L→R 明希(Ba)、マオ(Vo)、ゆうや(Dr)、Shinji(Gu)

L→R 明希(Ba)、マオ(Vo)、ゆうや(Dr)、Shinji(Gu)

【シド インタビュー】
キャリアを重ねたからこそ
シンプルなことがやれる

今回の歌詞はストレートだけど、
入口はちょっとひねくれている

では、各自が思うこのタイミングだから生まれた曲を教えてください。

ゆうや
僕は「デアイ=キセキ」ですね。

アルバムの中でも異色なアプローチですね。

ゆうや
立ち位置が違いますよね。ドラムもベースも打ち込みで、生音がShinjiのギターだけなんですけど、それがいいなって。繰り返しで展開していく曲調、ノリやすいテンポ感が癖になる曲にしたくて。サビではずっと同じことを歌っているんですが、それもシドにはなかったものなので面白いと思ったんです。シンセももっとふんだんに入れられる曲調なのに、メロディーに寄り添っている在り方。ライヴでお客さんがクラップして、サビでは一緒に歌ってもらいたいと思っています。
マオ
僕は「手」です。自分の小さい頃のことを思い出しながら書いた歌詞で、最初に出てくる“手”は祖父の手なんです。亡くなった直後は悲しくて書けなかったと思うんですけど、“頑張れてるよ”って想いを込めました。

その歌詞はフォーキーでエキゾティックな曲調からインスパイアされたんですか?

マオ
これも「承認欲求」と似たところがあって、曲調は民俗的だったり、幻想的な内容になるのかもしれないけれど、それとはちょっと違うことを書いてみたいなって。今回のアルバムの歌詞はストレートですけど、入口はちょっとひねくれているんです。

なるほど。小さい頃の原風景を歌詞として描いていった感じですか?

マオ
そうですね。実家は田舎なのですごく緑が多いんですよ。レコーディングブースで歌う時も夏の暑い日の空や情景が浮かんでいましたね。

明希さんはどうでしょうか?

明希
僕は「Trick」です。

スピード感があってもっともロック色の強い曲ですね。

明希
コード感で聴かせるというか、リフをテーマに書いた曲ですね。コード進行が王道ではない…歌謡曲のコード進行は一切使ってなくて、メロディーは自分節ですけど、過去のシドにはない響きの曲なのかなって。

間奏にUKロックのテイストを感じました。

明希
ベースのセクションがあるんですけど、リフでゴリゴリ押すのではなく、美しいトーンで響かせたいと思いましたね。ライヴでボルテージが上がる曲というより、この曲のロックな世界に入って聴き入る感じなのかなと。
Shinji
僕はさっきも触れましたけど、新しい作り方をした「承認欲求」ですね。デモの段階では“アコギ1本で伝わるのかな”と思ったんですけど、むしろ伝わらないと駄目なんだろうなって。今までアレンジありきで作ってきたので、この曲が生まれたことによって可能性が広がったと思いました。

「ポジティブの魔法」や「淡い足跡」も非常にシンプルで、だからこそ歌も音も染み込んでくるというか、大人のやさしさを感じました。

マオ
4人とも最近やさしくなってきましたからね。この前も車に轢かれそうになっていたダンゴムシを横にどけてあげたりとか(笑)。昔の自分にはそういう余裕はなかったので。

(笑)。そんなところもアルバムにつながっている?

ゆうや
どんなところですか!?(笑) 「ダンゴムシ」っていう曲を書いたほうがいいかもしれないですね。

ははは。では、9月から始まる全国ツアーはどうなりそうですか?

ゆうや
『承認欲求』ってシドの過去のアルバムの中でもかなり濃厚だと思うんです。ホールならではの見せ方でシドの世界観を満たして、お腹いっぱいになってもらいたいですね。
明希
僕らにとっても久しぶりのホールツアーなので、まずは自分たちの新しい楽曲をとことん楽しんで、新しい1ページを刻みたいと思います。
Shinji
シンプルと言いつつ、ノリノリの曲もあるのでライヴでのアレンジも楽しみにしていただけたら。“シドってライヴのほうがいいじゃん!”って思ってもらえたらいいですね。
マオ
ホールなので立って騒いでもいいし、落ち着いて観てもいいし、お客さんに選択肢があるから、みんながしっかり楽しめるライヴにしたいですね。感動とか、いろいろな感情を持ち帰れるのがシドのライヴの良さだと思うんです。それで次にまた会いに来てくれる。そういう連鎖がこれから先もずっと続いていったらいいなと思ってます。

取材:山本弘子

アルバム『承認欲求』2019年9月4日発売 Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤A(DVD付)】
    • KSCL-3180〜1 
    • ¥3,611(税抜)
    • 【初回生産限定盤B(写真集付)】
    • KSCL-3182〜3 
    • ¥3,611(税抜)
    • 【通常盤】
    • KSCL-3184 
    • ¥2,870(税抜)

『SID TOUR 2019 -承認欲求-』

9/13(金) 千葉・森のホール21 ※ID-S限定
9/14(土) 千葉・森のホール21
9/23(月) 群馬・ベイシア文化ホール(群馬県民会館)
9/25(水) 神奈川・カルッツかわさき 
10/05(土) 宮城・東京エレクトロンホール宮城 
10/12(土) 埼玉・大宮ソニックシティ 
10/14(月) 岡山・岡山市民会館 
10/19(土) 大阪・大阪国際会議場メインホール 
10/20(日) 大阪・大阪国際会議場メインホール 
10/22(火) 福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール 
11/02(土) 愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール 
11/03(日) 愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール 
11/05(火) 東京・中野サンプラザ 
11/06(水) 東京・中野サンプラザ 
11/09(土) 新潟・新潟テルサ 
11/13(水) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
11/21(木) 東京・東京国際フォーラム ホールA

シド プロフィール

シド:2003年結成。08年、TVアニメ『黒執事』オープニングテーマ「モノクロのキス」でメジャーデビュー。10年の東京ドーム公演では4万人を動員。結成10周年となった13年には初のベストアルバム『SID 10th Anniversary BEST』をリリースし、オリコンウィークリー1位を獲得。同年、横浜スタジアムで10周年記念ライヴを開催し、夏には初の野外ツアーで4都市5公演で5万人を動員し大成功を収める。16年1月、シングルベストアルバム 『SID ALL SINGLES BEST』を発表。18年はバンド結成15周年&メジャーデビュー10周年のアニバーサリーイヤーとして、計50本以上にも及ぶ全国ライヴハウス公演やアジアツアーを実施し、19年3月にグランドファイナルとして横浜アリーナ公演を大成功に終えた。20年3月にシングル「delete」を発表。11月より3作品連続配信を経て12月23日にシングル「ほうき星」をリリースする。21年には自身初の配信ライヴと河口湖ステラシアターでのライヴも控えている。シド オフィシャルHP

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