サラ・オレイン、クラシック音楽の殿
堂で“令和初”のコンサートを開催 
数々のサプライズで観客を魅了

サラ・オレインが、クラシック音楽の殿堂であるサントリーホール 大ホールにて“令和初”コンサートを開催した。オフィシャルのレポートが届いたので紹介する。
2019年7月15日(月・祝)サラ・オレインが脚本、舞台演出をトータルで手がけてた『Sarah Àlainn Symphonic Concert 2019』が行われた。
去る5月12日にイタリア・ミラノ近郊ブッセート市にあるヴェルディ劇場で初の海外公演を大成功させたのも記憶に新しいサラが満を持して日本で開催するのは「シンフォニック・コンサート」。マエストロ鈴木織衛のタクトによる日本を代表するオーケストラ、東京フィルハーモニー交響楽団、さらにイーリアン・パイプス他、多彩なメンバーと共にサラ・ワールドを繰り広げた。
コンサートの幕開けは「ネッラ・ファンタジア (Nella Fantasia)」。白いドレスに身を包み、客席から登場。巨匠エンニオ・モリコーネの名曲を披露。映画『ミッション』の劇中曲「ガブリエルのオーボエ」にイタリア語の歌詞を載せたこの曲では早速イーリアン・パイプスの独特な音色が響き渡る。壮大なオーケストラ・サウンドに乗ってサラは朗々と歌い上げ、冒頭から会場は大きな感動に包まれた。
続いてケルト音楽から「リバーダンス/Drowsy Maggie」。サラのヴォーカルに加えてヴァイオリンが躍動。変拍子「1.2.1.2.3.4……」を観客が手拍子で盛り上げる。実は“オレイン”とはゲール語で“美”の意味を持つのだそう。このコンサートではサラのルーツを辿り、サラの音楽人生を巡る構成であることが明かされる。トークではパフォーマンスと違った気さくなサラが垣間見え「今日はトークを削ってと釘を刺されました。さだまさしさんの気持ちがよく分かる」とアンコールまでMCをしなかったデビューコンサートとは全く違う能弁なサラが観客を笑わせた。
オーケストラをバックに自作のヴァイオリン曲「Animus」を演奏した後は、デビュー・アルバムに収録された「Breathe in Me」。イギリスを代表する作曲家エルガーの名曲であるチェロ協奏曲をモチーフに作曲作詞、亡くなった父への熱い想いを歌うサラ。続いてイタリア映画『イル・ポスティーノ』の主題歌で、ジョシュ・グローバンをはじめ多くのシンガーに歌われ愛されている「Mi Mancherai」。サラならではの一人二役=ヴァイオリンとヴォーカルの美しい掛け合いが印象的。
イタリア映画の曲の次は、日本が誇るジブリ映画の傑作『天空の城ラピュタ』から「君をのせて」。前半最後の曲は、世界的テノール、アンドレア・ボチェッリの2016年日本公演でデュエット相手に選ばれ共演を果たした「大いなる世界 Canto Della Terra」。フル・オーケストラとともに壮大に前半を締めくくる。
休憩を挟んでの後半、美しいブルーの着物を羽織り、ヴァイオリンを奏で登場するサラ。そして……突如現れたシークレットゲストに場内騒然!
StudioREN
なんとNHK WORLD “KABUKI KOOL”で共演中の片岡愛之助が登場したのだ。
サラが愛之助のために作曲し番組でも披露したヴァイオリン曲「Ai」をロング・オーケストラ・バージョンで本邦初披露、“情熱”をテーマに優美かつ決然とした強さを秘めて舞う愛之助。一夜限りの特別なコラボレーションが花開いた。
この完璧なサプライズに観客からは最大級の拍手が贈られ、会場の盛り上がりは最高潮に。「こんなサプライズがあるから、事前にプログラムを配るわけにはいけないでしょ?」とコンサートが終わってから毎回プログラムを配布していることに気配りを感じる。常日頃から「お客様を驚かせるのが私の喜び」と語るサラによる、これ以上ない観客へのプレゼントとなった。
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会場の興奮を鎮めるかのように、美しいオリジナル曲のヴォカリーズが続く。NHK大河ドラマ『西郷どん』から「我が故郷」。そして作曲者である小畑貴裕自身によるオーケストラ・アレンジで『約束のネバーランド』~「メイン・テーマ」と「イザベラの唄」。ブルーのドレスにティアラ、ロング・ヴェールが美しく映え、歌詞が無いながらも千変万化なサラの歌声に彩を添えた。続いてゲーム『ゼノブレイド』から「Beyond the Sky」。ここで〝サプライズ″第2弾!「Beyond the Sky」の作曲者である光田康典と『西郷どん』の音楽を担当された富貴晴美がトーク・ゲストとして登場。サラが人生で初めてレコーディング・スタジオに入り、ヴォーカル・レコーディングを行った時の話や『西郷どん』音楽秘話など、普段聴くことができない貴重な話の数々が披露された。最後にお二人にサラからの共通の質問が。「サラ・オレインの悪い・嫌いなところを教えて下さい」?!
サラの“サプライズ”はまだまだ終わらない。
突如場内アナウンスが。マエストロ鈴木が体調不良で楽屋から出てこないと。誰か代わりに指揮が出来る人はいないでしょうか?? そこに現れた、ハイヒールを履いた怪しげな(?!)指揮者の正体は……?! 素性の知れない指揮者にオーケストラの団員たちも困惑したためか、演奏中にワインボトルを掲げたり、ひとり、ふたりとステージから去っていってしまう……でも、この曲はそういう曲 ―― ハイドンの交響曲第45番「告別」なのでした! というオチ。これまでピアノ、ギター、ドラム……とステージ上で色々な楽器演奏を披露してきたサラ。遂に指揮棒を持ちマエストロ・サラを“演じて”みせた。ちなみに、このコンサートの脚本、舞台演出すべてはサラ・オレイン自身によるもの。次回は何を見せてくれるのか?! 毎回楽しみは尽きない。
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コンサートも終盤に突入。ガラリと趣を変えてロック・メドレー。サラの母国オーストラリアを代表するロック・バンドAC/DC、そしてクイーン・メドレー。クイーン・メドレーではピアノ、歌、ヴァイオリン、ドラムとステージ狭しと駆け巡る。サラにより、客席のコート駐日オーストラリア大使御夫妻が紹介された。
プログラム最後の曲は「マイ・ウェイ」。「人生を後悔したくない。自分も決断をし、新たな道を歩み始めた」と語るサラ。みなさんも「あなたの道」を後悔無く歩んでくださいとのメッセージを込め、熱く歌い上げる。アンコールに応えて披露したのは、ピアノとオーケストラのバージョンでの「糸」。ヴァイオリンの超絶テクニックが光る「チャールダーシュ」、冷めやらない拍手に応えて「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」でコンサートを締めくくった。
圧巻のパフォーマンスはもちろん、サプライズ満載のショーに拍手は止まず、笑顔と感動に満ちたスタンディングオベーションのうちにコンサートは幕を閉じた。パフォーマー、エンターテイナー、そしてプロデューサー。まさに「アーティスト」と呼ぶにふさわしいサラの今後が見逃せない。

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