【vistlip ライヴレポート】
『vistlip 12th Anniversary
【My Zodiac Sign.】』
2019年7月7日 at Zepp Tokyo
序盤は“美”が目立った。疾走感あふれる「Legacy」で口火を切り、「Dead Cherry」ではYuhと海の両ギタリストがともに左右のランウェイでプレイ。会場も一斉に咲き始める。間の歓声はやはり“お帰り!”の声が多く、それに対して復帰した智(Vo)が“これからもvistlipという星座の下でやっていく”と力強く返す。“激”なゾーンではレーザーが飛び交い、「GLOSTER IMAGE」でヘドバンの嵐を起こし、「Prey Shadow」では瑠伊(Ba)とTohya(Dr)を中心に生み出される重みや軽快さを、「Timer」では美しさと激しさの波状攻撃を満喫。“哀”を感じたゾーンではスモークの雲海の中、愛しさが大きく広がった「BABEL」、粉雪舞う演出も印象的だった「STRAWBERRY BUTTERFLY」などが哀しさを場内に染み込ませていく。そして、“一体化”が目立った中盤は「THEATER OF ENVY」がフロアーをバウンスさせれば、「Idea」も2ビートや4つ打ちも交え会場を天空へと引き上げる。また、この日は最新アルバム『STYLE』の曲たちをようやく体感。中でも「[glider]」では疾走感とラウドさを抜けて現れる美しい景色を堪能した。
本編最終は神々しかった。「HEART ch.」のサビのストレートさと開放感が気持ち良く、「OZONE」ではミラーボールも回り七夕らしい幻想さが味わえた。さらに、アンコールでは彼らの側面を切り出す。やさしいバラード「Re:明日晴れたら」、ラウドさやラップも特徴的な「FIVE BARKIN ANIMALS」、「彩」ではカオスが作り出され、Wアンコールでは場内無数のペンライトが幻想的な天の川を作り出し、「July VIIth」がゆっくり放たれるのを見た。
ニューシングルの発売と延期のツアーの再開も発表されたこの日。ここで改めて感じた絆や信頼感をもって5人は、また作品にライヴに従来以上の尊さを届けてくれることだろう。
撮影:高山和久/取材:池田スカオ和宏
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