【Age Factory・山人音楽祭 2019】3
0分のライブに込められた渾身の気迫
とあらゆる感情

山人音楽祭 2019【榛名ステージ】 Age Factory
轟音と絶叫、憤怒、拒絶、虚無感、困惑、希望、愛情、歓喜、夢、鮮烈な光――。
この30分のステージを1秒足りとも無駄にしまいと、ものすごい気迫で榛名ステージに乗り込んできたAge Factoryのライブには、そんな様々な感情が渦巻いていた。
Age Factory
登場するなり、清水エイスケ(Vo/Gt)が激しく体を震わせながら叫んだ声を、ギターの爆音が瞬時にかき消す。一発目は、「ClOSE EYE」だ。立ったままドラムを叩く増子央人(Dr)と、西口直人(Ba)が繰り出す獰猛な重低音にのせて、目を背けたくなるような現実を活写する。「世界の中心へ行くんだ!」と、集まったお客さんを鼓舞するように叫んだ「WORLD IS MINE」では、その意志に賛同するように、フロアから一斉にこぶしが力強く突き上がった。
Age Factory
Age Factory

ブルーに染まる照明のなか“幻の海”へといざなった「HIGH WAY BEACH」のあと、「この30分で全部を変えないといけない! 君たちは共鳴してくれ!!」と懇願するように叫んだ「GOLD」では、眩しいほど強烈な光がステージを埋め尽くす。曲を重ねるたびに、その曲に込めた想いを言葉でもぶつける清水だったが、あまりにも前のめりな口調と、限界を超える興奮のせいで、正直、よく聞き取れない場面もあった。だが、それでも十分だった。内に秘める意志の強さと比例するように熱く、鋭く、それでいて大樹のような包容力と優しさも滲むAge Factoryの音楽は、私たちが明日も闘い抜くことができるように、一人ひとりが美しく輝ける未来のために鳴らされていることが、頭ではなく、心で理解できるからだ。
最後の1音が消えるまで一瞬たりとも攻撃の手の緩めずに、「See you in my dream」まで駆け抜けると、最後に清水は、客席に向かって誇らしげにピースサインを掲げた。

文=秦理絵 撮影=半田安政
Age Factory

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