劇団さんらん、安部公房が書き下ろし
た『未必の故意』を上演

2019年8月8日(木)から18日(日)にかけて東京・江戸川橋にある絵空箱で、劇団さんらんが『未必の故意』を上演する。これまで安部公房の『どれい狩り』『制服』を手掛けてきた同劇団の尾崎太郎が演出し、出演者は大沢事務所の若林正や、演劇集団円の馬渡亜樹など、18歳から63歳までの総勢12名となる。
本公演の戯曲は1971年に安部公房が俳優座に書き下ろした作品で、ある小島の消防団長が、団員や島民たちと計画的に行なった殺人を未必の故意に見せかけようとする物語だ。団長を中心に島民たちの模擬裁判が行われる過程で、事件の状況や島の人間関係が見え隠れし、謎解きの面白さや作者特有のユーモアが散りばめられている。同時に現代社会に対する鋭い眼差しや同調圧力と差別意識、コミュニティーの問題も描き、閉鎖的な島で抑圧されながら生きる島民達の心のひだを、生々しくリアルに、疾走感のある舞台に仕上げている。
70年代に書かれた作品だが、本作品で描いているコミュニティーの問題に触れることは2019年の現代においても大切なことだと劇団は考えているという。同劇団は創立以来、演劇を観ることへの敷居をさげるべく、高校生以下の料金を500円と設定しているので、本作品でさまざまなことを考えるきっかけにするのもいいかもしれない。

【劇団・さんらんについて】
2016年に葛飾にて尾崎太郎・本多弘典が結成。
これまでに安部公房作『どれい狩り』『制服』、オリジナル作『イステキ』『おかえり』等を上演。2019年3月は創立65年を迎えた劇団新人会の公演『新・ワーグナー家の女』(福田善之作)を演出・企画制作。社会に光をあてる作品をあたたかみのある演出で届けることを信条としている。

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