SPIN.DISCOVERY Vol.12 出演アーティ
スト / 4. Kvi Baba 1999年生まれ、
痛みと愛を歌う若きラッパー・Kvi B
aba。1stアルバム・リリース直前、ブ
レイク前夜となるか。その貴重なライ
ブを目撃せよ!

「新しい音楽の発見」をテーマに、Spincoasterが今注目しているアーティストにスポットライトを当てる音楽イベント、『SPIN.DISCOVERY』の第12回目が9月21日(土)に東京・表参道WALL&WALLの3周年アニバーサリーの一環として開催される。

12回目となる今回は、若き才能溢れるヒップホップ/ラップ・アクトにフィーチャーし、Kvi Baba、LEX、釈迦坊主、Tajyusaim Boyz、vividboooy、YUNGYUの6組のアクトが出演する。出演者紹介の4番目は、若き新鋭・Kvi Baba。
Kvi Babaは大阪・茨木市出身、1999年生まれのラッパー。2017年よりSoundCloud上で立て続けに楽曲を発表し、音楽活動をスタート。オルナタティヴ・ロック、クラウドラップ、トラップなどを独自に消化吸収したサウンドが、世界中に飛び火している“エモ”ラップの潮流ともリンクし、早耳リスナーの注目を集めることに。

最初に彼の名前が大きく知れ渡るようになったのは、BAD HOPKANDYTOWNSKY-HI田我流の作品も手がけるDJ/プロデューサーのKMが昨年9月にリリースした1stアルバム『FORTUNE GRAND』収録曲「Mama (feat. Kvi Baba)」。短尺の曲ながら、耳に残る声質とメロディックなフロウで印象に残った人も多いのでは。なお、両者の出会いは、 Kvi BabaからDMでアプローチしたことがキッカケ(https://qetic.jp/interview/km-feature/296944/2/) だそうです。そしてKMは翌年2月にリリースされるデビューEP『Natural Born Pain』の全曲プロデュースを手がけることに。

その直前の1月には、DJ TATSUKIの楽曲「Invisible Lights」になんとZORNと共に客演参加。iTunesのヒップホップ・チャートで初登場1位を記録しただけに、この楽曲でもまた一段と認知を拡大させました。孤独、痛み、愛、そして死生観といった彼の楽曲に通奏低音のように影を落とし続ける要素もこの頃からリリックに表れています。
また、『Natural Born Pain』、そして翌月3月に早くもリリースされる2nd EP『19』のアートワークを、Kvi Babaと同じく1999年生まれのイラストレーター、JUN INAGAWAが担当したことにも言及しなければいけないでしょう。萌え系とストリートを融合させたキャッチーなイラストで、VLONE、Diesel、Fucking Awesome、UNDERCOVERといった世界的なブランドへグラフィックを提供する彼もまた、既存の価値観に捕われないセンスでシーンを席巻するアーティスト。まさに同時代を生きる若者同士のコラボということで、大きな注目を集め、 Kvi Baba初のマーチャンダイズ展開にまで繋がりました(https://spincoaster.com/news/kvi-baba-release-new-song-a-bright-feat-salu-from-2nd-ep-19) 。
2nd EP『19』にはKvi BabaがリスペクトしてやまないアーティストだというSALU、Minchanbaby、KLOOZ、BACHLOGICが客演参加。Gaius Okamotoが手がけた「Bright feat. SALU」以外のプロデュースは全てBACHLOGICが担当。芯はブレることなく、より多彩なアプローチが伺える作品に。中でもSALUとの邂逅は本人にとっても大きかったようで、その後は 対談が実現(https://www.cinra.net/interview/201904-kvibabasalu) したり、SALUの決意表明的な楽曲「RAP GAME」のリミックスも発表。多くのラッパーがビート・ジャック/リミックスを公開しましたが、その中でも頭一つ抜きん出た注目を集めることに。
7月には同じく『SPIN.DISCOVERY』への出演も記憶に新しいeillのシングル「Succubus」のgrooveman Spotリミックスへ客演。こちらはコラボ・ワークなだけあり、リリック、フロウ共に普段とは少し異なる表情をみせた作品。原曲のテーマにもなっている「一夏の恋」に沿いながらも、恋愛以外の解釈もできそうなリリックが秀逸です。
そして来週。9月25日(水)にリリースを控える待望の1stアルバム『KVI BABA』からは、ロック的サウンドを大胆に取り入れた「Crystal Cry」と、エモーショナルなメッセージを感じさせる「Life is Short」の2曲が先行リリースされています。中でも「Life is Short But Now I’m Good」(人生は短い、でも今は大丈夫)と、閉塞感に押し潰されそうなこの時代を生きる全ての若者たちへ、Kvi Babaが語りかける「Life is Short」では、「ビルの上で立ち望む世界 消えてしまいたいほどに 生きていたいという想い」――失望の中でも一筋の希望を見失わないポジティブな世界観を感じさせる楽曲。アルバム・リリース前ながらも、早くもアンセムと化す予感が感じられる、強い求心力が感じられます。
なお、アルバムは2nd EPから引き続き、ラップ・シーンにおける名匠・BACHLOGICが全曲プロデュースを担当。彼と共にスタジオに篭り、一期一会のセッションを繰り返す中、喉を壊すまで自らの肉体を追い込みながら短期間で完成させたという渾身の1枚に仕上がっているそうな。現段階ではこれ以上アルバムを紐解く要素はないのですが、Kvi BabaがAWAで公開したプレイリストも実に興味深いので、ぜひチェックを。秦基博やスピッツColdplayOasisなど、Kvi Babaのエモーショナルな音楽性と繋がる楽曲がセレクトされている本プレイリスト。彼自身は、「どんな問題の中でも、ないがしろにすることのできない『心』の存在を僕に教えてくれる曲たち」と コメント(https://spincoaster.com/news/kvi-baba-sahre-playlist-color-of-my-eyes-on-awa) しています。

今回の『SPIN.DISCOVERY』は、1stアルバム・リリース直前という絶好のタイミング。共演陣も共に新たな世代、新たな波を感じさせるフレッシュなアーティストということで、この日限りのマジックも起きそうな予感。ぜひとも9月21日(土)は表参道WALL&WALLにお越し下さい……!

Text by Takazumi Hosaka


【イベント情報】

Spincoaster Presents “SPIN.DISCOVERY vol.12”
-WALL&WALL 3rd ANNIVERSARY-

日時:2019年9月21日(土) OPEN 16:30 / START 17:00
会場:東京・表参道 WALL&WALL (MAP
料金:前売 ¥2,900 / 当日 ¥3,400 (各1D代別途)
出演:
[A to Z]
Kvi Baba
LEX
釈迦坊主
Tajyusaim Boyz
vividboooy
YUNGYU

チケット:e+ | ZAIKO | Peatix

オフィシャル・サイト

Spincoaster

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