SCUMGAMES『RUSH BALL 2019』クイッ
クレポート ーー謎すぎるバンドが大
雨の中で強烈なインパクトを刻む

『RUSH BALL 2019』【ATMC】SCUMAGAMES
SCUMAGAMES、公式サイトでバイオグラフィを調べるも「只今準備中」の文字のみ、音源はアルバム『Fuck The Fucking Fuckers』の1枚。それでもグッズはステッカー、ロンTやパーカーが充実しているし、なによりMVの数が豊富だ。音楽だけでなく映像やアートにかなり力を入れているのが伝わってくるが、このバンドは一体何者なのか。MVを観るかぎりは男女ツインボーカルの5人組、ロックやパンク、スカやグランジといったミクスチャーバンドであることだけがわかる。
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ATMCでのサウンドチェック、メンバーの音よりもステージセットに目がいってしまう。いくつも積み上げられたブラウン管テレビ、そこから流れる映像からは90年代を彷彿とさせるポップアート的な雰囲気が漂っている。SEにスラングばりばりの英会話が流れ、映画『パルプ·フィクション』でおなじみの「Misirlou」にのってメンバーが登場すると、1曲目「I HATE」からボーカルDollman Toccoがスタートダッシュを決めるように客席へダイブ! 早々のカオスっぷりに魅せられ、観客は次々に前方へつめかけスカ&パンクロックサウンドで踊り出す。
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間髪入れずに「Devilock」など、シンプルながらも爽快なビートを刻むリズム隊に煽られ、サークルモッシュが激しくなっていく。そして、その激しさに釣られてか、雨がどんどん激しさを増し横殴りの大雨に……。それでも「踊ろうぜ~!」と披露された「monkey man」、タイトルの通りThe Specialsの「Monkey man」をカバーした楽曲に観客はご機嫌に踊り返す。ステージ上のメンバーもみなずぶ濡れ状態、もうどうとでもなれと言わんばかりに吹っ切れた姿で次々に楽曲を披露していく。
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ナパーム·デスを超える(!?)世界一短い曲に挑戦したという「The Cry Of A Newborn Babe」、カオスな環境のなか耳に残るメロが印象的な「S.D.F.」、スケートボードカルチャーが好きだと語るボーカルDollman Toccoの言葉の通り、ラウドにスカコア、ハードコアもクラブロックも混ぜ込んだジャンキーなサウンドスタイルはとにかく痛快だ。「15秒だけ、あの時やあの人のライブより、最高のライブ人生でイケよ!音楽で気が狂え!」、「CANDY」で瞬発力高い音をぶつけると、会場はセキュリティスタッフ泣かせなカオスな状態に……。ラスト「BIRTH FROM DEATH」まで、息つく暇のないパフォーマンスで楽しませてくれた彼ら。今日イチの大雨もあり、強烈なインパクトで『RUSH BALL』初出演をキメてくれた。
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取材・文=黒田奈保子 撮影=瀧本JON...行秀

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