映画音楽の巨匠アレクサンドル・デス
プラによる書き下ろしオペラ『サイレ
ンス』 日本初上演決定

2020年1月25日(土)神奈川県立音楽堂にて、開館65周年記念 神奈川県立音楽堂 室内オペラ・プロジェクト ボーダーレス室内オペラ/川端康成生誕120周年記念作品『サイレンス』が上演されることが決定した。
本公演は、2019年11月に開館65周年を迎える神奈川県立音楽堂が《音楽堂室内オペラ・プロジェクト》と題し、時代、国境、スタイルを超え、室内楽の楽しさを極限まで味わい尽くす新しいプロジェクトの記念すべき1作目だ。
ルクセンブルクでの初演より (c) Silvia Delmedico
『サイレンス』は、川端康成の短編「無言」を原作として、映画音楽の巨匠アレクサンドル・デスプラ(「ハリー・ポッターと死の秘宝」「英国王のスピーチ」等で知られ、「グランド・ブタペスト・ホテル」「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞受賞)が満を持して書き下ろした初のオペラ。
ルクセンブルクでの初演より (c) Silvia Delmedico
2019年2月にルクセンブルクで世界初演し、3月にパリで上演された作品が、早くも日本で初演となる。デスプラの制作に刺激を与え、現代の音楽表現で日本のファンにも知られる、ルクセンブルクのアンサンブル、「アンサンブル・ルシリン」の演奏と、ヴァレンティノのクリエイティブ・ディレクター、ピエルパオロ・ピッチョーリによる衣裳、フランスで活躍する永田鉄男が撮影監督を務めた映像と、あらゆるジャンルのトップ・アーティストが集結した「今まさに観るべき舞台」。今回はデスプラ自身が指揮し、横浜と京都でそれぞれ1回ずつ上演される。
ルクセンブルクでの初演より (c) Silvia Delmedico
■ルクセンブルク、パリ 公演評 (訳:根本卓也)
ル・コティディアン紙)2019年2月27日掲載
『サイレンス』:透明感溢れるデスプラの新作オペラ
「抽象的な白い空間で繰り広げられる歌唱と語りの混合の中から、登場人物を彩る色とりどりのオーケストラが立ち現れる。その音楽はいわゆる「日本的な」ステレオタイプに陥ることはなく、アンサンブル・ルシリンの10人の奏者による見事な演奏が、抑制の効いた演出と相まって、比類なき舞台が生み出された」
■Musikzen 2019年3月3日掲載
『サイレンス』:デスプラは賭けに勝った
「ミリ単位で計算された動作、非現実的な光の効果、繊細な衣装。舞台奥に整列した、彼方からの来訪者のような演奏者たちの奏でる、緻密なオーケストレーションの施された音楽は舞台から重力を奪い去り、時が止まったかの様な東洋的空間の中で、静寂こそが生の最終段階であった」
『サイレンス』上演記録
ルクセンブルク 2019年2月26・27日 ルクセンブルク大劇場 (Les Théâtres de la Ville de Luxembourg)
フランス 2019年3月2・3日 パリ/ブーフ・デュ・ノール劇場 (Théâtre des Bouffes du Nord )
【プロフィール】
(右)アレクサンドル・デスプラ&ソルレイ(左)
■アレクサンドル・デスプラ Alexandre Desplat(音楽/台本/指揮)
フランス/パリ出身。映画音楽の作曲家としてヨーロッパのアート作品からハリウッド大作まで幅広く手がけ、グラミー賞、ゴールデングローブ賞で音楽賞を多数受賞している。2005年、「真夜中のピアニスト」でベルリン国際映画祭銀熊賞とセザール賞を受賞した。また、2006年の「クィーン」、2008年の「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」、2010年の「英国王のスピーチ」でアカデミー賞にノミネートされている。2014年の「グランド・ブダペスト・ホテル」でアカデミー賞を初受賞。2018年「シェイプ・オブ・ウォーター」はゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、アカデミー賞作曲賞を受賞。
デスプラが手がけた映画作品(一部)
真珠の耳飾りの少女(2003) ファンタスティック(2009) ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010)
ツリー・オブ・ライフ(2011) ゼロ・ダーク・サーティ(2012) GODZILLA(2014)
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014) 犬ヶ島 (2018) ゴールデン・リバー(2018)
■ソルレイ Solrey(台本/演出)
アレクサンドル・デスプラの公私ともにパートナーであるソルレイ(ドミニク・ルモニエ)は、デスプラ作品の演奏を多く手がけるトラフィック・クインテットのヴァイオリニストであり、CD録音なども多くてがけた。デスプラと常に創作活動を共にし、その音楽性に共感するアーティストである。現在はオペラや室内楽などにおいて、演出、ステージデザインやアートディレクションなど活動の領域を広げ、多岐に渡って活動している。
■アンサンブル・ルシリン ENSEMBLE UNITED INSTRUMENTS OF LUCILIN(演奏)
ルクセンブルクを拠点に活躍する現代音楽アンサンフブル。20世紀/21世紀の音楽の振興と創作に力を入れている。弦楽四重奏、ピアノ、打楽 器メンバーを核にし、プロジェクトの規模に応じて管楽器や他の楽器が 加わる。作曲家、学者、演奏家が創造に参加し、共に現代のさまざまな 音楽分野の発展を目指している。CD4タイトルなどがある。2014年10月に来日し、細川俊夫作曲「大鴉̶メゾソプラノと12の奏者のための モノドラマ」日本初演(コンサート版)。広島にて演奏会と共にCD録音をし、NAXOS よりリリース、「レコード芸術 」特選盤。子ども向け「チュール 君と影 」日本ツアー/細川俊夫 「大鴉 」再演/フィリップ・マヌリ「Kein Licht」世界初演&再演に演奏団体として参加/パスカル・デュサパン 子ども向け「Momo」ルクセンブルク初演など、コンサートだけではなく、子ども劇場や舞台作品など活発に活動を展開している。

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