【SHANK・山人音楽祭 2019】赤城初登
場の3人組が朝イチからフルスロット

山人音楽祭 2019【赤城ステージ】 SHANK
SHANKにがっかりさせられたことなど、これまで一度だってないけれど、フェス全体がまだなんとなく起き抜け状態の午前11時、長崎からやってきたこの3人組は、いつも以上に気合が入っているんじゃないかと思える熱演を繰り広げ、山人の2日目にガツンと活を入れたのだった。2日目のトップバッターを任された大役を見事に果たすその気合はどこからと思っていたら、いきなり激しいモッシュとダイヴを起こした1曲目の「Set The Fire」から立て続けに4曲たたみかけたところで、庵原将兵(Vo/Ba)が一言。
「初めてこっち(メインステージ)に出してもらえて気持ちいいです。時間は早いけど、一緒に気持ちよくなって帰りましょう」
なるほど。(『GRF』から数えて)参戦4回目にして、メインステージに抜擢されたことにSHANKは、こんなふうに応えるわけだ。そう思ったら、1人の一観客として、なんだか無性にうれしくなってしまった。
SHANK
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「ここに立てた歓びは、いっぱい曲をやることで伝わればいいと思います」とも庵原は言ったが、その言葉通り、40分の持ち時間でこの日、彼らが演奏したのは新旧のレパートリーから選んだ全14曲。言いたいこと、伝えたいことはいろいろあったと思うが、喋る時間があるなら1曲でも多くやりたかった。彼らがどういうバンドなのかわかるではないか。バンドっていうのは、本来、そうやって自分たちが何者なのか訴えていくものなんだぜ。
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メロコアとスカパンクの2本立てと思わせながら、「Life is…」では松崎兵太(Gt/Cho)がギターを泣かせてブルージーなフィーリングを加えたり、スティーヴィー・ワンダーの「Isn’ t She Lovely」のカヴァーでは池本雄季(Dr/Cho)が叩いたシャッフルのリズムが観客の体を揺らして、ハッピーな空気を作ったり、「Wake Up Call」ではゆったりしたレゲエのリズムをピースフルに奏でたり、実は彼らの演奏には、モッシュやダイヴを起こすだけにとどまらない、いろいろな聴きどころがある。3人の演奏はタイトであることに徹しながら、アリーナの隅々まで届く広がりが感じられた。松崎のギターはいつも以上に鳴っていたんじゃないか。
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そして、ラスト。ワンコーラスだけのショート・チューン「submarine」をたたみかけ、「バイ!バイ!」とクールにステージを去ろうとする3人を、ステージの袖から茂木洋晃が「ちょっと、ちょっと」と呼び止め、「ローカル・バンドからローカル・バンドへ。『山人音楽祭』から『Blaze up Nagasaki』へ。SHANK、15周年おめでとう!」と3人に記念のケーキを手渡した。予想もしていなかった展開に言葉が出ない3人の様子がおかしかったが、この粋なはからい、熱演に対するねぎらいが山人に出演するバンドの気持ちを燃えさせるのだ。

文=山口智男 撮影=HayachiN
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