【インタビュー】<もののけ祭り>「
革新的な表現を行う伝統芸能、音楽、
造形のアーティストが集うまったく新
しい唯一無二の祭り」

長野県戸隠で、2019年8月31日(土)「天鈿女命の新月祭」、9月1日(日)は「天手力雄命の太陽祭」をテーマに<もののけ祭り>が開催される。

<もののけ祭り>は、日本の芸能を革新的に表現することをコンセプトとし、音楽、伝統芸能、アートの分野のアーティストたちが、唯一無二の祭りを目指す。
本祭りには、オリエンタリズム 、KAIRI 、佐藤健作、SARO、酔月、東京月桃三味線、花柳凜、YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ)、源光士郎、Nyantora、duenn、Lemna、SANDHYA、subunyuma、佐藤タイジ切腹ピストルズ、TURTLE ISLAND 、Monaural mini plug、能勢聖紅、造景集団 某(もののけファイヤーモニュメント)の参加が決定している。

そんな<もののけ祭り>の主催者、腰塚光晃にこの催しの見所を聞いた。
■誰の真似もしていないオリジナルの表現をしている
■本物を集めています

──<もののけ祭り>はどのようなイベントでしょうか?

腰塚光晃(以下、腰塚) <もののけ祭り>は、革新的な表現を行う伝統芸能、音楽、造形のアーティストが集うまったく新しい唯一無二の祭りです。ここ数年、一気に増えたフェスとは一線を画すイベントで、あくまでも日本の祭りにこだわってプロデュースしています。

──はじめたきっかけを教えてください。

腰塚 戸隠に10年以上通ってできた地元の仲間から「腰塚さんのネットワークを使って、戸隠でなにかやってみてもらえませんか」と提案をいただいたのがきっかけです。その瞬間に、過去にできたご縁の点が、一気に線としてつながり、この祭りのビジョンができていました。

──カメラマンである腰塚さんがなぜ総合演出をしているのでしょうか?

腰塚 一言で言ったらご縁。戸隠の神の導きだと思っています。5年前に東京・中目黒に開いた、着物をファッションとしてアップデートさせる着物屋「KAPUKI」(http://www.kapuki.jp)、昨年、江戸とかぶくをテーマに出版した新和文化雑誌「ぶ -江戸かぶく現代-」(https://camp-fire.jp/projects/55086)、この流れから日本の伝統芸能において、伝統を守りながらも革新させるたくさんの表現者とのご縁をいただきました。

その方たちは、インディペンデントがゆえ、個でありながらも勇気と本気度が違いました。その個を座にしてに世に発表する。日本をもっとスタイルのある国にするために、彼らに光を当てもっとみなさんに知ってもらいたいと思ったのです。その意味では、写真に写して伝えることと、表現の場(今回の祭り)を作って伝えることは、光を当てるという意味で一緒だと思っています。

──出演者の人選はどのようなところに気を使ってまいますか?

腰塚 誰の真似もしていないオリジナルの表現をしている本物を集めています。あえて、メジャーやスタンダードを意識していません。そういうイベントはいくらでもありますから。日本にとって、本当にかっこいい表現、祭りとは?それがブッキングの最大のテーマです。あと革新的でありながらも戸隠に似合うこと、これは絶対でした。

──戸隠を会場として選んだ理由を教えてください。

腰塚 自分は仕事で日本中、世界中を見さてもらいましたが、ここまで、清らかで、オリエンタルでかっこいい場所はなかなか無いと思っています。そして何より気候が爽快です。本当に空気が美味しいと感じれる場所です。8月末、平地の気温が35度なら、戸隠は25度以下。10度は下がります。そして湿度も下がる。朝晩は少し冷えるかもしれません。

また、戸隠には奥社の参道の杉並木など、先人が作った素晴らしい空間がいくつもあります。行ったことのない人は絶対行ってほしいです。奥社の参道の随神門をくぐると、一気に空気が変わるハンパない結界感、その空間デザインは想像を超えています。これを400年前に作った先代は自分が死んだ後のことをイメージして作ったにちがいありません。現代人は自分が生きるのに精一杯ですが……長い歴史の中で、類まれな文化を作ってきた最大の理由は、やはり荘厳な戸隠山の姿だと思います。この戸隠山を背景に人力によって建てられた縄文やぐら。その上で表現される革新的なパフォーマンスとの出会いはキセキに近いかも知れません。
■すべてのアーティストに
■いつもとは違った表現をリクエスト

──31日が「天鈿女命アメノウズメの新月祭」、1日が「天手力雄命アメノタヂカラオの太陽祭」これらサブタイトルにはどのような意味が込められていますか?

腰塚 戸隠は神話「天岩戸伝説」に関わる土地です。昔、天照大神が、弟の素戔鳴尊の乱暴を怒って天の岩屋へ隠れてしまいました。すると世の中は暗闇に閉ざされ様々な災いが起こります。天照大神を岩屋の中から導くために八百万の神は集まり、芸能の女神アメノウズメが舞を行い天照大神を岩屋から誘い出す作戦を練ります。アメノウズメの舞によって岩戸の外では八百万の神が乱痴気騒ぎ。それを耳にした天照大神は気になってついに岩戸を開けます。その瞬間に天照大神が二度と隠れないように、力の神アメノタヂカラオが岩戸を遥か遠くに投げてしまいます。その岩戸を投げた先が戸隠。戸隠山がその岩戸と言われています。そして世界には光が戻り、平和が復活するのです。

8月31日(新月)の<アメノウズメの新月祭>は、伝統芸能の花柳凜の「かぶき踊り」、歌姫コムアイのYAKUSHIMA TREASURE、酔月の火舞、デジタルコンポーザーのLemnaが芸能の女神、現代のアマノウズメと化して圧倒的表現で光を導きます。一転して9月1日はアメノタヂカラオをイメージした男祭り。血湧き肉躍る日本のグルーヴをさまざまなアーティストがMAXまで引き上げていきます。

──各パフォーマーの見どころを教えてください(特に音楽の方)。

腰塚 すべてのアーティストに「もののけ祭り」「戸隠」ならではの、いつもとは違った表現をリクエストしています。実際、何組かのアーティストは戸隠に下見に行ってくれました。また、タイムテーブルにない飛び入りアーティストも何組か控えています。皆さん、それぞれのジャンルではトップの方です。

──芸術祝祭空間はどのようなスペースでしょうか?

腰塚 かぶく現代アーティストの手書きによるたくさんののぼり。茅葺き職人による茅葺きドーム、巨大彫刻、祭りの最後に点火され火柱を上げる高さ5m以上のもののけファイヤーモニュメントなど、天然素材で作られた大型作品が会場の周辺をデコレーションします。

──音楽以外にはどのような楽しみ方ができるでしょうか?

腰塚 <もののけ祭り>は、フード・ドリンクも唯一無二を目指して野外初出店の個性的な店を多数集めました。野菜など材料の調達は地元の農家さんから行います。戸隠の高原野菜はとにかく美味しい! 三大そばといわれる絶品戸隠そばも用意しています。また、戸隠神社をはじめとした五社、鏡池、随身門の杉並木など絶景パワースポットが車で30分圏内にあり、半日あればそのほとんどを回れます。少し早起きすれば、開演前の午前中に日本有数の神域を体感できます。
▲腰塚光晃

<もののけ祭り>

2019年8月31日(土)〜9月1日(日)2days
8月31日 開場9:00/開演12:00/終演24:30予定
9月1日 開場9:00/開演12:00/終演21:00予定
場所:戸隠スキー場(長野県長野市戸隠3682)
主催:もののけ祭り実行委員会
実行委員長、総合演出:腰塚光晃(株式会社MORE VISION tokyo/戸隠百年構想)
共催:株式会社 戸隠、戸隠百年構想
後援:一般社団法人戸隠観光協会、長野市
総合プロデュース:株式会社MORE VISION tokyo
制作:microAction(橋の下世界音楽祭 主宰)
1日券6,000円 2日通し券9,000円 駐車場1日1,000円 中学生以下入場無料
問い合わせ:info@mononoke-matsuri.jp

・雨天決行、荒天の場合はスキー場レストハウスシャルマンにて開催
・地震などの天災及び戦争、テロなど影響で祭りがキャンセルとなった場合の返金はございません。

<出演者>
■8/31
オリエンタリズム / KAIRI / 佐藤健作(和太鼓) / SARO / 酔月(火舞) / 東京月桃三味線 / 花柳凛 / Nyantora / duenn / 源光士郎 / YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ) / Lemna

■9/1
SANDHYA /佐藤タイジ / 切腹ピストルズ / TURTLE ISLAND /Monaural mini plug /sabunyuma

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