【ライブレポート】林部智史、昭和の
名曲が灯した希望の光

5枚目のシングル「希望」を発売したシンガー・林部智史が、8月24日、同曲のリリース記念コンサート<林部智史の希望音楽祭>を山形県酒田市の希望ホールで開催した。
「希望」は山形県酒田市出身のシャンソン歌手・岸洋子(1935-1992年)が1970年にリリースした国民的大ヒット曲。来年50周年を迎えるこの曲を同じ山形出身の林部がカバーし、この曲名から命名された「酒田市 希望ホール」において、記念コンサートを開くこととなった。林部が庄内地方酒田市でのコンサートを行うのはデビュー4年目で初めて。他都市での公演はなく、酒田市1公演のみのコンサートということもあり、チケットは瞬間的にソールドアウト。この日、全国から希望ホールに約1,300人のファンが詰めかけた。
コンサートは、「希望」と並んで岸洋子の代表曲となっている「夜明けのうた」で幕を開けた。羽越本線の酒田駅で接近メロディとしても使用されているこの曲は、酒田市民にとって馴染み深い曲であり、冒頭から「希望音楽祭」の主旨を強く感じとれる選曲である。そして序盤から、シングルとしてリリースした曲を惜しげも無く立て続けに披露。さらに来生たかお作曲による新曲「やさしい眺め」や、シャンソンの名曲「さくらんぼの実る頃」を歌唱。初披露となるオリジナル新曲やカバー曲を多く取り入れた多彩な選曲で、「希望音楽祭」という一夜限りのコンサートのレア度は高まる一方。第一部のラストには、酒田市民合唱団が呼び込まれると、前半のクライマックスを迎える。合唱団はこの日のために一般公募で集った中学生から80代までの年代を超えた酒田市民約100名で編成。林部は「ぜひ庄内の皆さんと一緒に歌いたかった」と語り、「希望」を合唱した。
休憩を挟んだ第二部は、越路吹雪の名唱で知られる「愛の讃歌」でスタート。続く「ラストダンスを私に」は、庄内弁バージョンの歌詞で歌唱し、観客の喝采を浴びる。続いて、以前酒田を一人で訪れた際に作ったという新曲「風車」を初歌唱。酒田市にある風力発電所の風車を人生に重ねた詞が印象的な楽曲となった。終盤にはデビュー曲「あいたい」を披露、会場は一際大きな拍手に包まれる。そして最後の楽曲を迎えると、「この曲が僕の声を通して皆さんの一筋の希望になりますように」と語り、「希望」を再度歌唱。CDとは異なる歌詞が4番まであるバージョンで、曲の冒頭では岸洋子の楽曲に対する思いを引用し語ると、アカペラで歌唱する演出。この日のためにさらにドラマティックに仕上げた「希望」で、ライブを締めくくった。酒田市での開催、「夜明けのうた」で始まり「希望」で幕を閉じる構成、岸洋子と酒田への最大限のリスペクトを込めたコンサートだったと言えよう。
「希望」は酒田市民にとって特別な思いの溢れる愛唱歌である。1976年に起こった大火「酒田大火」の際には、この曲が復興を誓う曲として歌われ、それからも長年に渡り市民に愛され続けてきた。今年6月には山形県沖地震の被害もあり、日々の不安、そして未来へ向けて様々な思いが募る中、曲タイトル通り希望あふれる明日への願いを込めて山形出身の林部と酒田市民によって歌われた「希望」。昭和の名曲が時代を超越し、令和になっても人々の心に寄り添い、明日へ向けた希望の光を灯してくれる。そんな音楽の力を改めて感じさせてくれるスペシャルなコンサートとなったのではないだろうか。
セットリスト
【第1部】
01. 夜明けのうた
02. 晴れた日に、空を見上げて
03. だきしめたい
04. 恋衣
05. やさしい眺め
06. さくらんぼの実る頃
07. 二つの横顔
08. 小さくて大きな希望
09. 希望(with 酒田市民合唱団)
【第2部】
10. 愛の讃歌
11. ラストダンスは私に(庄内弁Ver.)
12. やさしいさよなら
13. 風車
14. 木蘭の涙
15. あなたへ
16. あいたい
17. 希望


ニューシングル「希望」
発売中

収録内容

【CD+DVD】AVCD-94525/B ¥1,667(+税)
[CD]
M-1. 希望
M-2. 後ろ姿
M-3. 希望 (Instrumental)
M-4. 後ろ姿 (Instrumental)
[DVD]
1.希望 (Music Video)

【CD Only】AVCD-94526 ¥1,111(+税)
[CD]
M-1. 希望
M-2. 初恋
M-3. 希望 (Instrumental)
M-4. 初恋 (Instrumental)


<林部智史 CONCERT TOUR 2019 秋 〜希望〜>
9月28日(土)山形・やまぎんホール (山形県県民会館)大ホール
10月4日(金)大阪・豊中市立文化芸術センター 大ホール
10月5日(土)香川・サンポートホール高松 大ホール
10月8日(火)東京・Bunkamura オーチャードホール
10月9日(水)東京・Bunkamura オーチャードホール
10月13日(日)千葉・船橋市民文化ホール 大ホール
10月20日(日)茨城・ひたちなか市文化会館 大ホール
10月22日(火・祝)静岡・静岡市民文化会館 中ホール
10月25日(金)神奈川・横浜関内ホール
11月2日(土)福島・ふくしん夢の音楽堂(福島市音楽堂)大ホール
11月4日(月・祝)埼玉・さいたま市民会館おおみや 大ホール
11月16日(土)群馬・太田市民会館

<はやしべさとし 三十歳の旅立ち ~叙
情歌を道づれに~>

9月2日(月)北海道・旭川市大雪クリスタルホール 音楽堂
9月3日(火)北海道・北見芸術文化ホール 音楽ホール
9月14日(土)栃木・栃木県教育会館
9月16日(月・祝)山梨・YCC 県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール) 小ホール
11月24日(日)島根・雲南市加茂文化ホールラメール
11月25日(月)広島・JMSアステールプラザ中ホール
11月30日(土)三重・三重県総合文化センター中ホール
12月1日(日)滋賀・伊吹薬草の里文化センター

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • the Homeground
  • Key Person
  • 気になるワードでディグる! 〇〇なMV

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada(PRIZMAX) / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • Yun*chi / 「Yun*chiのモヤモヤモヤ」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • エドガー・サリヴァン / 「東京文化びと探訪」

新着