【IKUO インタビュー】
今回はかつてないぐらい歌に注力した
曲って自分の人生を反映させるものだと
改めて気付かされた
では、その歌詞について各々おうかがいしていきますが。まずは「Fly」。こちらは“諦めるな! 何度でもトライしていこう!!”的なメッセージも印象深いです。
これは自分への応援歌でもあります。実は僕、昨年から今に至るまでいろいろとありまして、かつてないほど悩む年で。そんな落ち込んでいる自分を奮い立たせるためにも、自分に言い聞かせるような歌が欲しかったんです。
「僕らの約束」もIKUOさんの歌詞ですね。
そうなんです。こちらはもう完全なるテーマがありまして。18年間飼っていた猫が今年の3月に突然亡くなったんです。それもあり、猫から見た視点で歌詞を書いてみました。この猫と出会った18年前って、僕、ワンルームのボロい部屋に住んでいたんです。当時、そんな部屋でベースを弾いているのを側で見守っていてくれていた存在が、みーくんでした。それこそ以降、このみーくんはずっと僕にとって音楽の伴侶みたいな存在で。この猫が来てから急に仕事が来だしたし(笑)。
まさに招き猫!!
そうなんです(笑)。この楽曲には僕のこれまでの道のりのキーワードみたいなものをレトリック的に散りばめているんですよ。デビュー曲のタイトルが入っていたり、その歌詞がオマージュとして入っていたり。僕のベースの名前も交えてたりと、聴く人が聴いてもらえればいろいろな発見があって、都度都度ニヤッとしてもらえるんじゃないかと。あとは、ジャケット…。
こちらは猫のイラストですが、もしやこれが?
みーくんです。実はみーくんが亡くなる前から今回のジャケにしようと決めていたんで、それをそのまま…。ある意味、今作にはみーくんへの追悼やレクイエムも込められています。
話を聞くと結構しんみりな内容ですが、楽曲的にはその辺りを一切感じさせないという。
そうなんです。逆にしんみりしていたり、バラードでの伝え方はしたくなくて。歌詞もあえて悪態をつく感じにしたし。ジャケットも悪そうな顔をしてるでしょ?(笑)
もう1曲の作詞は「Road to Tommorrow」で。
この曲もテーマはこれまでの2曲と近いかも。
どの曲も“いつの日にか…”といった秘めたこれからへの決意が共通して込められてますもんね。
僕の歌って根本的には悔しさから成り立ってますからね。チクショー!の気持ちを常に持って生きてるんです。いい時もあれば悪い時もあるのは分かってるけど、その悪い時が来るのが怖くて。それで懸命に活動している面もありますね。
ワーカーホリック的にご活躍されてますもんね。
さっきと重複しますが、まさにその辺りは怖さから来てます。僕、デビューが遅かった上、あっと言う間に契約が切られたりして、ずっと底辺にいた時期があって…未だにアップダウンの波が続いているんで、やはりダウンの時はむちゃくちゃ不安なんです。
分かります。
それが2018年に、また近い感じに陥ったんです。デビュー後の苦難や不遇を想い返したりもして…それが歌詞を書く際にも浮かび上がってきたんです。そこで曲って自分の人生を反映させるものだと改めて気付かされて。なので、自分的には赤面しちゃうぐらい正直に、あえてシンプルに歌を通して気持ちを書かせてもらいました。