【緊急座談会!】劇団「地蔵中毒」×
村松利史 ~ どうなる?第11回公演『
ずんだ or not ずんだ』の行方

いま、最も「きてる」感がハンパない、と小劇場界隈で話題なのが、劇団「地蔵中毒」だ。そんな彼らにとって第11回目の本公演となる、無教訓意味なし演劇vol.11『ずんだ or not ずんだ』が、2019年9月19日(木)より9月22日(日)までの4日間、全7回、高田馬場ラビネストにて上演される。開幕に先駆けてSPICEでは緊急座談会を実施。主宰の大谷皿屋敷、そして出演するかませけんた、東野良平、hocoten、礒村夬、立川がじら(立川志らく一門)、小野カズマ(排気口)、モリィ(NATURE DANGER GANG)、土田有未(ナカゴー)に加え、劇団「地蔵中毒」の芝居を厳しくも温かい目で見守り続けている俳優の村松利史が出席した。さらに、“よく出るメンバー”の武内慧も緊急参戦。「ずんだ」について、そして彼らが目指す笑いの作り方について、話を聞いた。
劇団「地蔵中毒」の面々と村松利史
■大谷に聞く「ずんだ or not ずんだ」の概要
──脚本・演出を手がける大谷さんにお聞きします。11回目の本公演『ずんだ or not ずんだ』はどんな作品になるのでしょうか。
大谷:どんな作品に……。
──上演時間は?
大谷:120分くらいです。
──主人公は?
大谷:主人公は、いつも決めていません。
──あらすじとか。
大谷:あらすじ。あ、あらすじ……。
村松:(痺れを切らし)ああもう、知っているでしょう? 「地蔵中毒」にあらすじを聞いても意味がないって!
(一同、笑)
村松利史
──読んでくださる方の中には、今回の公演が初の「地蔵中毒」という方もいらっしゃるはずので……。では質問をかえて。稽古を拝見した時点では、劇中に「ずんだ」は出てきませんでしたね。
大谷:あ、それ。それなんですが僕、「ずんだ」のねじ込み方を思いついたんです。なので「ずんだ」は、出ます!
一同:おおー。
大谷:一度ねじ込んだ上で、カットするかもしれません。その時は「not ずんだ」です。「ずんだ」でも、「ずんだ」じゃなくても、どちらでもいけるタイトルです!
一同:おおーっ!
──万能ですね(笑)。この座談会に先駆けて、村松さんには「地蔵中毒」の稽古もご覧いただきました。
村松:台本も完成しているところまで読ませていただきましたが、今回は、かなり期待できるのではないでしょうか。外部公演も含めると、「地蔵中毒」は10回くらい観ていますが、ここ最近の公演以上に無駄が多く、どこが筋か分からない展開。でも4回よみ直して、相関図も書いてみたらわかったんです。ちゃんとした筋があるんですよね!
(ゲラゲラ笑う、地蔵中毒一同)
村松:アハハじゃないよ!(笑) 「地蔵中毒」を観た人の感想を見ると、「意味がなくてくだらなくて面白かった」みたいなものが多いですよね。けれども、本当に意味がなく中身のないものだとしたら、2時間近い公演が面白くなるはずないんです。2時間の公演を観た後に面白かったと思わせられるのは、大きなうねりがあるから。
今回ならば、物語の中心“っぽい”のは東野さんとモリィさんと小野さんの筋。けれどもhocotenさんと礒村さん、がじらさんと荒威さんも、それぞれのエピソードとして1つの核として動いている。かませさんと土田さんのストーリーもある。ここから最後にどう決着をつけるか、非常に楽しみですね。
大谷:嬉しいです。ありがとうございます。
大谷皿屋敷
■地蔵中毒のネクスト・ステージ
──「地蔵中毒」も5周年を迎え、第10回本公演「純喫茶『味噌夢』」の際には、「地蔵中毒」としての「ネクストステージ」が宣言されました。今回の公演における、新たな挑戦をお聞かせください。
大谷:どちらかというと、第4回公演や第5回公演の頃に戻りました。それは先ほど村松さんが言ってくれていた、ここ最近に比べて無駄が多いところとか荒々しいところとか。
がじら:ネクストって言ったのに、戻っちゃうの?(笑)
東野:でもたしかに、第4回、第5回と通じる感じは分かる気がします。登場人物が複数のグループに分かれて、それぞれにエピソードが展開しつつも最後に集合して……。これは毎回のやり方でもあるのですが、中でも第4回、第5回公演と似ているのは、最後に一つの町に集まってくるというところ。
hocoten:「純喫茶『味噌夢』」でも、バラバラの場所にいる皆が、いろいろな手段でネオ福生に集まってくる展開はありましたが、たとえば第五回「第一次『へその緒再生プロジェクト』」だと、町が合体して集まる感じ。
hocoten
がじら:三鷹を平たくする。
大谷:そう。三鷹の高さがなくなる。
(「そうそう」「うんうん」と、うなづくメンバーたち)
■土田の出演は「僕得です」
──今回、「地蔵中毒」に初めて参加されるのが、土田さん(ナカゴー)とモリィ(NATURE DANGER GANG)さんです。まず土田さんにお尋ねします。台本を受け取った時の感想をお聞かせください。
土田:台本を読んでも、最初は話の流れが分かりませんでした。シーン、グループごとに別の物語があるという作りが、初めてだったので。でも何度か稽古をするうちに、だんだんと流れが分かってきました。「あ、こういうことか」と。
──土田さんは、劇中でかませさんと夫婦の設定です。大谷さんから、役について何か演出やリクエストは?
土田:稽古中、部分的に「ここをもっと強く言ってください」「そこは短く」といった演出を受けることはありますが、「これは、こういう役です」などの指示は特にありません。いま模索中なのは、女性の演じ方です。ナカゴーなど、最近は男の子の役が続いていたので、女の人を演じるのが久しぶりなんです。そこが一番、模索している点ですね。映画をみたりして、女性の演じ方を少し勉強しようと思います。
土田有未(ナカゴー)
──パートナー役を演じるのが、かませさんです。
かませ:土田さんと僕のシーンは、過去の「地蔵中毒」の作品にもあまりないくらい、ドラマ性の強いものになっています。他のグループがいつも通り、あるいはいつも以上におかしくなっているので、「僕らのペアはちゃんとしてよう」と思います。分かりやすさを意識しながらも、そこからどうずらしていくか。
──土田さんと稽古をしてみて、いかがですか?
かませ:僕は以前から、土田さんがナカゴーで演じるかなりトリッキーな外国人の男の子役のファンでした。初めてあれを観た時に「何なんだろうこの人は!」「何を言ってもこんなに面白い人がいるんだ!」とファンになったんです。だから今回は、完全にファン目線で共演させていただいています。この舞台は、僕得です!
かませけんた
■初舞台のモリィに、東野からの一言
──モリィさんは、これが舞台初出演作となるそうですね。出演のきっかけをお聞かせください。
モリィ:前回の公演を観た後に「私も出たいです」と大谷さんに言ったんです。大谷さんに、「今度アイドルとかを呼びたいと思っていたのでちょうどいいです」と言っていただけて、今回の出演につながりました。でも台本をみたら「アイドルを呼びたいと思っていた」とは思えない内容だったんです。
大谷:(笑)
モリィ:もちろん面白いんですよ。面白いんですが、「よくこの内容でアイドル呼びたいとか言ってんな! おい!」って。すごいな、と思いました。
一同:(爆笑)
モリィ(NATURE DANGER GANG)
──劇中では東野さん、小野さんの3人のシーンからはじまります。お兄さん役にあたる東野さんから、初舞台に向けたアドバイスや、かけてもらった言葉はありますか?
モリィ:ありますね。稽古中に、ちっちゃい声で「どうしたらお兄ちゃんになれるかな」って言ってました。
村松:それ、自分の演技のこと言ってるだけ!
東野:すみません。いつも自分のことで頭がいっぱいなんですよ……。
東野良平
■「地蔵中毒」の役の作り方
──「地蔵中毒」以外の劇団にも出演されている方が多くいらっしゃいますが、「地蔵中毒」と他の劇団を比較し、気がついたことはありますか? たとえば東野さんは今年、Mrs.fictionsさんの作品などに出演されていましたよね。
東野:気が付いたのは、「地蔵中毒」のセリフの音は異質である、ということです。演劇をやっている人のセリフの音は、意味やストーリーをお客さんに「分かりやすく」伝えるために出す音ですよね。でも僕らが「地蔵中毒」で目指す音は、意味を「面白く」伝える音。その瞬間その瞬間で「このセリフがどうしたら面白く決まるのか」、そのための音なんです。
がじら:ストーリーの流れに奉仕するのではなく、この台詞をこの場でどう立たせるか、みたいなイメージですね。
──「地蔵中毒」の公演ではすっかりお馴染みの礒村さんや小野さんは、大谷さんの台本に、どうアプローチしていますか?
礒村:「地蔵中毒」の時は、「地蔵中毒」のやり方でやっています。
小野:同じくです(笑)。真面目な話になりますが、僕はセリフを発する時の表情やからだの体勢から作ってます。大谷さんの演出は発話の音を重視する演出が大半なので、そうなると、物語がおざなりになってしまう気がして。どうすれば、その一見支離滅裂なセリフの整合性を取れるのか?を考えながら稽古に臨んでます。そうしたらこないだの稽古で、大谷さんから「なんで?ずっと変な顔してるの?」と言われて、めちゃくちゃ恥ずかしくなりましたけどね(笑)。
(一同、笑)
小野カズマ(排気口)
礒村:僕の場合、台本を受け取る時点では、台詞がまだ最初の一行しかないことも多いので、「この一行をどう面白く言うか」から入り、それを広げ、次に足されていく部分を作り、広げていきます。
──村松さんは、稽古をご覧になり、その辺りをどう感じられましたか?
村松:たしかに特殊だと思った。「そこをそんなに稽古するか?」ということがしばしばあった。たとえばhocotenさんが自分の股間を叩くシーンがあるんです。彼女は「こうかな。こっちかな。この音のほうが笑える?」ってずーっとポンポン、ポンポン叩いている。皆も彼女が股間をひたすら叩く姿に「どうかな」「そっちだと?」「こうは?」って。一つの笑いに皆が群がって、羞恥心も皆無。普通の現場なら完全にセクハラだよ(笑)。
大谷:でも……。
かませ:一応みんなで考えてやってるんで。
(口々に「うんうん」「みんなで」「和姦?」「和姦演劇?」など)
村松:ちょっと待って! みんな大谷さんに完全に洗脳されてる!!(一同、笑) その一方でね、普通の演劇がやるような、役の意味合いやキャラクターを根っこにイメージして演じることをしないんです。笑いを軸に演じざるをえない事情も分かる。だって大谷さんの台本は、役の意味、物語の筋が分かりにくいから。全体を通してみれば筋はあるけれど、甚だしく逸脱する。台本が出来上がっていない段階では、なおさら役を一本通しにくい。だから、役者も感情や根っこのところではなく、笑いを拠り所に演じるしかないんだよね。
hocoten:今は慣れてしまったけれど、言われてみれば、初めて「地蔵中毒」に出た時は「役に感情移入のしようがないな」って思いました。想像を超える人しか出てこないから共感もできない。「この人が、こんなことを言うはずない」っていう台詞だらけだし。村松さんの言う通り「面白い言い方」を軸にやってきた感じはありますね。このままじゃ、だめなのかな。
村松:それができたらもっと面白いよねと思って。前回公演を観た夜、演劇弁当猫ニャーのメンバーだった小村裕次郎さんや池谷のぶえさんと話したんです。「劇作家ブルー&スカイの台本はとても分かりにくかったけれど、役者にしたら、「地蔵中毒」の台本の方が難しいだろう」って。大谷さんも「この役のイメージは」とか「ここもっと感情を込めて!」とか、一切言わないし、そもそも「人間を描きます」みたいなのテレちゃうんだろうけど。あんな脚本書いといて、独特のシャイだから。
大谷:そうなんです。僕、シャイなんです(にやにや)。
■点の笑いと面白ホドロフスキー
──今日は不在ですが、今回の公演には、“「地蔵中毒」よく出るメンバー”の関口オーディンまさおさん、三葉虫みどりさん、そして第9回本公演『懺悔室、充実の4LDK』で活躍された、荒威ばる(劇団ジェット花子)さんも出演されます。
がじら:そういえば礒村さん、事務所をクビになったの?
礒村:え?
がじら:クレジットから事務所名が消えてる。
礒村:クビにはなってません。ただフリーになりました。
──では今後、実質「地蔵中毒」所属になるのでしょうか?
礒村:それを名乗るのも恐いので、フリーということでお願いします!
礒村夬
──がじらさんも、「立川がじら(落語立川流)」から「立川がじら(立川志らく一門)」にクレジットが変わりましたね。
がじら:今までは恐れ多くて師匠の名前を出せなかったのですが、今年5月にちょっと色々ありまして。
かませ:志らく師匠のお弟子さんたちが全員、一度、前座に降格したんですよね。
がじら:はい。幸い、二つ目に再度昇格でき、これを機に「志らく一門」を名乗る覚悟を決めました。僕は、師匠の劇団の現場をきっかけに、演劇を学びました。落語的演出を演劇につける、という演劇との向き合い方も、師匠から学びました。落語の基本的なやり方を演劇に投射して、これからは演劇でも師匠とぶつかるくらいの気持ちで臨んでいこうと思っています。うん。……やはりここはカットしてください。(小声で)かなうわけがないからな。
立川がじら(立川志らく一門)
──大谷さんや関口さん、かませさん、東野さん、そしてがじらさんは、大学の落研出身ですが、がじらさんからご覧になって、「地蔵中毒」に落語的な要素は感じられますか?
がじら:流すところと、リズムだけでもっていってバンと決める。そういったリズム重視のやり方は、もしかしたら落語的とも言えるかもしれません。「このワードをはっきり伝えなきゃ」と脚本の文字をお客さんにぶつけるんですが、大谷さん、どうですか?
大谷:稽古では、台詞を言い終わった後の、ある点で、お客さんみんなの笑いが起きるように、音を合わせているんです。「台詞が終わって、ここで笑いが起きる」という“点”を目指して、文章をリズムにのせて持っていく。そのために、台詞の上げ下げを調整しています。でも、その点に行くまでの上がり下がりの正解は一個ではありません。ここで点になるなら、そこまでは皆のやり方でやってくれていいと思っています。
──作風からは想像できない緻密な作業ですね。
かませ:それに加えて大谷君は、すでに前回くらいから、笑いへのアプローチを少し変えてきているとも思っています。今までは、稽古場でウケるかどうかが大きかったのですが、実際に劇場で見るのはお客さん。演劇として、お客さんがみて面白いことが大事だから、フレーズで笑わせるだけでなく、お客さんの想像に委ねて笑いをとるとか。僕の役にしても、前回はこれまでの「地蔵中毒」にない新しい感じの役でしたし、今回はまた、さらに違う部分で新しさのある役です。
──大谷さんは「地蔵中毒」で、どんな新しい笑いを目指しているのでしょう。
大谷:なんか、面白ホドロフスキーに、したいんです。
──面白ホドロフスキー……。新手の演劇用語でしょうか?
hocoten:アレハンドロ・ホドロフスキー。映画『エル・トポ』などの監督ですね。前に大谷さんに「そもそも、どういう演劇にしたいの?」って聞いたことがあるんです。その時に「イメージの連鎖にしたい。アレハンドロ・ホドロフスキーみたいな」って言っていました。
大谷:劇団を旗揚げした時、「俺は面白ホドロフスキー劇団を作りたい」と思ったんです。ギャグでホドロフスキーをやりたいって。でも演劇で面白ホドロフスキーをやると、フリがなさ過ぎてウケないんですよ。ホドロフスキーがそもそも面白いし、面白ホドロフスキーは、いざ人前でやるとウケない。ウケなかったけれど、やっぱりまた、徐々にそこに近づけていけたらと思っています。
劇団「地蔵中毒」過去公演より 関口オーディンまさお、立川がじら (撮影:塚田史香)
■全員爆死でもハッピーに
礒村:今回は、本役以外のモブキャラも多く担当しているので、全体的にクオリティが低かったらごめんなさい。モブキャラでウケたいです!
小野:「意味のないものを真面目にやるぞ!」で!よろしくお願いします!
がじら:本番はセッションですから自分でもどうなるかわかりませんが、志らくから教わった技術をすべて詰めこんで、脚本をお客さんにぶつけるつもりでがんばります。
かませ:大谷君が出してくる新しい笑いがあり、それに対して、半分意地の張り合いみたいにして、僕はその役を引き受けています。このぶつかり合いがいい方向に進み、結果として、観てくれるお客さんに、いいものを提供できればいいなと思っています。
土田:以前、初めて出演のお誘いをいただいた時は、私用で出演できませんでした。今回は2回目です。お話をしたこともなかったのに、2度も誘っていただけるなんて光栄なことです。出せる限りのすべてを出し切り、挑みたいです。頑張ります。
東野:僕は第4回公演から「地蔵中毒」に出演し、「地蔵中毒」の中で、自分なりに積み重ねてきたものがあります。今回は、あえてそこからはみ出していきたいです。かませさんの言う通り、大谷は新しいことをやりはじめています。僕は「前までの自分をはみ出せるように」をテーマにがんばります。
モリィ:演劇は初めてで、稽古をしたりも初めてです。まだ分からないこともたくさんありますし、本番がどうなるかも分かりませんが、絶対にウケたいです!
hocoten:今回のラストはまだわかりませんが、「地蔵中毒」って、大体最後は全員爆死するんです。でもバッドエンドじゃなくハッピーエンドかもしれない、とも思える終わり方なんです。それはキャラクター全員が、やりたいことをやるだけやって死んでいるから。生きたいように生きるってすごいハッピーなことだと思うんです。私はそのハッピーな感じを出せたらいいなと思います。
──今日の取材には、“よく出るメンバー”の武内慧さんも応援に来てくれました。欠席された関口オーディンまさおさんと、三葉虫みどりさんへのメッセージをいただけますか?
武内:先日関口さんから「台詞が全然覚えられない」という相談を受けました。妊活を終えて、復帰し、父親になられるので、父親としての威厳を損ねないよう、がんばってほしいです。あと宇都宮さんは大学時代からの知り合いで、前の劇団でも一緒だったのですが、今回の「地蔵中毒」で、また違う一面を出してもらえたらなと思います。
武内慧
──武内さんの近日の出演情報があれば、ぜひご紹介ください。
武内:誇らしげなタケノコ歌劇団の『絶対安全あぜみちツアー』というコント公演に出ます。
小野:僕も出ます。11月1日、2日です!
(「誇らしげなタケノコ歌劇団」という名前がSPICE編集長のツボにはまりインタビュー一時中断。再開。)
──村松さん、本日はどうもありがとうございました。
村松:大谷さんは、もっと評価されてほしいなあ。僕は大谷さんと親子ほどに年齢が離れていますが、この人は演劇界に現れたとんでもない才能だと思っていますから。特殊だから岸田戯曲賞とかには縁遠いけれど(笑)。でも、評価されてほしい。
大谷:ヤッター。ありがとうございます!(と、ダブルピース)
村松:最悪、死後評価されるタイプだな。
小野:今!最も死後評価されるタイプの劇作家!
大谷:それでもいい!
──最後に大谷さん、本公演への意気込みをお聞かせください。
大谷:(急に小声で)はやく台本を書き終わらせて‥‥。
一同:声、ちっちゃ!
大谷:はやく台本を書き終わらせて! 皆さんにご迷惑をかけないようにします! 死んでから評価してください!
劇団「地蔵中毒」の本公演、無教訓意味なし演劇vol.11 『ずんだ or not ずんだ』は、2019年9月19日(木)より9月22日(日)まで、高田馬場ラビネストでの上演。このうち、21日(土)19時の回のみ「SPICE優良舞台観劇会」と冠してのイープラス貸切公演となる。小劇場にも関わらず座席指定ができるほか、スペシャルカーテンコールでは出演メンバーが「地蔵中毒のテーマ」と「沼の性教育」の2曲を生ライブで歌唱披露する。さらに、同貸切公演において今回の座談会にも登場いただいた俳優の村松利史氏とSPICE「舞台」編集長の安藤光夫をゲストに迎えてのアフタートークも決定した。
取材・文・写真撮影(集合写真)=塚田史香
インタビュー写真撮影=安藤光夫

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