カワイのハイブリッドピアノ「NOVUS
」がより身近に、アップライトピアノ
アクション搭載「NV5」登場

河合楽器製作所のハイブリッドピアノ「NOVUS(ノーヴァス)」シリーズから、奥行き43cmのスリムなボディにアップライトピアノのアクションを搭載したハイブリッドピアノ「NOVUS NV5」が登場。10月4日より発売される。8月7日に開催された製品発表会にはピアニストの小池美奈さんが登場し演奏を披露、その魅力を語った。

「NOVUS NV5」は、河合楽器製作所の創立90周年記念モデルとして2017年に発売された「NOVUS NV10」に続くハイブリッドピアノ「NOVUS」シリーズの新モデル。「NOVUS NV10」は、ピアノメーカーならではのこだわりの音質とグランドピアノを弾いているようなナチュラルなタッチ感、デジタルならではのBluetoothを活用した多彩な機能や高音質のヘッドホン再生、豊富なメニューをスマホ感覚で操作できるカラー液晶タッチパネルなどを搭載し、好評を得ている。
▲奥行きわずか46cmのスリムなボディに機能を濃縮した「NOVUS NV5」。外装は黒塗艶出し塗装仕上げ。サイズは149×46×110cm、重量は113kg。

今回登場の「NOVUS NV5」は、コンパクトなボディにアップライトピアノのアクションを搭載し、ハイブリッドピアノをより身近にしたモデルとなっている。

アクションはカワイのアップライトピアノ「Kシリーズ」に搭載のウルトラ・レスポンシブ・アクションIIをベースに設計。アクションパーツには、カーボンファイバー入ABS樹脂を使用し、優れた連打性、高い弱音コントロール性能を実現している。「NOVUS」は弦を備えず、ハンマーの動きを検出することで発音するが、「NOVUS NV5」ではハンマーの動きをより正確に検知する非接触型光センサーを搭載し、鍵盤タッチに影響を及ぼさない設計となっている。また、アコースティックピアノと同様に、鍵盤ごとに異なるハンマーの重さも再現。ダンパー機構も搭載し、ダンパーペダルを踏んでいる時と踏んでいない時のタッチの違いを再現している。
▲発表会の展示では鍵盤部を抜き出したモデルも用意。長い鍵盤長と支点長により鍵盤の奥側でも弾きやすく、繊細なタッチコントロールが可能。
▲こちらは内部の機構がわかるよう前面にクリアパネルを取り付けた展示用のモデル。上にある88鍵分のハンマーはすべて重さが異なる。
▲アコースティックピアノのフェルトの代わりに、本器ではABS樹脂のハンマーを使用。88鍵分のハンマーそれぞれの動きを非接触型光センサーで検出して音を出す仕組みとなっている。

アコースティックピアノの響きは、カワイのピアノの技術とオンキヨーのテクノロジーにより再現される。音源にはShigeru Kawaiフルコンサートピアノ「SK-EX」の音色を搭載。ステレオにとどまらないマルチチャンネルによるサンプリングと88鍵共鳴モデリングにより、全鍵盤それぞれ異なる奥行きのある響きや、アコースティックピアノ特有の豊かな共鳴音を忠実に再現。強打音から弱打音まで「SK-EX」の音色をリアルに表現する。

アコースティックピアノならではの音色を再現するため「NOVUS NV10」にも搭載している、音の解像度を上げる技術やノイズ低減回路、ヘッドホン音質を向上させるアンプや、スピーカーの音質を向上させるパワーアンプなど、オンキヨーのハイクラスオーディオ機器と同じ技術を「NOVUS NV5」にも採用した。また、オンキヨーと共同開発した響板スピーカーの搭載も大きな特徴。低音域用、中高音域用にそれぞれ異なる加振器を備え響板を振動させ、広い帯域で音を響かせる。これによりピアノらしいダイナミックな響きを再現する。
▲天面には中音域用のトップスピーカー×4と高音域用のドームツイーター×2を搭載(写真左)。丸みをおびたコーナー部のデザインも魅力。鍵盤下(写真右)にはUSBメモリーを接続するUSB to Device、PCなどと接続するUSB to Host、MIDI入出力、ライン入力/出力、ヘッドホン端子などを配置。
▲背面下部の響板の内側には中高音用と低音用の2つの加振器が取り付けられている。天面のスピーカーとの組み合わせでBluetooh Audioからの音楽再生でも迫力あるサウンドを提供する。

ルックスは、スリムでモダンなデザインと人気のファブリックをスピーカー部に採用し、よりスタイリッシュな仕上がりに。アクション機構を搭載しながらも奥行き46cmとスリムなスタイルを実現した。また、両サイドのコーナーの部分をラウンド仕上げとするkとで、よりモダンな外観としている。黒艶塗装の天面には、デンマークのテキスタイルブランドKvadrat(クヴァドラ)のスピーカー専用ファブリックを備え、高級感を演出している。
▲鍵盤左にはスマホライクに操作できるタッチパネルを搭載(写真左)。ペダルはハーフペダル対応のダンパー、ソフト、ソステヌートの3本(写真右)。

デジタルならでの機能としては、上位モデル「NOVUS NV10」に搭載されている豊富な機能を踏襲。好みのサウンドにピアノを調整できるコンサートチューナー機能、立体感と臨場感のある音を再現するスペイシャル・ヘッドホン、スマホ内の曲をピアノ本体から鳴らせるBluetooth AudioやBluetooth MIDIなどを搭載。カラー液晶タッチパネルにより、タッチ、スワイプなどスマホ感覚で直感的に操作することができる。
▲演奏を披露したのは、「NOVUS NV5」のプロモーションムービーにも登場しているピアニストの小池美奈さん。桐朋学園大学音楽学部卒業後ニューヨークへ渡米、マネス音楽院で修士課程修了。2011年11月にデビュー・アルバム「Daisy」をリリース。国内外の数々のコンクールで受賞、2016年にはカーネギーホールで演奏。2018年春、大阪フィルハーモニー交響楽団との共演を果たしている。

8月7日に行われた発表会には、ピアニストの小池美奈さんが登場。「ショパン エチュード 変イ長調 Op.10-10」など2曲を演奏した。音源はデジタル、タッチは本物のアクションを搭載した「NOVUS NV5」を演奏した感想を求められると、「タッチはアコースティックピアノそのものという感じ。タッチに対する音の出方もとてもよくできていて、まるでアコースティックピアノを演奏しているように楽しめました。また、アコースティックピアノ以外でダンパー機構が付いたものを初めて体験させていただいたのですが、ペダルを踏んだ時にタッチが軽やかになるところまで再現されているのはとても驚きでした」とコメント。

「NOVUS NV5」の本体背面には響板スピーカーを搭載し、本物のアコースティックピアノと同様に響板が響いて音が出る仕組みとなっているのが従来のデジタルピアノとの大きな違いだが、この点についても言及。「響板のおかげでアコースティックピアノと同じような響きを再現されてるんじゃないかなと感じました。また、弾いている時に、特に低音の深い響きを求めて打鍵した際に、ピアノから返ってくる振動を手に感じることができて、かなりアコースティックピアノに近いんじゃないかなと感じました。」
外見についても一言。「アップライトピアノの形状というと、とても伝統的なイメージがあると思うんですが、見てもおわかりのようにとてもスリムで、モダンでスタイリッシュですごく素敵なものだなと感じております。最近のリビングなんかにとても合うんじゃないかと思います」と笑顔。

最後はデジタルピアノならではの機能について。「音量の調整が効くことや、ヘッドホンをつけての練習が可能なこと。また、演奏したものを録音できるという機能は、とても便利だなと思いました」とUSBメモリーへの演奏録音機能を評価。ピアノの練習では「第三者の目がとても大事」という小池さん。「アコースティックピアノで練習している時も携帯電話で録音をして、練習を自分で客観視するということをするので、その機能がすでにピアノに付いてるっていうのは、とても便利だなと感じました。」
製品情報

◆NOVUS NV5
価格:650,000円(税別)
発売日:2019年10月4日

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