【インタビュー】BiS、ついに白日の
もとにさらされた第3期BiSの激しすぎ
る個性

第3期BiSがアルバム『Brand-new idol Society』をリリースした。Twitterのフォロワー数が1万5000人に達するまで素顔の公開を禁じられ、赤目に鼻血のアーティスト写真が話題に。アルバムのリード曲「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」もモザイクがかかったミュージックビデオがアップされるなど謎めいていた5人のリアルな姿が目標達成でこの夏、ついに白日のもとにさらされた。第1期BiS、第2期BiSの使命を引き継いで走り出した彼女たちのいまの心境を聞くとともにアルバム収録曲についてインタビュー。自分たちのことを“素人”と言い切りながらも、各自個性がはみ出しているのはやはりBiSブラッド? アイドルファンとロックファンのボーダーラインを消滅させる活躍に期待したい。

■最初は赤目だけだったんだけど鼻血も追加でって(笑)
■こんな組み合わせなんて誰もやってないから嬉しかった

──第3期BiSとして始動したばかりということで、まずは自己紹介からお願いします。

チャントモンキー:私はチャットモンチーさんがすごく好きだったので、それっぽい名前にしてほしいと相談したら、チャントモンキーになりました(笑)。

──かなり、まんまですね。学生時代にバンドをやっていたとか?

チャントモンキー:はい。ギターを弾いていました。文化祭に何回か出たり。自分の性格はよく食べることかな?(笑)。

マナコ・チー・マナコ:BiS自体、けっこうよく食べるんですよ。私はアイドルというより音楽が好きでバンドでベースを弾いていました。

──プロフィールに戸川純さんが好きだと書いてあって驚きました。親御さんが聴かれていたぐらいの世代ですよね?

マナコ・チー・マナコ:ニューウェーブがすごく好きなんです。平沢進さんとかも好きなんですけど、アーティストさんが聴かれていた音楽を掘り下げていくのが楽しくて辿り着いた感じです。
──マニア気質ですね。ネオ・トゥリーズさんは?

ネオ・トゥリーズ:自分の性格は暗いほうだと思います。学生時代からクラスメートとほとんどしゃべったことがなくて、ものごとにも興味がなかったんですけど唯一好きだったのが音楽なんです。BiSHを好きになったのがきっかけでWACKを知って、いまは性格を変えられるよう頑張っています。

──ネガティブな方向にものごとを考えてしまうタイプなんですか?

ネオ・トゥリーズ:それもありますし、学校では勉強する意味とか、ずっとつきあっていくわけではないのに誰かと関わる意味がわからなかったんです。いまは好きなことをやっているので関わっていきたいなって。

マナコ・チー・マナコ:最初は聞き役でしたけど、最近はふざけたり大きな声を出すようになって変わってきましたね。

イトー・ムセンシティ部:私たちの前だから、ふざけたりできるようになったのかなって。どんどん明るくなってきました。

──トギーさんは特技に早着替えって書いてありますが。

トギー:そうですね。性格は元気です。早着替えはよく急いでいたので。

──どういうときに?

トギー:学校に行くときとか。要するに準備が遅いんですけど、早着替えしたら時間が短縮できるなって。

──(笑)ライブで活かせますね。ネオ・トゥリーズさんとは対照的な性格?

マナコ・チー・マナコ:トギーは根拠のない自信があるタイプなので、私たちをその前向きさで引っ張ってくれる感じですね。
▲マナコ・チー・マナコ

──イトー・ムセンシティ部さんは名前も気になります。

イトー・ムセンシティ部:名前はプロデューサーの渡辺(淳之介)さんにつけていただいたんですけど、私だけ“部”って漢字がついているので、名前を発表したときも“ひとりなのに部ってなに?”っていう反応でした(笑)。性格はネオと似ているかもしれないけど、自分に自信がない。ただ人としゃべるのは好きなんですよ。面白い情報が入ってくるから。でも、うまくしゃべれているのかは自信がないです。

トギー:たまに何を言ってるのかわからないときがあります(笑)。

──ははは。みなさんはWACKオーディションの2,000人の中から選ばれた5人ですが、デビュー目前(取材時)のいまの心境は?

イトー・ムセンシティ部:プレッシャーはすごくあるよね。

マナコ・チー・マナコ:最初はワクワクしていたし、フワフワした感じですごく楽しみだったんですよ。でも、いろいろなことを経験するうちに、だんだん現実味を帯びてきて心境も少し変わってきましたね。全国各地のタワーレコードさんを廻らせてもらったんですけど、期待を感じるときもあれば厳しい言葉をいただくときもあって、ワクワクがありつつ「これから頑張らないといけないな」って焦りも感じています。

イトー・ムセンシティ部:不安感が芽生えてきていますね。

トギー:自分たちが思う以上に時間が速く流れていってる感じがして。

ネオ・トゥリーズ:いろんな人たちと接しないと成り立たない仕事なので、プレッシャーはありますね。
▲ネオ・トゥリーズ

──オーディションの要項には「第1期BiSの活動が理解できる方」と書かれていたということですが、そこには日本武道館ワンマンライブという当初のBiSが掲げていた目標も含まれているんでしょう?

マナコ・チー・マナコ:そうですね。1期、2期で築き上げてきたものを引き継いで大きくしていかなきゃっていう。

──最初に公開された赤目、鼻血の写真を撮ることになったときはどう思ったんですか?

イトー・ムセンシティ部:あの写真は曲をレコーディングする前に撮影したんですけど、“いつもと違う感じにしたいよね”っていう意見が出る中、“じゃあ、赤目にしちゃおうか”って。その場のノリなんです。

マナコ・チー・マナコ:最初は赤目だけだったんだけど、鼻血も追加でって(笑)。

トギー:面白かったですね。“そう来たか”って。

チャントモンキー:赤目と鼻血の組み合わせなんて誰もやってないだろうから嬉しかったですね。
■全員が素人。オーディションに受かっただけの普通の人なので
■女のコたちに勇気や希望を持ってもらえるんじゃないかな

──さすがBiS。動揺なしですね(笑)。ではアルバム『Brand-new idol Society』のリードトラック「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」を聴いたときの感想は?

チャントモンキー:最初、この曲はいまと譜割りが違って“残念なひとだね”とか“行かなくちゃ”っていうところがもっと強い感じで人をバカにしたように歌っていたんですけど、最終的には羽ばたいていくような爽やかさと美しさがある曲になったので、メンバーと“これは第3期BiSの始まりの曲だね”って話していました。

マナコ・チー・マナコ:最初は過去のBiSについて歌ってる歌詞なのかなと思っていたんですけど、第3期の出発を後押ししてくれる曲になりました。それで振り付けも羽ばたいていく動きに変わったんです。

──歌詞の最後は“3度目の行かなくちゃ”ですものね。

トギー:BiSは初期から“行かなくちゃ”ってフレーズを使っているんですけど、今回もサビで“行かなくちゃ僕ら”とか何度も歌っているので、まさにいま、そう思っています。

イトー・ムセンシティ部:1期でも2期でも使っている言葉なんですが、音楽プロデューサーの松隈ケンタさんが“今回はメロディと音のはめ方が違う。第3期のためにこだわって作ったんだよ”っておっしゃってくれたのが印象に残っています。
──第3期BiSの決意表明のナンバーですね。アルバムにはさっき話してくれた5人の期待と不安が詰まっていますが、リリースに先駆けて限定でDropboxでの無料配信されていた「STUPiD」は痛快なギターロックナンバーですね。歌もキテるし歌詞も強烈で思わず笑ってしまいました(笑)。

チャントモンキー:歌詞はWACKっぽいなと思いました。“だいたいが馬鹿しか聞かない歌だし”って歌ったあとに“今言ったこと全部嘘だから”っていう裏切りが楽しいなって。“死ぬほど楽しんでおこうよ”っていうのも一連のいままでの流れがあるからこそ光る言葉だなと思いました。マナコ・チー・マナコ:バンドサウンド色が強い曲ですね。間奏に長めのギターソロとうねるベースが入っていて、これはアイドルファンだけじゃなくロックバンドが好きな人もハマってくれるんじゃないかなって。強くお勧めしたい曲ですね。

ネオ・トゥリーズ:濁したりしないでストレートに歌っているのでBiSの状況にも当てはめられますね。自分たちが変えていかなきゃいけないんだって歌うときに気合いが入ります。
▲トギー

──個人的には“誰かのこと考えてちゃやっぱだせえな微笑みが”っていうところがツボです。

イトー・ムセンシティ部:私もこの曲の歌詞、すごく好きですね。天邪鬼で不器用な感じが出ていて“嘘だから”っていうのもかわいい。

トギー:私は“でもまだまだ始まらない だから死ぬほど楽しんでいきたい”っていうところが好きですね。これから何度もライブで歌っていく内にきっとデビュー当時のことを思い出すんだろうなって。

──ライブで盛り上がりそうですね。アルバムにはメンバーが作詞した曲も入っているのでぜひエピソードを教えてください。

マナコ・チー・マナコ:私が作詞した「strawberry girl」はピアノのきれいなイントロから始まるんですが、かなりハードでカッコいい曲です。

──タイトルはかわいいけど、けっこう物騒な歌詞ですよね。

マナコ・チー・マナコ:清純派アイドルが悩んで自分の殻を破っていく内容なんですけど、自分自身と重ねて書いた歌詞でもあるんです。私は学生時代は優等生で親にも期待されていたんですけど、“こんな人生に意味があるのかな?”って平凡な自分に嫌気がさした時期があったので、そのときの心境を投影させています。“いちごマシュマロ?”とか“乙女チック?”とか、かわいい言葉を使いつつ“殺ったるぞカス野郎”って思いきり否定していたりとか。それと“不法占拠”“希死念慮”、“自己嫌悪”というところはマイナスな言葉を並べているだけではなく韻を踏んで書いています。
▲イトー・ムセンシティ部

──過去の自分をぶち壊せという想いもあったんですね。

マナコ・チー・マナコ:はい。だからBiSに入った面もあるので。

──ネオ・トゥリーズさんは?

ネオ・トゥリーズ:私は「1,2,3!!!」という曲で作詞させてもらったんですけど、ストーリーではなく“脳みそ”とか入れたいなと思う単語を並べて“これ、どういう意味なんだろう?”って想像してもらえるような面白い歌詞にしたいなって。

──シュールで踊れる曲で炸裂していますね。

ネオ・トゥリーズ:っていうふうに聴かれたらいいなって。

トギー:私は「ナンデスカ?」っていう曲の歌詞を書いたんですけど、大人にだまされちゃダメだよっていう内容です。“心隠し近づいてくるよ”っていうのはだまそうとしている大人のこと。間違った方向に行きたくないので自分を戒める歌です。

──サビで“おー母ちゃん 父ちゃん”って歌っているのがインパクトあるんですが、どこから思いついたんですか?

トギー:デモの仮歌が私には“母ちゃん 父ちゃん”に聞こえたんです(笑)。なので信用できる存在として“姉ちゃん 兄ちゃん”も出てきます。

イトー・ムセンシティ部:私が書いたのは「teacher teacher teacher」です。アルバムの中でもかなりポップな曲なので暗い内容は合わないなと思って、“私が書けることってなんだろう”って。で、新潟から上京する前に書いたので家の前の田んぼを見て田植えの授業のことを思い出しながら書きました。
▲チャントモンキー

──え? これ田植えの歌なんですか? 

イトー・ムセンシティ部:そうです。“足ぬかるみ うまいこと進めない”とか“泥まみれ”とか。先生にもうちょっと丁寧にできるよって歌っている曲。

──先生に恋してる歌かと思いました(笑)。

イトー・ムセンシティ部:そう捉えられるかなと思いながら。ほかにも歌詞は書いたんですけど、それは恋愛ソングなんですよ。唯一の田植えの歌がまさかのOKになってしまったんです(笑)。

──みなさん視点がユニークなので、どんどん歌詞を書いたほうがいいと思います。アルバムの全体像としてはどう捉えていますか?

チャントモンキー:いままでアイドルが歌ってこなかったような曲や“これ歌って踊るの?”って思うような曲とか全然タイプの違う曲が入っているアルバムなので何回聴いても飽きない。すごく面白いアルバムになったと思います。

──確かに。第3期BiSの野望は?

マナコ・チー・マナコ:日本武道館って言いたいところなんですが、いまは大きい目標すぎてまだ現実味がないと思っているんです。

イトー・ムセンシティ部:そう。いま見るべきところはそこじゃないよねってメンバーと話してるんです。

マナコ・チー・マナコ:いまは目の前のことをがむしゃらにがんばって、どこに行っても人が集まってくれるグループになれるように。

──9月から初の東名阪ツアーもスタートしますね。

イトー・ムセンシティ部:そこでみんなの心をつかんで。

ネオ・トゥリーズ:一生懸命、目の前の目標をクリアして次に進んでいきたいと思ってます。

トギー:WACKのほかのグループのファンの方からも第3期BiSを認めていただいて好きになってもらえるよう頑張ります。

──第3期BiSのキーワードは?

チャントモンキー:全員が素人。オーディションに受かっただけの普通の人なので、ここから自分たちが変わっていけたら、女のコたちに勇気や希望を持ってもらえるんじゃないかと思ってます!

取材・文●山本弘子

※なお、当初のメンバー、マナコ・チー・マナコが方向性の違いを理由にデビュー前日にグループを脱退したため、BiSは4人体制で8月18日に東京・中野heavy sick ZEROで初ワンマンライブ「THiS is BiS」を開催。ライブでは新メンバーのオーディションを実施することがアナウンスされた
リリース情報

New Album『Brand-new idol Society』
2019年8月14日(水)発売
CRCP-40585/¥3,000(tax in)/全13曲収録
【収録曲】
1. STUPiD
2. BiS-どうやらゾンビのおでまし-
3. SURRENDER
4. リフレイン
5. BiS3
6. this is not a love song
7. 1,2,3!!!
8. absolutely meeeeee!!
9. ナンデスカ?
10. thousand crickets
11. teacher teacher teacher
12. strawberry girl
13. LET'S GO どうも

ライブ・イベント情報

<PAiNFUL TRiCKY SADiSTiC DEADLY TOUR>
2019年
9月14日(土)東京・下北沢SHELTER
9月21日(土)大阪・Live House Pangea
10月12日(土)愛知・新栄DAYTRIVE

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