【超特急 ライヴレポート】
『EUPHORIA~Breakthrough,
The Six Brave Stars~』
2019年8月8日
at パシフィコ横浜 国立大ホール
膝の負傷などの体調不良により、メインダンサーのユースケがツアーの途中より休養に入っているが、メンバーたちの彼に対する想いがさまざまなかたちで伝わってきたのも、このライヴの印象的なところだった。ユースケの代わりに5人が交代でハイテンションに叫んで8号車を盛り上げていた「バッタマン」。タクヤが鬼教官となってメンバーたちをしごきまくっていた「SAY NO」。ユースケの顔をプリントした、彼のイメージカラーの黄色のTシャツを着た5人が、元気いっぱいにパフォーマンスを繰り広げていた「超特急です!!!!!!!!」(ユースケが作詞作曲)…その他にも、たくさんの場面が思い出される。このライヴのために用意された8号車のイメージカラーであるピンク色の衣装に、ユースケのイメージカラーの黄色がさりげなく差し色として使用されていたのも粋だった。「8号車との歌」(ユースケが8号車のことを想って作詞作曲をした曲)を、8号車、ユースケの色も含むペンライトで描いた“8”という文字で締め括った瞬間にも、心を動かされた人がたくさんいたに違いない。
ペンライトの消灯がアナウンスされた中盤のコーナーで、レーザー光線、紗幕、グラフィックなどをダイナミックに駆使したパフォーマンスが繰り広げられたのも、大きな観どころだった。リョウガのキーボード演奏とユーキの情感豊かなパフォーマンスが融合する姿に息を飲まされた「Beautiful Chaser」。哀愁に満ちたメロディを一心に歌い上げたタカシ、多彩な表情を浮かべながらしなやかに踊ったタクヤが美しい空間を作り上げていた「霖雨」。カップルのように顔を近付けるカイ、リョウガのダンスが8号車の悩ましい歓声を誘っていた「LIBIDO」。ペアによる斬新な切り口で披露された3曲は、メンバー各々の表現力がますます高まっていることを強く実感させてくれた。
“6人体制になって、いろいろなことがありました。ツアーの途中でユースケの休養の発表があって、8号車のみんなに心配をかけたと思います。でも、僕たちは数々のことを乗り越えてきました。また6人揃ってライヴをする日を楽しみにしていてください。結成した時からの夢、東京ドームに向かって突き進んで行きたいです。誰ひとり、欠けちゃいけないと思ってます。それは8号車もだよ…”。涙を堪えながら届けられたユーキのMCのあとに披露された「a kind of love」は、メンバーたちが抱いている気持ちを象徴する曲として、真っ直ぐに迫ってきた。6人の活動の軌跡を辿る写真がスクリーンに次々と映し出され、歌声が美しく響き渡り、8号車の心を強く動かしているのを感じた。
終演後、『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020「Revolución viva」』の開催がムービーで発表された。年末の12月21日&22日に大阪城ホール、年明けの1月3日&4日&5日に国立代々木競技場 第一体育館という大舞台が彼らを待っている。今回のツアーによって結成当初から目標のひとつとして掲げられてきた全国開通(単独公演で47都道府県を制覇するという意味)が達成されるが、超特急の力強い前進は続く。メンバー6人の絆の深さと、8号車への愛に満ちていたこのライヴは、今後の彼らの活動への期待を大いに高めてくれた。
撮影:米山三郎、深野輝美、笹森健一、小坂茂雄/取材:田中 大
関連ニュース