宮沢りえ・堤真一・段田安則が挑む三
人芝居、シス・カンパニー『死と乙女
』東京公演が開幕へ~公式舞台写真&
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宮沢りえ・堤真一・段田安則 が挑む三人芝居、シス・カンパニー『死と乙女』東京公演が、2019年9月13日(金)にシアタートラム(東京・三軒茶屋)にて開幕する(東京公演は10月14日まで。その後、大阪公演が10月18日から21日まで)。演出の小川絵梨子を含めた、日本の演劇界を牽引する実力派たちが、真夏の稽古場で濃密なディスカッションを重ね、練り上げてきた作品。
1991年初演の本作は、チリの劇作家アリエル・ドーフマンが、ピノチェト軍事独裁政権から実際に受けた過酷な弾圧や、見聞きした数々の悲惨な「事実」を基に執筆。シューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」をモチーフにした戦慄の心理サスペンス劇として、高く評価されてきた。過去のいまわしい記憶の闇にのみ込まれていく3人の男女が、人間の真実、狂気と闇を浮き彫りする膨大なセリフの応酬を通し、白熱の心理戦を展開する。宮沢✕堤✕段田による三者三様のサスペンスフルな駆け引きが、小川絵梨子の緻密な演出がどう描き出すのか、期待大の舞台といえる。

<STORY>
独裁政権が崩壊したばかりのある国では、旧政権の弾圧や人権侵害の罪を暴く調査委員会が発足。かつて反政府側で闘っていた弁護士ジェラルド(堤真一)は、その委員会の中心メンバーに指名される。その妻ポーリーナ(宮沢りえ)も学生運動に身を投じていたが、過去に受けた拷問のトラウマに苦しんでいた。ある嵐の晩、車の故障で立ち往生したジェラルドは、偶然通りかかった医師ロベルト(段田安則)に助けられ、彼の車で送られてきた。そして、ロベルトの声を聞いたポーリーナは凍り付き、やがて確信する………。この声、この笑い方、この香り。かつてシューベルトの「死と乙女」の調べを流しながら、目隠しをした自分を繰り返し凌辱した男だと……。かくして、ポーリーナの激しい追及と復讐が始まった。必死に潔白を訴えるロベルトと、妻の思い込みを疑い説得するジェラルド。 それぞれの心の中にあるのは、狂気なのか真実なのか……。

開幕前日の9月12日(木)に、シアタートラムにて行われた最終通し稽古(ゲネプロ)の公式舞台写真と演出家・キャストコメントが、このほどSPICE編集部に届いたので、紹介する。
演出:小川絵梨子 (おがわ・えりこ)コメント
この戯曲は、サスペンス劇の醍醐味に満ちていますが、単なる犯人探しではないところが、長く全世界で上演され続けている理由だと思います。3人の登場人物は、それぞれ被害者と加害者、両方の役割を担っていますが、観る者がいつの間にか当事者側に立たされているような感覚を覚え、三者三様の葛藤が芝居が進むにつれて浮き彫りになってきます。葛藤の在りようや関係性の変化を、お客様によりクリアに感じていただける舞台にしたいと探求を続けてきました。これだけ濃密な戯曲で、宮沢さん、堤さん、段田さんという熟練の皆さんとご一緒できたことは、本当にありがたいことだとつくづく感じています。
ポーリーナ:宮沢りえ(みやざわ・りえ)コメント
ポーリーナには迷いが一切ありません。意志がハッキリしていて彼女の中ではすべてが真実なんです。お客様は、何が真実なのか、振り子が揺れる中でご覧になると思いますが、その振り子を揺らし続けるにはどうしたらいいかを考えながら稽古を重ねてきました。小川さんを筆頭に、堤さん、段田さんという演劇に対して誠実な方々とご一緒で、とても心強かったです。本番を通しても、膨大なセリフに囚われず言葉を吐き出せるように、感情のエッジを常に尖らせていきたいですね。
ジェラルド:堤 真一(つつみ・しんいち)コメント
段田さんにも、「この役、難しいよなあ」と言われたほど、最初は本当に頭を抱えていました。自分の正当性を主張し続ける能動的なポーリーナとロベルトに対し、ジェラルドは受動的な立場。彼が何を真実だと思い、その言動は何に突き動かされているのか。演出の小川さん、りえちゃん、段田さんという頼もしい人たちと一緒に探り続ける稽古でした。でも、こういう優れた戯曲というのは、悩みながら考えながら読み解いていくうちに、魂が揺さぶられる瞬間が絶対にくる。それが楽しいんですよね。
ロベルト:段田安則(だんた・やすのり)コメント
この作品は、過酷で癒しがたい傷跡の物語であると同時に、スリリングな心理劇の側面をもっています。そんな演劇的な魅力ゆえに世界中で上演され、そのことで忘れてはならない悪政と犠牲者たちの記憶を私たちの中に刻んでいます。過ちが繰り返されないための抑止になるなら、演劇が社会に果たす役割があるというものです。お客様にも、3人の登場人物が揺れながら変わっていく様子をリアルに感じ、ご自身を見つめ直す時間にしていただけたら、と思っています。

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