三谷幸喜の突っ込みに佐藤二朗が「お
いこら幸喜」と詰め寄る! 柿澤勇人
主演『愛と哀しみのシャーロック・ホ
ームズ』初日前会見

三谷幸喜の新作舞台『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』がいよいよ2019年9月1日(日)東京・世田谷パブリックシアターにて開幕する。初日を目前に控えた31日、同劇場内で囲み会見が行われ、作・演出の三谷と共に、柿澤勇人、佐藤二朗、広瀬アリスが出席し、今の心境を語った。
(左から)三谷幸喜、柿澤勇人、佐藤二朗、広瀬アリス
本作は、アーサー・コナン・ドイルが手掛けた小説の主人公、シャーロック・ホームズ(柿澤)が相棒ワトソン(佐藤)と出会ってから「緋色の研究」で描かれた最初の事件に遭遇するまでの数か月間を描いた物語。ホームズはまだ20代の若者で、人間としても探偵としても未完成な彼が人生最初で最大の試練に直面するというもの。
三谷幸喜
三谷は「ホームズは子どもの頃から大好きだったので、いつか自分の形で新しいホームズができないかなと思っていました。柿澤さんと出会うことが出来て彼の芝居を観た時に、『ここに若い時のホームズがいた!』と思いました。『僕のホームズだ! 僕の柿澤だ!』と」と語る。その言葉を聴いた柿澤は「嬉しいですね。稽古の最終日にその言葉をかけてくださって。泣きそうではあったんですが、まだ本番も始まっていないので、千秋楽が終わって皆で笑顔でゴールをしてから泣ければいいかなと思います」と嬉しそう。その言葉に三谷は「割とすぐ泣きそうになるよね?」と突っ込むと「歳を取って涙もろくなったのかも」と照れ笑いの柿澤だった。
柿澤勇人
佐藤二朗

三谷と舞台で初めてタッグを組む佐藤は「三谷さんにはあこがれがありました。『笑の大学』も何度も観ましたから」とリスペクトしつつも「幸喜ちゃんと呼んでいます。2回くらい(笑)」と笑いを誘っていた。三谷との仕事の他に、八木亜希子と夫婦役を演じることも佐藤にとってはこの上もなく幸せということで「この仕事を受けた甲斐があった」と嬉しそうに話していた。
三谷は3人とも舞台では初顔合わせという事で、「柿澤くんと広瀬さんはフレッシュな感じがするんですが……佐藤さんが面倒くさくて」と口にすると「何を言ってるの? たくさん人がいるのに!」と三谷に詰め寄る佐藤。三谷は「二郎さんは稽古場で半ズボンなんですよ。このビクトリア朝のロンドンが舞台で、皆がイギリス人なのに一人だけ日曜日のお父さんみたいなんです。どうやってイメージを作っていけばいいのか」とぼやく。すると「幸喜、イメージしてみろ、というホームワークのつもりだった」と佐藤が何故か上から目線で返し、また笑いが起きていた。
佐藤さん、三谷さんに詰め寄ります。その様子を見て笑う柿澤さんにもご注目!
「たくさん人が集まっているのに!」と佐藤さん(笑)
広瀬アリス

ヴァイオレット役の広瀬は、三谷作品初参加であり、舞台は2回目。三谷の演出を受ける事について「とても光栄なことですし、三谷さんって男性なんですが、稽古場では母のように優しく見守っていろいろと教えてくださるんです」と振り返る。佐藤が「(三谷は)品のあるおばさんっぽいよね」と茶々を入れるなか、三谷は「広瀬さんは言えば何でもやってくれるんですよ。素敵なおもちゃをいただいたような気持ちです。ここで変顔してもらってもいいですかと伝えると、何でもやってくれるんです」とコメント。とはいえ、「普通は『そんなことをやるんですか』とか『難しいけど頑張ります』とかおっしゃるんですが、この方(広瀬)は何を言っても『はい』『はい』と返事をして。ヒトの話を聞いているのか? と思いました(笑)」と語る三谷に「ちゃんと聞いていますよ!」と手を伸ばして訴える広瀬。
「話聴いてますから!」な広瀬さん
佐藤は「これは冬のロンドンを舞台としているんですが、残暑厳しいなか、これウール100%なんですよ」と自分の衣裳を示す。「これに加えてコートも着るので、柿澤もアリスちゃんも俺も汗っかきなので、人が演じると言うより、汗が演じている感じ」と言うとすかさず三谷が「佐藤さんは今まで半ズボンだったからその罰で」と突っ込み。「おいこら幸喜」とまたもや佐藤が三谷に詰め寄っていた。
柿澤と佐藤は実は飲み友達という事で、2019年1月1日に年またぎでご飯を食べたエピソードを語り出す。その時柿澤は「『今年の9月、10月にシャーロックの舞台がありますよね。三谷組は初めてなので、楽しみですけど、正直プレッシャーもあって』と相談したら、佐藤が『何を言っているんだ。相棒で親友のワトソンを演じるのは俺だぞ! 俺がお前を最高のシャーロック・ホームズにしてやるから、何も恐れずにちゃんと向き合っていれば大丈夫だ』と励ましてくれたんです」と話すと、佐藤は報道陣に向かって「ここ、書いてね。大事なところだから編集なしで」と訴える。だが柿澤は「明日以降、僕が上手くいかなかったら全部ワトソンのせいだから」とニヤリ。それを聞いた三谷が「最高のホームズですよ。ワトソンは置いておいて」と追い打ちをかけ、佐藤が「ちょっと待ってくれ!」とまたまた三谷に詰め寄り、場を沸かせた。
三谷さんと佐藤さんのやり取りに柿澤さん大爆笑!
本作が20代の頃のホームズを描くことについて。三谷は柿澤に「僕が最初にお願いしたのは、精神年齢8歳。10秒間同じ所にいないでくれ。とにかく動き回ってくれ」とお願いしたとのこと。その後柿澤の芝居を観た三谷は、「すごい運動量ですよ。こちらがビックリするくらい。ただ椅子に座るだけでもこんなにあったのかと。後ろから周り込んだりなど、僕が見たことがない椅子の座り方をしていて。人間ってこんなことができるんだな」と柿澤の引き出しの多さに感心していた。
フォトコールでは冒頭の15分が公開された。会見でも話が出たとおり、柿澤はワトソンに対して8歳の子どものように甘え、駄々をこね、わがまま三昧。その一方で、突然の来客など外部からの新たな刺激に対しては鋭い洞察力を発揮する。天才の皮をかぶった子ども、もしくは子どもの皮をかぶった天才シャーロック・ホームズを躍動感たっぷりに演じていた。

ミセス・ワトソン役は八木亜希子さん、ハドソン夫人役ははいだしょうこさんです

レストレイド警部役は迫田孝也さんです
また、佐藤が演じるワトソンは手のかかり過ぎるホームズに半ば振り回されつつも大人の包容力であたたかくフォローしていた。
そして広瀬が演じるヴァイオレットは実に個性的。ホームズたちの家に駆けこんできたヴァイオレットが、テンションを上げて叫ぶさまや、ワトソンとのやり取りの噛み合わなさ、また寝ているときの独特ないびきなど、一秒たりとも目が離せないドキドキ感をもたらしていた。
椅子の上にちんまり納まる柿澤ホームズですが(次の写真に続く)
同じポーズに挑戦するも納まっていない佐藤ワトソンでした(笑)
取材・文・撮影=こむらさき

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