THE YELLOW MONKEY、たまアリで祝う
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Photography_Mikio Ariga
Text_Takanori Kuroda
パルテノン神殿に舞い降りた神々のよう
筆者が目撃したのは、6日に行われた「
「今日と明日は、バンド再集結のスペシャルナイトにしたいと思っています!」と、吉井がMCで意気込みを語ると、3万人を超すオーディエンスから割れんばかりの拍手が巻き起こった。
オープニングは、ステージを囲うように幾本もの光の束が天井に向かってそびえ立ち、その中にメンバー4人とサポート・メンバーである鶴谷崇(Key)の姿が浮かび上がる。その光景はまるで、パルテノン神殿に舞い降りた神々のよう。冒頭では、吉井がタンバリンを打ち鳴らしながらステージ狭しと走り回り、エマこと菊地英昭(G)も、フロアを煽るかのようにトレードマークのフライングVを唸らせる。かと思えば「砂の塔」では、往年のブリティッシュ・ロックを彷彿とさせるような、憂いを帯びたアルペジオをエマが奏で、それとは対照的なヒーセこと廣瀬洋一(B)の硬質なベースラインが空気を引き裂いていく。アニーこと菊地英二(Dr)の、力強いカウントダウンで始まった「Breaking The Hide」では、サイケデリックなマーブル模様がステージいっぱいに映し出され、その幻想的なサウンドスケープにうっとりと酔いしれた。
1音1音とその隙間を大事にしたストイッ
クな演奏
そして、個人的にこの日のハイライトだったのが「天国旅行」だ。まずは、エマの長いギター・インプロヴィゼーションからスタート。フリーフォームで感情の赴くままギターを操りながら、たった1本でウォール・オブ・サウンドを構築していく。その分厚い壁を突き破るようにアニーのドラムが打ち鳴らされ、うねるようなヒーセのベースとともに鉄壁のグルーヴを紡ぎ上げる。そんな唯一無二の幻想的なバンド・アンサンブルを背に、伸びやかで粘り気のある吉井の歌声が会場の隅々にまで行き渡った。
どこか昭和歌謡のレトロな趣すら感じさせるメロディと、英国ハードロック〜プログレ仕込みの洗練されたアレンジが有機的に混じりあっていく様は、まさに吉井の目論見どおりといったところだろう。バックスクリーンにはリキッドライトが怪しく蠢き、キメやブレイクとシンクロした眩ゆい照明が、まるで洪水のようにフロアに降り注ぐ。エンディングは再びエマのギター・インプロヴィゼーションだが、そこに鶴谷のピアノが加わり、まるで2人は会話を交わすかのように何度もフレーズを行き来させながら、余韻たっぷりに幕を閉じた。
4人(+サポート1人)によるオーガニックなバンド・アンサンブルと、それを引き立てるための照明や映像により構成されたステージ。おそらく「同期」の類いもほとんどないのだろう。昨今の、隅々まで音で埋め尽くした緻密なアレンジとは対照的な、メンバーそれぞれが放つ1音1音とその隙間を大事にしたストイックな演奏。そこには彼らが長い年月をかけて築き上げてきた、揺るぎない信頼関係が宿っているのだ。
ありったけの声援を送るオーディエンス
との絆
もちろん、強い絆で結ばれているのはファンも同じ。「SPARK」では、ステージから客席へと伸びた花道を吉井が駆け下り、「あなたたちの顔が見たかったー!」と呼びかけながら至近距離で歌い踊る姿に、ありったけの声援を送っている。リアルタイム世代から再集結以降の若い世代まで、老若男女たくさんの笑顔に囲まれた吉井は「すごい、俺だけライブハウスにいるみたいだぞ。さいたまスーパーアリーナ、やっぱり絶妙に最高だな!」と興奮交じりに叫んだ。
それにしても今から25年前、THE YELLOW MONKEY解散のニュースを目にした時には、まさかこうして4人が再び集結し新作まで作ってツアーを回ってくれる日が来るなど夢にも思わなかった。そして、それをこうして2世代にわたるファンと共に見守っているなんて。
「この25年の間に、メンバーそれぞれ色んなことがあった。きっとみんなにも色んなことがあったと思います。そんな日々に捧げます」と告げたあと「バラ色の日々を」を熱唱する吉井。「次に出す10枚目のアルバムが、本当の意味での新作になると思います。いつになるかわかりませんけど!(笑)」と、次なる展望を語り、「ありがとう、愛してます。ずっと!」と叫んでステージを後にした。
ツアーの折り返し地点で「再集結のスペシャルナイト」を行なったTHE YELLOW MONKEY。翌日の終演後には、「30」の文字とカウントダウンがスクリーンに表示されたという。すでに特設サイトも立ち上がっており、残りのツアーも含め、今後の展開が楽しみだ。
THE YELLOW MONKEY
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特設サイト
THE YELLOW MONKEY、たまアリで祝う!はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
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