたりも「ネクストONE DIRECTION」を彷彿とさせるグループと言えそうだ。

惜しまれるのは、「鉄の掟」である5人組でないこと、そしてエド・シーランとの関わりがいまのところ見られないという点だろう。しかし、最後の1点については今後の成長の結果としてはあり得るだろうということで、ぜひ今後の世界的な活躍を期待できればと思う。

ONE DIRECTION解散後、世界的に始まりつつあるボーイズグループ流行の波。今までボーイズグループに触れて来なかったという方も、ぜひこれを機に興味を持ってもらえれば幸いだ。なお、INTERSECTIONは8月21日にアルバム「INTERSECTION」をリリースしたばかりということで、今回紹介したボーイズグループの楽曲を集めたプレイリストと合わせて、興味を持たれた方はこちらから入ってみてもいいかもしれない。

記事内で紹介したボーイズグループの楽曲を集めたプレイリスト『Boys Group Phenomenon』

INFORMATION 1st Digital Album「INTERSECTION」 2019.08.21 OUT Download / Streaming INTERSECTION SNS & OFFICIAL WEBSITE YouTube Channel| Instagram|Twitter| Facebook| OFFICIAL WEBSITE

まいしろ プロフィール 社会の荒波から逃げ回っている意識低めのエンタメ系マーケターです。音楽の分析記事や調査記事をよく書きます。 Twitter|note

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